「夕闇に」ではなく「夕闇を」である。「夕闇に」は「夕闇になって静まりかへる芒」、「夕闇を」は「夕闇の中を静まりかへる芒」、後者のほうがより大きな空間を感じさせる。「静まりかへる」は、作者のほかに人っ子一人いないということ […]
「闇にほふ」から、いよいよ迫った冬を感じる。その冷たい風に、松の匂いが漂う。闇にいながらその情景に自分が立っている情景が浮かぶ。普段視覚に頼ることが多い人間だが、すべての神経が臭覚に集中する掲句は、何とも新鮮だ。東北を思 […]
小鳥はどこか、作者の心にも訪れたような感じを受ける。小鳥はその名の通り小さいけれど、小鳥が来る喜びは大きい。今年の小鳥には今年の、人にはそれぞれの物語がある。作者はきっと、小鳥も人間も、その物語も、大好きなはずだ。(西村 […]
朝露に輝く天地の間に立つ一軒の百姓家。現代では、このような風景はよほど地方に行かなければ、見られない風景となってしまったが、懐かしさと大きな安堵感を感じる人は多いだろう。単純な構成でありながら、誠実に生きる人々の生活まで […]
木の実と沼。自然界にあるものの共演。水草や魚とは沼は共生し、家族のようなものであるが、木の実はお客さん。木の実の不意の訪れを喜んでいる沼である。「幽かに」が、山の奥にある小さな沼を感じさせる。その場面を見つけた作者の喜び […]