古志会員による一句鑑賞

大年は、十二月三十一日大晦日のこと。樹木の苗の畑に杉の枝が飾られている。それらの苗はやがて山に戻される。杉の枝は山の神の加護を願いまた感謝の心をあらわしたものではないか。切ったばかりの杉の枝から漂うかおりが、あたりをきよ […]

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§3396 · 12月 31, 2010 · 飴山實の一句 · (No comments) ·


「裏白」は新年の飾り物に欠かせない歯朶のこと。本来「裏白」は新年の季語だが、掲句はその「裏白」を取りに山中に入るというから、新年の準備、つまり暮れのことを詠んでいる。しんと静まった山中に歯朶を刈るハサミの音が響く。「心正 […]

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§3394 · 12月 30, 2010 · 飴山實の一句 · (No comments) ·


鋸粉(おがこ)は、鋸で材木を切って出る細かい木の粉。エビやカニの輸送にも使われている。鋸粉に埋めて梱包すると、寒さに弱い伊勢海老でも二、三日は生き続ける。歳末、鋸粉の箱に恐る恐る手を入れて、お節料理用に届いた高価なエビを […]

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§3392 · 12月 29, 2010 · 飴山實の一句 · (No comments) ·


年も詰まり、今年も残すところわずか。部屋のカレンダーを新年のものに取り替えている。外した暦には、医者に行く予定だけが残っている。作者は長く腎臓を患い、人工透析が欠かせなかった。日常のある瞬間、ふと一年を振り返る。(稲田恵 […]

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§3390 · 12月 28, 2010 · 飴山實の一句 · (No comments) ·


蝦竹瓮(えびたっぺ)とは、蝦を獲るための竹籠のこと。「えびたつべ」ともいう。琵琶湖では、この籠に餌を入れ、それをいくつも付けた縄を湖底におろし蝦をとる漁がさかん。湖上で引き上げた竹瓮を高くかざせば、籠の隙間から比良山を映 […]

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§3388 · 12月 27, 2010 · 飴山實の一句 · (No comments) ·