その昔、西行法師が詠み、奥の細道の旅中、芭蕉も詠んだ柳。かつては自分もそのあとを慕ってやってきたものだったが、今は葉を散らし、清水は涸れはて、石はしらじらとそこかしこにみえる。「遊行柳のもとにて」という前書のある句。漢字 […]
虫籠の中の鈴虫だろうか、窓の外の草むらにいる蟋蟀だろうか。部屋で横になると、まるで枕元にいるかのように虫の声が聴こえてくる。りんと鳴き、一呼吸おき、またりんと鳴く。次も鳴くだろうか、ああ鳴いたと思いつつ、聴いているうちに […]
残暑厳しい頃、大阪の繁華街、道頓堀辺りに立てば、扇子をパタパタあおぎながら歩く人や胸ポケットに差した人と行き会い、「儲かってまっか?」などと会話が交わされている光景に出くわすはずだ。そうした景を写したのだろうが、上五を「 […]
ふざけあっていたのか、酒を呑みすぎたのか、祭のさなか勢いあまってか。いずれにしても喧嘩っぱやい江戸っ子であろう。オレのほうが強いぜ。ふん、オレの方が強いさ。なに。なんだと。やるか。やるとも。相撲をとりたかっただけなのかも […]
美しい月の夜。岩の突き出たこの場所に、みなさんの他にもう一人、私という月見の者がいますよ。はじめ去来は、中七以降を、岩頭にいる他人の事としていたが、師である芭蕉は、岩頭にいる自分の事としたほうが良いという句の解釈を示した […]