古志会員による一句鑑賞

冬の森に子どもがひとり入ってゆくことは現実には考えられない。するとこの句は夢の中の世界か。どこからやってきたかわからない子どもが、物みな眠る静かな冬の森に入っていく。夢幻のような情景が、作者の胸にひろがっていたのであろう […]

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§3518 · 1月 31, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·


湖畔の温泉宿から吹雪いている諏訪湖を眺めている作者。対岸の山端が薄紅色に染まり、どうやら夕焼けが始まるようだ。凍みるような空気の中、モノクロの世界に差し込む夕焼けの色は美しい。(山内あかり) 出典:『雪後の天』

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§3521 · 1月 30, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·


山雀にひまわりの種を食べさせたことがある。手に乗った瞬間の、あの軽さが忘れられない。全身が羽毛でできているのではないかと思った。「手に乗る禽」はやがて来る春の象徴だ。冬の深さが詩情をかき立てる。(村松二本) 出典:『山の […]

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§3501 · 1月 29, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·


誰もが知るように、土筆は春の植物。果たして寒に芽生える土筆はあるのだろうか。この句は茅舎が四十四歳で病没する半年前の作品と言われるだけに、茅舎のなきものを追い求める心、すなわち哀切なまでの生への希求であるかのように聞こえ […]

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§3497 · 1月 28, 2012 · 今日の一句(2011年) · 1 comment ·


見上げれば、雪。雪片という一語から、読者は凍える空気のなかへ。まさに、雪は“small soft white pieces”だからつれ立ってきもし、いま降る雪ははげしく、空に「深さ」を齎す。あいまいなイメージを排した言葉 […]

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§3493 · 1月 27, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·