古志会員による一句鑑賞

辛夷の蕾は鼠色の毛に覆われ、春の光につやつやと光る。開くのを待ちながら朝に夕に蕾を見上げながら歩く。ある日、真白な花びらのひとひらが反り返りつつ、開いた。雨に傷むのはもっと先のこと。赤みを帯びつつ、自らを開き始める様子を […]

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§3545 · 2月 29, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·


自由律俳人の山頭火は酒と温泉が大好きだった。自由律の先輩・尾崎放哉も酒が好きだったが、飲み方が悪かった。山頭火も警察のお世話になったことはあるが、放哉よりは陽気な飲み方だったようだ。酒が手放せない自嘲を詠んでもなんとなく […]

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§3567 · 2月 28, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·


地蔵に供えられた樒(しきみ)が野火につつまれる。おそらく地蔵もろともに。蕪村といえど、これはなかなか絵にしにくい光景であろう。蕪村は雪や雨、灯りも巧みに描いたが、炎は描いていないのではないだろうか。この句を詠んだとき、蕪 […]

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§3006 · 2月 27, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·


ひらひらともつれながら舞っていた二つの蝶が、ふっと別れて、しずかに去って消えた。あとには春のうるんだ空が、いつまでも青々と広がっていた。  どこか哀しく、そしてどこか希望を感じさせる、美しい青春性をたたえた句である。 「 […]

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§3563 · 2月 26, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·


二月の、まだ冷たい空気の中に白梅が咲き、今は紅梅が澄み渡った深空に色鮮やかに咲いている。白と紅、青空の色彩が織りなす早春のすがすがしさ。龍太が逝って今日で五年。(斉藤真知子) 出典:『山の木』

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§3559 · 2月 25, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·