古志会員による一句鑑賞

森澄雄は旅に出る時、ノートを持っていかなかった。その地の風物を楽しみ、風土を大いに呼吸して帰ってくるのがスタイルだった。掲句は古寺が多い小浜市を風土色豊かに詠んでいる。淡塩で蒸して一夜浜風にあてた柳蒸鰈は、古くは朝廷への […]

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§3555 · 2月 24, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·


風呂場や銭湯のことなのだが「湯屋」には、はんなりとした情緒を感じる。春の雪は、雪片が大きくすぐに融けるので髪までしっとりと濡れるだろうが、温かい湯船が待っているのだもの、気にせず春の雪に濡れて行こう。帰りには、きっと雪は […]

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§3551 · 2月 23, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·


前書きに、「丹波竹田石像寺晋山式」とある、晋山式は新たな住職が就任する際の寺の儀式。跡継ぎが決まった折などでも行われる。句は、その晋山式の明け方を詠んでいる。まだ人気のない厨、架け替えたばかりの真つ青な竹が、外からそのま […]

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§3547 · 2月 22, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·


身近なものに「はっ」とした瞬間に俳句の面白さがある。まさに掲句。大きな石鹸玉がぼわっと浮かび、または小さな石鹸玉が風に乗ってパパパと過ぎる。それら石鹸玉を透けて見える青空に「はっ」とする。―「空って広いな。」春の到来を喜 […]

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§3581 · 2月 21, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·


季語は鷹でも鷹匠でもなく二月と読みたい。暦の上では二月とは冬が終わり立春を迎える春の始まりの月だ。たいていの人は厳しい冬がやっと終わるのでほっとするはずだが、鷹匠は自分の腕の軽さにどこかむずむずしている。鷹の居ない自分の […]

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§3587 · 2月 20, 2012 · 今日の一句(2011年) · (No comments) ·