今日は、七五三。晴着を着せられた子供は、今日が何の日かも知らず、袂や千歳飴の袋を引きづって無邪気に歩いている。その童心がいじらしく愛らしい。(斉藤真知子) 出典:『径』
銃を携え、猟犬とともに滑り出した小舟。音もなく停まり、葦の根あたりに狙いを定める。引き金を引く。一斉に空に飛び立った鳥をめがけて又パンパンと撃つ。板木を打つかのような音が辺りに轟いた。逸る気持ちを抑えかねていた犬が飛び出 […]
時雨となり、帰る客人に傘を貸すことに。普段使っていない傘なので開き具合を確かめて手渡した。細やかな心づかいを感じるしっとりとした句だ。松本たかしの感性豊かな句は余韻を残す。この句も時雨傘を見送るしずかな心持になる。(木下 […]
「虎落笛」の「虎落(もがり)」とは、竹を編んだ柵や垣根、物干のこと。それに風が吹きつけるとひゅうひゅうと笛のような音を立てる。冬の空を鳴り渡る笛のような風音がその音に似ていることから虎落笛という。句の「樹には樹の悲しみ」 […]
例えば「玉の如き小春日和を授かりし」(松本たかし)。日本人はこの「小春」を、時に女性の名前にするなど大切にしてきた。それはこの「小春」が日本人にとって大変心地よく、そして儚い時間であるからだろう。掲句、水底はすっかり冷た […]