堅い猫柳の鞘が割れて銀鼠色の花穂が顔をのぞかせると、春は間もない。雪国の人は東京には冬がないというが、言い得て妙である。厳しい冬を迎えてこその春であり、その喜びも楽しみも、その大変さを味わった人達に送られるご褒美だ。(岩 […]
紳士が、悠々と一人でブランディーなどを楽しんでいる風情である。脚の長い椅子は、ときたま飲食店などで見かけるが、私は、地に足が付いていないと落ち着かず、そこ に長時間座っているというのはできそうにない。この句、「春淺し」「 […]
二月は受験の真っ盛り。湯の真中を占めて四肢をのばし、ひととき受験という重荷から自由になっている学生を描いた掲句。「首出して」にほのぼのとした味わいがある。語らずとも励ましているような作者の眼差しが感じられる句だ。双魚は長 […]
鮮やかな紅色の紐を引いているこの猫は、部屋で大切に飼われている猫なのだろう。外の猫を恋いて鳴いているのか。艶やかな一句である。(山内あかり) 出典:『松本たかし句集』
元禄四年。すでにこんな句が出現していた。「シララオチクボキョウタロウ」は当時一つのフレーズとして定着していたらしい。それをぱかっと中七下五にはめ込んだ。芭蕉の定型への信頼の程がうかがえる句である。(村松二本) 出典:『忘 […]