辛夷の蕾は鼠色の毛に覆われ、春の光につやつやと光る。開くのを待ちながら朝に夕に蕾を見上げながら歩く。ある日、真白な花びらのひとひらが反り返りつつ、開いた。雨に傷むのはもっと先のこと。赤みを帯びつつ、自らを開き始める様子を疵と捉えた。(藤原智子)
出典:『初鴉』
辛夷の蕾は鼠色の毛に覆われ、春の光につやつやと光る。開くのを待ちながら朝に夕に蕾を見上げながら歩く。ある日、真白な花びらのひとひらが反り返りつつ、開いた。雨に傷むのはもっと先のこと。赤みを帯びつつ、自らを開き始める様子を疵と捉えた。(藤原智子)
出典:『初鴉』