古志会員による一句鑑賞

「恋猫」はさかりのついた猫のこと。雄は雌をもとめて、二月ころからそわそわしはじめる。昔は、恋猫の営みの場所といえば縁の下が多く、真夜中にぎゃあぎゃあ鳴いて、人の安眠を妨げたものであるが、近頃の家の縁の下は、猫がもぐりこめないようにできていて、夜中、恋猫に困らされることもない。この句の恋猫の声は、風に乗ってかなり離れたところから来ているらしい。吹いているのは、寒さのゆるんだなまあたたかい夜風かもしれない。 (北側松太)

§701 · 2月 11, 2009 · 長谷川櫂の一句 · · [Print]

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