虚子に「バスの棚の夏帽のよく落ること」(『五百五十句』)があるが、箱に入っていれば、揺られても落ちる心配はない。虚子の庶民的な普段着の句に対し、掲句は貴婦人のお帽子だろう。車窓の外は、金色に熟れた麦畑がどこまでも続いている。いったい、どこへゆく旅なのだろうか。(大谷弘至)
虚子に「バスの棚の夏帽のよく落ること」(『五百五十句』)があるが、箱に入っていれば、揺られても落ちる心配はない。虚子の庶民的な普段着の句に対し、掲句は貴婦人のお帽子だろう。車窓の外は、金色に熟れた麦畑がどこまでも続いている。いったい、どこへゆく旅なのだろうか。(大谷弘至)