古志会員による一句鑑賞

桜が咲く頃、急に冷え込む寒さを「花冷え」という。掲句、花も盛りの頃であろう。一段と冷える夜の桜を見ていると、ふいに闇の中から松明をもった篝守が現れたのだ。篝守は寒さから花を守るように、火の弱くなった篝火に薪をくべ火を入れた。燃え上がる炎に桜はひときわ美しく浮かび上がり、薪のはぜる音が静かに聞こえている。(山内あかり)

出典:『空』

§1468 · 4月 16, 2011 · 今日の一句(2011年) · · [Print]

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