いわゆる着流しぞろっぺいな文人俳句とは違い、車谷長吉の句には、いつも作務衣や野袴を着けたような「つましさ」が漂う。「貧乏を愛する人」とは、世を捨てにかかった作者の自画像。「人」と「椿」が、それらしく、つましく危うく付き合っている。そういえば椿の花を顔に近づけるとき、沈鬱で神妙な香りがしまいか。この作家の究極の恋愛瞬編小説『花椿』ともテーマの通う句である。(坂内文應)
出典:『蜘蛛の糸』
いわゆる着流しぞろっぺいな文人俳句とは違い、車谷長吉の句には、いつも作務衣や野袴を着けたような「つましさ」が漂う。「貧乏を愛する人」とは、世を捨てにかかった作者の自画像。「人」と「椿」が、それらしく、つましく危うく付き合っている。そういえば椿の花を顔に近づけるとき、沈鬱で神妙な香りがしまいか。この作家の究極の恋愛瞬編小説『花椿』ともテーマの通う句である。(坂内文應)
出典:『蜘蛛の糸』