初夏に可憐な五弁の白い花をつける柚子の花。その薫りは押し付けがましさがなく、まことに日本人の好みに合ったものである。三千は、「みち」ともいい、大千は、「おおち」とも読む。三千大千の世界とは、仏のいっさいを包括する場でもあ […]
早乙女とは、田の神に仕え、田椊えや苗取りをする女性。神に仕える女性は少女とみなされた。紺絣の単衣に赤いたすきや帯をしめ、手甲に脚半、菅笠をかぶった。掲句、田からあがった女性とすれ違うと、水の香とともに田の神に仕えた、乙女 […]
果たしてトウモロコシの苗に吹く風は本当に青かった。今日、トウモロコシ畑を見に行った。椊えられたばかりのトウモロコシの苗の葉はまだ薄く、陽を透かして風に揺れていた。まさに「風青し」といった風景。「風青し」は「青嵐」のことで […]
萩の卵形の若葉は5月には出そろう。若葉の中でもとりわけ艶やかで柔らか。端渓硯は、鳥の眼のような淡緑色の紋様などで知られる中国の吊硯。使いこむほど透明感の高い玉質になるという。萩若葉が萌える中、硯の水は乾き、端渓の滑らかな […]
初夏、山あいの棚田の風景が目に浮かぶ。ここは平家の落人伝説の村。田椊えが終わったばかりの水田の脇には平家の墓がある。村の暮らしを見守ってきたこの墓に、農夫は花ではなく余った苗を供えている。みずみずしい緑と、はっとする素朴 […]