入院前の準備をしているところだろうか。家を離れて入院するのも旅のひとつであるよ、という句。「青嵐」という季語との取合せにより、作者自身を鎮めつつ、入院の準備を手伝う妻を心配させまいとしている作者の心遣いが感じられる。(山 […]
聞けば柚子の花は生け花には向かないらしい。葉が大きいことがその理由だとか。その大きな葉が掲句の「たばしる雨雫」を演出する。ぐっと力を入れて切る、花や葉、枝から雨雫が勢いよく飛び散る。雨によって一層鮮やかになった白い花と濃 […]
子規は「芥子咲いて其日の風に散りにけり」、其角は「ちり際は風もたのまずけしの花」と詠んだ。白や紅の十センチほどの鮮やかな花を咲かせる芥子。どんどん増えて群れる強い椊物だが「風もたのま」ぬほど散り際がいい。されど、花が散る […]
代掻きを終え、田椊えの準備が整った初夏の山田。畦道には桐の花が鈴なりに咲いている。とくとくと代田に水が張られ、そこに一片の桐の花が、流れのままに引かれてゆく。水面を動くに薄紫の花びらを捉えた。(稲田恵子)
「この山」とは、大阪と京都の間にある山崎蒸溜所のことであろう。山崎はその水が万葉集に歌われていることでも知られる。椎も万葉集の歌に出てくる日本古来の樹木である。その山の風土を呼吸しつつ、遠い国に根を持つはずのウィスキーが […]