天井から吊るして、スウィッチを入れるとくるくる回る玩具、メリー。揺れるカラフルな飾りが、やさしい音楽とともに赤子を楽しませる。春障子に映ったメリーの影。回りだしたところを見ると、たっぷりの眠りから赤子が目覚めたのだろう。 […]
「かぎろへる」は「陽炎」を動詞化した俳句独特の用法。陽炎は、日光で暖められた路面近くの空気の密度に差が生じて光の屈折が起き、物が揺らめいて見える現象。はかないものに例えるが、句の場合は「鳥の墓」。大きな鳥ではなく、手乗り […]
羅漢とは阿羅漢の略。五百羅漢や十六羅漢などなじみ深い。仏教のうえでは修行の最高位に達した人。十六羅漢はお釈迦様のお弟子さんの中の代表者、五百羅漢はお釈迦様の教えを後の世に伝えようと集まった人達。観音様や如来より人に近い形 […]
飴山俳句のもっとも稀有な特質は、この世の美しきもの、清いもの以外を一切、詠わなかったことにある。これは存外に難しく、自身の境涯が余程に据わらないと、とても、かなわぬことである。畑の土と桜の花びらの色彩の照応を単に感受する […]
句集ではこの後に「吉野建は尾根道に添ひ谷を負ひたる独特の家造り」とある。吉野山の門前町はどの建物も谷に向かっておりている。だから表から見ると一階建てなのに裏から見ると二〜三階建て。これを吉野建てという。作者はこの吉野建て […]