ここが老舗の何とか言う店で、へー、なるほど趣が違いますなぁ、などという店で上品なお酒も良いかもしれないけれど、たまにはもっと人間臭く飲んでみるのが良いだろう。熱っぽく議論し、怒鳴るような大声で酒の追加を注文し、皿が割れたり徳利が飛び跳ねるような、そんな騒がしい飲み会も、たまには良い。この豪気な句からは、波郷の友人が、一門の姿がよく見える、なにより血の熱い石田波郷の姿が嬉しい。
なにも波郷は病気の俳句ばかり作ったのではない、この男臭い、人間臭い俳句こそ石田波郷だ。(西村麒麟)
出典:『鶴の眼』