古志会員による一句鑑賞

小津監督の「東京物語」に原節子(次男の嫁役)が尾道から出てきた義母に、お小遣いをあげるシーンがあります。「差上げる」、「いただく」、言うまでもない事ですが、物ではなく気持ちが大切、わかってはいるけど、どうしてなかなか、気持ちを伝えるのは難しい。

この句は妻に、お年玉という優しさを「差上げる」のだ、少し照れながら、ほい、と手渡す自分の様子を想像しているに違いない、そういった時の顔は、きっと優しい。(西村麒麟)
出典:『花びら柚子』

§3527 · 1月 24, 2012 · 今日の一句(2011年) · · [Print]

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