古志会員による一句鑑賞

そもそも言葉はいちど必ず身体を通過して成り立つものだから、すぐれた俳句は理屈ぬきで、身体を通して読者に直接感動をあたえる。澄雄のこの句は、「ゐて」と「さう思ふ」の表現によって単なる日常のひとこまという以上に、二人が今ここにいる瞬間とその存在自体を伝えてくる。この句を詠んだ約2年後に、澄雄は妻を失う。(松本邦吉)
出典:『所生』

§2968 · 10月 17, 2011 · 今日の一句(2011年) · · [Print]

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