今日の酒の相手は句友(友五)なれば、酒席になにか趣向を凝らしたいものだ。ということで、庭先の、ちょうどそこいらに這っている蝸牛を自分が這わせたようにいう。これが俳味をもたらす。蝸牛のゆっくりとした歩みのせいで存分に酒が楽しめることになる。『梁塵秘抄』の「舞へ、舞へかたつぶり…(略)…まことに美しく舞うたらば、花の園まで遊ばせん」あたりが隠し味なのかもしれない。
(松本邦吉)
出典:『いつを昔』
今日の酒の相手は句友(友五)なれば、酒席になにか趣向を凝らしたいものだ。ということで、庭先の、ちょうどそこいらに這っている蝸牛を自分が這わせたようにいう。これが俳味をもたらす。蝸牛のゆっくりとした歩みのせいで存分に酒が楽しめることになる。『梁塵秘抄』の「舞へ、舞へかたつぶり…(略)…まことに美しく舞うたらば、花の園まで遊ばせん」あたりが隠し味なのかもしれない。
(松本邦吉)
出典:『いつを昔』