古志会員による一句鑑賞

かねてより、蕉門十哲の筆頭のこの俳人を、わたしは、いぶかしんできた。さりながら,凡作の山を脇目にしつつも『猿蓑』序における「幻術」という言葉で詩の核心にせまろうとした志、これこそ現代俳人に欠損したものと感服せざるをえなかったことがあった。「変化へんげ』してゆくこと、これを、詩の鉱脈掘りに不可欠とした、ためらいのない矜持の、なんともあっぱれ見事であることよ。「ゑさし」とは、鳥刺つまりトリモチで鳥を捕まえる職業狩猟家のこと。冬鳥は雲間に消え去り」、「人」と「鳥」の二つの関係性は、すでに解かれて朧、すでにこの地上のものではない。生涯を、俳諧のまことのため迷子のような気持ちで過ごしていたに違いない、この人の精神の恰幅をわたしはモダンアートのように眺めいる。(坂内文應)

出典:『後出』

§1489 · 4月 26, 2011 · 今日の一句(2011年) · · [Print]

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