空洞には「うつろ」とルビがある。空洞とは何もないということではない。たとえば、うつほ物語の洞窟や琴がそうだろうし、竹取物語でかぐや姫の出てくる「竹」、桃太郎の出てくる「桃」もそうかもしれない。つまり、なにかが生まれ出てく […]
明治33年、虚子27歳のときの作。 蕭条とした枯野に立ち、ふと顔をあげると、遠くの山にぽっかりと冬の日が当たっている、その一場面を悠然と詠み上げた句。 虚子が、生涯、もっとも気に入っていた自作句だという。 正岡子 […]
海底にいる海鼠が、一体、どんな悩みを海月に語るのか? 海月は聞くでもなく、ふわりふわりと浮いているだけ。(斉藤真知子) 出典:『春泥発句集』
ふと振り向くと、露座の大佛の右肩に残っていた冬の日が、今はうしろの山に移ってしまった。自然の姿を柔らかな心で詠む、立子らしい句である。鎌倉を自分の庭のように親しく吟行していた立子の代表句といえよう。(近藤英子) 出典:『 […]
近江蕉門の一人であった酒堂が大坂へ出た。芭蕉は、弟子である酒堂の逸る様子に「功を焦るな。ゆっくりと時が来るのを待て。」と大坂の港に冬籠りをしている田螺に思いを託して詠んだ。心配する師の思いを酒堂はどのように受け止めたのだ […]