技巧がない。それでいて隙がない。「山の」という描写が平明ながら実に的確。三歳の童にさせたような句だ。(村松二本) 出典:『六百五十句』
人は本能として他者との関係欲求をもっており、それが満たされない状態を孤独と呼んでいる。掲句は、妻子がいても孤独と言っているのだが、妻子との愛情が足りずに孤独と言っているわけでは決してない。真の孤独とは、自分の内奥に存在す […]
草はさまざまな種類があり、おのおのがもって生まれた味わい深い花を咲かせるものだなあ。貞享五年八月、『野ざらし紀行』の折、芭蕉が大垣で弟子たちとの別れにあたって詠んだ句。思いやりの心の深広さを感じさせる佳句。(松本邦吉) […]
涼やかな光がさらさらと音を立てているかのようだ。ああ、今日は満月だったと空を見上げる人は幾人いるだろう。そんな人の帰り道が静かに照らされている。まるで自分が月になって空高く上り、家路を急ぐ人とその人を待つ家を見守っている […]
俳句の取り合わせは即きすぎては駄目だし、離れすぎても意味が分からない。絶妙な距離感が名句の条件。掲句の場合、上五中七と下五とはなんの関係性もなさそうで、離れすぎの感もあるが、何度も読むうちに妙な据わりの良さを覚える。単な […]