「なんてん」の語感が「難を転じる」に通じることもあって、南天は縁起木として親しまれている。また成長が遅く、しかも細い木なので、その箸は貴重で高価である。掲句の南天の箸はお祝いの席に用意された夫婦の箸であろう。外の小鳥も二 […]
京都・嵯峨の大覚寺は平安の初め、嵯峨天皇の離宮だった。天皇は中国の洞庭湖を模した大沢池に舟を浮かべて月を愛で、池畔に自生していた野菊を洗練し気品ある嵯峨菊に仕立てた。寺の周囲には今も京野菜の畑が広がる。句は、嵯峨へ向かう […]
障子貼るは秋の季語。冬は日照時間が短く日差しも弱いため、照明器具の発達していなかった頃は、煤けた障子を真っ白な紙に張り替え少しでも明るくなるよう工夫した。障子の張り替えは春だと夏に向かい紙が日に焼けるし、冬では糊が乾きに […]
一位の木は古えより位の高い木といわれ秋には紅い実をつける。あたかも漂白の俳人が、きせる火を手に転がし、いっぷくをつけるかのような所作で、この実をころころと愛でているのである。古格の気韻を伝えてくれる力量あふるる句である。 […]
古来、人間の内臓は五臓六腑とあらわされていた。掲句は心臓と腎臓を病んでいる事と菊枕の取合せ。菊枕としたことで、病の深刻さに対して、冷静な作者の姿と菊の花の生命力が感じられる。菊枕とは乾燥した菊の花を詰めて枕にしたもの。不 […]