古志会員による一句鑑賞

赤や黄に燃えあがった木々の葉が落ち尽くすと、山は冬眠につく獣たちを懐に抱きながら、みずからも静かな眠りに落ちていく。山は夢をみる。山桜の花のいろに頬を染めた春。全身を翠に滴らせた夏。あたかも青春を振り返るかのように過ぎ去ったときの夢をみる。その夢の中に生まれたまばゆい色鳥が、羽音をたてて山肌を翔び立っていく。(萬燈ゆき)
出典:『自選三百句』

§3410 · 12月 25, 2011 · 今日の一句(2011年) · · [Print]

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