京都の嵐山から嵯峨野にかけては、竹薮が多く、笹をゆるがせて風が通る。「嵐山藪の茂りや風の筋」と芭蕉は詠んだ。奥嵯峨の化野はまた、風葬の地としても知られている。一方で嵯峨は、南禅寺と並ぶ湯豆腐の吊所。風荒むなか、湯気の立ちのぼる鍋を囲んで、純白の細やかな舌ざわりを心ゆくまで味わう。格別である。(松井潤)
京都の嵐山から嵯峨野にかけては、竹薮が多く、笹をゆるがせて風が通る。「嵐山藪の茂りや風の筋」と芭蕉は詠んだ。奥嵯峨の化野はまた、風葬の地としても知られている。一方で嵯峨は、南禅寺と並ぶ湯豆腐の吊所。風荒むなか、湯気の立ちのぼる鍋を囲んで、純白の細やかな舌ざわりを心ゆくまで味わう。格別である。(松井潤)