貝とは蜆か浅蜊か。いずれにせよ春先は産卵を控え、身がふっくらとおいしい時期である。たんぱく質やビタミン、ミネラルに富み、ことに蜆は肝臓に効き目があるため酒飲みの心強い味方だ。昼から気のおけない友人と酒を酌み交し、おそらく […]
桜は蕾から散ったあとまで人々の気を揉ませ、また楽しませてくれる。掲句は満開をすぎ、散り始めた頃のひとこまだろう。家鴨の背についていた一片の花びら。濡れて貼りついているのか、花嵐に吹き飛ばされることもない。(近藤英子)
句中の「田村」は能の二番目物と言われ、修羅物が上演される。生前、戦などで非業の死を遂げた者が修羅道に堕ちて妄執を見せるのが通例だが、この「田村」は京都・清水寺の桜月夜、シテ・坂上田村麻呂の霊が現れ鬼神退治を誇らしげに語る […]
中国を代表する詩人蘇東坡は在家において仏道の修行に励んだ人。「柳は緑、花は紅、真面目(しんめんもく)」は仏印禅師との問答の中に収録されている。意味はあるがままの大切さを説いたもの。長く垂れた枝にうっすらと色づいた柳の芽。 […]
桜は、殊に咲き始める寸前の気配など、静かでありながら、まことに圧倒的なものがある。もう咲いたであろうか、まだ咲き続けているであろうか、山々を渡ってくる風にも、花の命のありようを尋ねているのである。桜のこ声とは、その山に […]