すっかり葉も落ちきり、寒さの中で時間がとまったかのように立ち並んでる冬木。しかし、その内側では春になっていっせいに芽吹き出す力が、ひっそりと、そして確実にためてこまれいる。気をそらしたとたん一気に噴きあがった牛乳は、どこ […]
霜夜は、霜の降りる空気の澄んだ寒い夜のこと。下茹でして透き通るようになった大根をだしに入れ、鰤を加えて煮る。それぞれの味が染み合って、深みを増す。冬には時々作るが、「おいしいね」の言葉に幸せな気持ちになる。冷え込む霜夜も […]
目薬をさしたときのひやっとした感じが寒さを呼び起こす。その目薬の色が、およそ寒さとは縁遠いうすももいろであったというギャップを面白がった句である。(丹野麻衣子)
「煮凝」はカレイや鯛、鮒などの魚の煮汁が冷えてゼラチン状に固まったもの。酒の肴や御飯のおかずに美味。句の情景は、冬の冷気が満ち、しんと静まり返った厨に鍋が一つ置かれている。鍋の中には煮凝が。上五の後の切れ字「や」によって […]
冬、地中深く生えている葛の根を堀り繊維状に粉砕して水と混ぜ、澱粉をもみだしては冷たい水に幾度もさらす。採れる量は一キロの根葛からおよそ一割程。古来、葛の産地として吊高い宇陀は奈良の北東部、大和高原とよばれる辺り。大和朝廷 […]