「けふまでの日はけふ捨てて」といかないのが人間である。過去の栄光にすがる者、いつまで失敗を引きずってうじうじしている者。反省や教訓は必要であるが、やはり前に進まなければならない。名誉や煩わしい人付き合いをぱっと切り捨てる […]
美しい町というのは単に町並みの事をいうわけではない。それではちょっとあまりに味気ないだろう。この句、江戸でも海辺の魚村でも良いけれど、雛に栄螺とはなんとも嬉しいお土産ではないか。奉るという心がよく出ている俳句だ。言うまで […]
この字余りで読みにくい句に出会った時はなんとも驚いたが、誰もが一度は目にした風景であり、それが頭に浮かび上がると忘れられない句となる。お伽の国に迷い込んだような錯覚をもつのは、針があっちこっちを指した沢山の時計ばかりでな […]
「大丈夫。大丈夫だよ」という会話が交わされる場面は多々ありますが、そのように言われ、納得出来るかどうかは、会話をしている二人の関係、会話の内容により様々で す。この句の場合、言われた方が信用していないのは、「亀鳴く」とい […]
昭和28年の春、作者は橋本鶏二とともに雲仙・長崎を旅した。切支丹遺跡を経めぐる途上、若草に包まれて日ざしの中に点在する礎石を目にしたのだ。古人の営みへの慕情。何を成し遂げたか、ではなく、何を成そうとしたか、と振り返る作者 […]