この句には前書がある。「加賀、山中「よしのや」に流火師匠ほかと二句」。「よしのや」とは加賀市山中温泉の「よしのや依緑園」のこと。この旅館は800年以上の歴史があり、老舗中の老舗旅館だ。「流火師匠」とは安東次男氏のことで、 […]
江戸時代前期の茶人、久田宗全は手工に秀で、裾広がりの独特なかたちに女竹で編み上げた宗全籠と呼ばれる手つき籠を生み出した。茶道具の籠花入として、今日でも多用されている。蟋蟀、鈴虫、松虫など虫の季節に、選りすぐりの籠に執着す […]
石臼の上で大豆を打ち、つぶして乾燥させる、これが打ち豆。能登や福井の伝統的な保存食として、いまも伝わる。奥能登を訪れた作者がとらえた農家の秋の風景であろう。青々とした海と空、澄んだ空気に新大豆の飛び散る様が鮮やか。(稲田 […]
前書きに「美濃、関五句」とある句のうちの一つ。関市は刃物の産地で、毎年十月に「刃物まつり」が催されている。鎌倉時代、元重によって刀鍛冶の技術がこの地に伝えられたという。時代とともに、戦のための刀から柿を剥くためのキッチン […]
その秋に収穫した新大豆で作ったのが新豆腐。若い豆の青くささと甘い風味が喜ばれる。句は「写経の筆を買ひに出て」と最後まで言い切らずに終わっている。写経の筆を買いに出て、豆腐屋の前を過ぎたら「新豆腐でました」という貼紙が目に […]