桔梗には、青紫も白もあるが、どちらも楚々とした品位と清清しい親近感の伝わってくる花である。折り目正しい風船状のつぼみも、なにやら、ゆかし気。この句は、黄昏どきの花を詠う。やがてこの花色のような、青紫色の秋の夜空が、あたり […]
「泛く」は「うく」と読む。秋の冷ややかで澄んだ川水に、さも軽そうに運ばれる鬼灯。「水の秋」としたことで、鬼灯の熟した赤い色がより美しく豊かにみえてくる。(山内あかり)
「ちゝろ虫」は蟋蟀のこと。酒蔵で鳴く蟋蟀を詠むのであれば、「酒蔵の樽のうしろのちゝ虫」としたいところ。しかし、掲句は「酒蔵の酒」。酒が醸造されていくじっくりとした時間に思いが巡る。リズムよく繰り返される蟋蟀の調べとの取り […]
萩は、作者が長年暮らした山口県にある城下町。明治維新の原動力になった長州藩の志士たちが東奔西走していた地だが、今は瓦葺きの土塀などに往時の面影を残して静かなたたずまいをみせる。夏、蜜を求めて忙しく飛び回っていた蜂たちも秋 […]
「登高」とは中国古来の風習。陰暦の九月九日、重陽の節句に近くの山に登って菊の酒を飲むと厄払いになるという。杜甫はその「登高」で、山上から秋の長江を俯瞰し、百年の憂いを詠んだ。一方、掲句は「海へ山へと足が向く」と、晴れ晴れ […]