「ちゝろ虫」は蟋蟀のこと。酒蔵で鳴く蟋蟀を詠むのであれば、「酒蔵の樽のうしろのちゝ虫」としたいところ。しかし、掲句は「酒蔵の酒」。酒が醸造されていくじっくりとした時間に思いが巡る。リズムよく繰り返される蟋蟀の調べとの取り合わせが秀逸である。酒蔵の静かさ、暗さ、冷たい空気が実感できる一句である。(大塚哲也)
「ちゝろ虫」は蟋蟀のこと。酒蔵で鳴く蟋蟀を詠むのであれば、「酒蔵の樽のうしろのちゝ虫」としたいところ。しかし、掲句は「酒蔵の酒」。酒が醸造されていくじっくりとした時間に思いが巡る。リズムよく繰り返される蟋蟀の調べとの取り合わせが秀逸である。酒蔵の静かさ、暗さ、冷たい空気が実感できる一句である。(大塚哲也)