草の葉の上で光っていた蛍が、するすると葉を滑り落ちたと思った瞬間、飛んでいった。その一瞬をとらえて詠んでいる。どこか儚げな蛍ではあるが、その命の輝きを見てとり、讃えている作者の思いが「飛ぶ蛍かな」から感じとれる。(木下洋 […]
ここであてはまる「なまじ」の意味は、「しなくてもいいことをするさま(広辞苑)」ということだろう。少し深読みすれば、「なまじ似合って」女を惚れ惚れさせる、それが男の罪ということ。「借りて着る」が少しなぞめいていて、艶のある […]
赤ちゃんは、寝ながら笑む。楽しい夢でも見ているのだろう。こちらも自然と微笑む、そんな幸せなひと時の句。「昼寝」は、夏が蒸し暑く疲れやすいため夏の季題となっている。しかし、掲句のように昼寝の句からは暑さや疲れなど感じられな […]
自分をするめと表現した句を僕は他に知らない、暑さでぐったりと部屋でおとなしくしている様が可笑しい。所詮我々は自然に抗う事はできず、暑い日はするめのようなもんである。(西村麒麟) 出典:『西へ出づれば』
燕子花は杜若のこと。水辺を好み紫色の花をつける。夕暮れ時この花は空の色にも水の色にも溶け込み、静けさに満ちている。かつて、この色は高貴な人にだけ許される色でもあった。人の世だけでなく、天上界もまた、淋しいだろうかと思いを […]