平成十一年初冬の長府功山寺での句会に出された句。この四ヶ月後に作者はこの世を去る。古志の長谷川主宰はこの句を、「遺言」と講評している。粥膳で温まった体。さて、綿虫の飛ぶ冷たい庭にでも出てみようかという句意。作者がひとり庭 […]
低い雨雲に包まれ、降ったり止んだりするしぐれ。京都や奈良の盆地でよくみられ、山めぐりともいう。槇の板屋に降る音など、しぐれは京の歌人に親しまれてきた。女人高野ともいわれる室生寺で有名な奈良県の室生。京のしぐれは大粒だが、 […]
和服の人が袖を通さず、手を懐に納めている、これが「懐手」。寒さゆえ、背を丸めて懐手の人もあるが、あの坂本龍馬の懐手は、時代に挑む決意のあらわれ。ままごと遊びの男の子が大人になりきって「懐手」をしてみせている。さて、どんな […]
植林した針葉樹は木材にしたときに節が残らないよう、樹木の生長が止まる秋から冬にかけて枝打ちが行われる。この句の枝打ちの枝は、次から次へまるでみづから落ちてくるかのようである。樹木の再生の力と、その樹木にささえられて生きる […]
保線夫は列車を走らせる線路の敷設、保守、点検をする作業員のこと。大型機械が導入された昨今は、大人数での線路作業を見かけなくなったが、昔は、百人もの人間が一斉に声を掛け合って作業する姿がよく見かけられた。句がとらえているの […]