「尻さはられつ」は擬人法である。擬人法で有吊な句といえば、山口誓子の「海に出て木枯帰るところなし」であろうか。失敗例の多い描写法であるが、この句の場合は「さはられつ」が味わい深い。萩が咲いているからには、庭の一角を耕した […]
映像的な動きを感じる一句。遠くの河原へぐっと寄っていった視点が、一転して、目の前の紫式部の小さな実へ接近していく視点へ切り替わる。カメラで言うと、望遠レンズからマクロレンズへ切り替わったかのようである。秋の空気が澄んだレ […]
蜂は同じ巣を翌年も使うことはしない。春に目覚めた女王蜂は単独で巣を作り始め、新しいコロニーを形成する。夏の終わりに新女王蜂が生まれると、新女王蜂だけを残してコロニーは消滅する。曇りのない利刀のように澄みきった秋の川に流さ […]
「瓢」はヒョウタンのこと。軒端の瓢が大きく育つて、長く垂れ下がっている様子は、いかにも侘びた住まいを連想させる。この描写によって刀匠(刀鍛冶)がほかのことには目もくれず職人気質に生きていることが伝わる。俳味にあふれ、「け […]
イソップ物語にもあるように、きりぎりすは蟋蟀と並び鳴く虫の代表。声は鈴虫や鉦叩より、趣にかけるもののなじみ深い。この頃になると、朝夕には露もおりて夏に痛んだ草木も本来の美しさを取り戻す。ほっと一息つくのは人間ばかりではな […]