「夜半」というからには、午後九時を過ぎたあたりだろうか。「よっていけ」というのに「もう遅いから」と遠慮したらしい。生きのいい鮎をすぐに食べてもらいたくて、ぶしつけとは思いながらも門を叩いたのだろう。さり気ない表現ながらも […]
東日本大震災から早くも2カ月強が過ぎた。多くの被災された方々を思うと、胸が詰まる。ボランティアのために陸前高田へ行っていた親友から被災地の様子を聞いた。燕が巣を作る屋根すらなかったと言う。復興が進み、燕の子供たちは元気よ […]
今の時代毒消売を実際に見る事はなかなかないかと思う、それでいてこの句はどうも印象深い。宿命を背負い、めらめらと燃える太陽の下を一歩一歩体力を振り絞り歩き続ける、その姿はまるで人間という生き物の定めのようだ。(西村麒麟) […]
禅に啐啄同時というのがある。啐は殻を破ろうと雛が内側からつつくこと。啄は母鳥が殻を外側からつつくこと。双方のはたらきが一致して雛が誕生する。禅宗では弟子を雛に、師家を親にたとえ修行における機の大切さをとく。卵が孵化した瞬 […]
作者が目をうばわれているのは、葉桜そのものではない。葉と葉が作り出した無数の隙間、そこからのぞく五月の空である。風がそよぐといっせいに青い空が騒ぎ出した。並木には花のころの賑わいはない。一人見つけた、初夏の訪れ。(稲田恵 […]