母を訪う男の心情を、季語に託して余情たっぷりと語らしめた句。どんな言葉を交わしたかは全く書かれてはいないにもかかわらず、その半日を母のもとで過ごした作者の、うれしいような照れくさいような気持を、夏のはじめに咲く桐の花の、 […]
日本の昔話にそら豆の出てくるものがあるが、そら豆は古くから食されてきた初夏の食べ物の一つである。塩ゆでにしたり、さやのまま焼いたりする。掲句はとれたてのそら豆をゆで、ゆで具合をみるために一つ二つ食べてみたのではないだろう […]
この句の骨法はどこかで見たことがないか。 曙はまだむらさきにほととぎす 芭蕉 掲句には波郷が「古典と競う」と言ったときの気概がくっきりと現れている。ここに見られるように、波郷の生来の声調は実に明るいものであった。(村松二 […]
いつまでも乾ききらない髪の芯のように、心身を通底する寂しさ。黒髪がながく豊かであるほど、その寂しさの淵は深い。そんな身ほとりに真っ赤な罌粟が花ひらく。それはまるで寂しさにうちしづもる黒髪がやがてうねりをなし、その髪の先か […]
まるで障子なんかないみたい。早朝、不意打ちのように、寝床まで、白くまぶしく卯の花が咲き匂ってきた。起きだして、卯の花が咲いている庭におりて、大きく深呼吸をした。「に」の小さな切れと「かな」でもって、初夏の爽やかな朝の、機 […]