晩夏から初秋にかけて聞く、かなかな、つまり蜩は、どこかしら夏というもっとも命の営みが活発であった季節への慰撫や鎮魂のおもむきが伺える。地獄草紙は、赤と黒を基調とした絵がほとんどであるが、なにやら物事の果てのような色感を湛えている。火焔の赤、逆光の黒。夏の終わりの激しき疲弊と、次の季節へかすかな微兆が宿っており、作者ならではの鋭い季感の把握がまことに見事。(坂内文應)
晩夏から初秋にかけて聞く、かなかな、つまり蜩は、どこかしら夏というもっとも命の営みが活発であった季節への慰撫や鎮魂のおもむきが伺える。地獄草紙は、赤と黒を基調とした絵がほとんどであるが、なにやら物事の果てのような色感を湛えている。火焔の赤、逆光の黒。夏の終わりの激しき疲弊と、次の季節へかすかな微兆が宿っており、作者ならではの鋭い季感の把握がまことに見事。(坂内文應)