ZOOM句会
深川句会(12日/19名)
大谷主宰 選
第一句座
【特選】
朧なる平和の酒を八十年 神谷宜行
ふりむけば二人に増えて麦を踏む 篠原隆子
春泥や愛車とともに二十年 安藤 文
戦なき国かこはごは地虫出づ 仲田寛子
さあ上がれ春の御山ぞ登拝口 賀来邊庭
震災を逃げとほせしか兎の子 吉田順子
古雛母と戦火をくぐり抜け 城田容子
相方はいまだすこやか古雛 城田容子
春ごたつ大阪場所を区切りとす 那珂侑子
【入選】
兄はるかアンゴラ兎飼ひしこと 吉田順子
亡き夫も連れて来しかと初つばめ 吉田順子
若布刈る能登の荒波育ち刈る 菅谷和子
御帳を揺らすは神か伊勢参 菅谷和子
巣から落ち裸悲しき雀の子 菅谷和子
霊園の桜の下のコップ酒 木下風民
啓蟄や尽きぬ興味は書から書へ 木下風民
米足らぬ訳は何やら田螺鳴く 西川遊歩
ぎざぎざと鰭は鋼ぞメバル捌く 西川遊歩
升本や床に亀戸花大根 西川遊歩
武蔵野は烏も鳴かぬ春の凍て 小林昌子
ひと畝は大根の花咲くままに 金澤道子
復刻の實句集や初諸子 神谷宜行
佐渡の山うち烟らせて黄砂降る 安藤 文
灰まぶし馬鈴薯植うるミレーの陽 石川桃瑪
黄ばみたる卒業証書かの記憶 石川桃瑪
花ごよみ風雅の種を蒔く人の 篠原隆子
母逝けり春爛漫の日を選び 長野いづみ
ジャンケンはクラスで一番卒業す 長野いづみ
餌を欲る口をへの字に雀の子 仲田寛子
木の芽雨傘さす人とささぬ人 那珂侑子
第二句座 席題 (浅蜊 風船 四月馬鹿)
【特選】
スカートがぬれるも忘れ浅蜊掘る 菅谷和子
なつかしきブリキのバケツ浅蜊掘 那珂侑子
風船の二度と帰らぬ高さかな 安藤 文
【入選】
母の息入れてかろやか紙風船 神谷宜行
北砂の人の軒借り浅蜊売り 小林晶子
飛行機のお腹見上げて浅蜊掘る 金澤道子
風船も持たされパパは荷物番 金澤道子
耄碌の我れに濃目の浅蜊汁 園田靖彦
風船ひとつずつと遊べる君となら 仲田寛子
(篠原隆子記)
東京ウェブ吟行句会(16-19日/夏雲システム/23名)
吟行地:椿山荘周辺(関口芭蕉庵、永青文庫)
兼題:春コート、蛇穴を出づ、アスパラガス
朝採りのアスパラガスに能登の塩 金澤道子
肥後椿七百年の文庫守る 大平佳余子
蛇出でて手足なき身と気がつけり 稲垣雄二
羊蹄の雪の香深きアスパラガス 神戸秀子
春コートさらりと別れを告げにけり 関根千方
蛇穴を出でて地雷の草野原 越智淳子
俳諧の道豊かなり蛇出でぬ 上村幸三
淡雪を突き出て青しアスパラガス 神谷宣行
春外套くわえ煙草の焦げあとの 岡村美沙子
就活や闘志みなぎる春コート 安藤文
春泥を踏んで芭蕉や水番所 大場梅子
蛇穴を出でて山廬へ向ひけり 藤英樹
真つ白な皿に朝採りアスパラガス 谷村和華子
アスパラガス毎日うれし赴任先 那珂侑子
春コート正門前の写真笑む 服部尚子
開拓の塗炭とたん見てきし車組む 園田靖彦
ウィーンが浮き立つ五月アスパラガス 菅谷和子
春コート衣紋に掛ける軽さかな 原京子
蛇穴を出でてひりひり日の光 石塚純子
花万朶永青文庫達磨展 松岡伴子
新任は官舎へ蛇は穴を出る 臼杵政治
春コート白杖の人軽やかに 長野いづみ
パリジャンやカフェのテラスの春コート 石川桃瑪
(関根千方記)
埼玉句会(23日、埼玉会館、4名)
蒼天に雲一つおく彼岸かな 市人
春といふ大いなる日向へと
雨の日はこころに一りん花の影 靖彦
四月馬鹿フェイクニュースを鵜呑みして
朧から朧へわたる櫂の舟 宣行
存へてひと日ひと日が花となり
君はいま花の中なる花ならん ゆき
花散るや志こそとこしなへ
(萬燈ゆき記)
鎌倉吟行句会(2日 東慶寺 6名)
第一句座 (7句出5句選)
見てゆかん愚か世の果春の風 淳子
ほらここに開き初めし木蓮が 侑子
もどかしき恋を囀る一羽あり 美津子
やはらかに空とのさかひ芽吹山 道子
山門を抜ければ谷戸の霞みをり 健
ひとつひとつ光に揺るる猫柳 和華子
第二句座 (冴返る /雛 3句出3句選)
避難所にともす明かりや冴返る 健
冴返る二の腕細き阿修羅かな 道子
洗ひ上げし皿二十枚冴返る 美津子
足袋走る百間廊下冴返る 淳子
お隣りは三兄弟や雛の日 侑子
ウルトラマンも飾りて愉し雛の間 和華子
(谷村和華子記)
愛知吟行句会(6日 岐阜市梅林公園)
三日続いた雨がやんで、風はあるものの、晴れ渡った日となり、岐阜駅からバスで、現地へ。紅梅は蕾が多かったが、白梅は三分咲きだった。公園を吟行し、近くにある百年の歴史を誇る料亭で昼食、その後句会。
つぶ貝の歯ごたへ良かり梅見茶屋 恵美子
首筋に一陣の風梅真白 春日美智子
梅見へと鈍行列車吾を揺らす 肇
梅見ればはや藤のこと野立席 楓
楊貴妃てふ名札ひけらし梅ふふむ 正博
紅梅や競馬のことかひそひそと 雄二
(稲垣雄二記)
岐阜句会(27日 岐阜市西部福祉会館)
第1句座 兼題 桜、百千鳥、朧、
塀の上庭に訪ふ百千鳥 上松美智子
城の灯の膨らんでゐる朧かな 春日美智子
神仏鬼も居るらん朧の世 恵美子
第2句座 当季雑詠
八十路てふ初めての日々木の芽和 上松美智子
百千鳥反トランプの賑わしく 春日美智子
春塵や押すな押すなの弘法市 恵美子
(梅田恵美子記)
京都句会
古志京都句会3月は、予定どおり通信句会と対面句会を実施しました。
対面句会は、定例の第3水曜日19日に実施しました。結果は次のとおりです。
第1句座5句出句5句選句(うち1句特選)。第2句座席題(「紫雲英」「炉塞」「春灯」「白子」「斑雪」「花冷」「鳥交る」)7句出句6句選句(うち1句特選)。参加者7名。
名残の雪一休みする睫毛かな 佳澄
進退は先送りにて斑雪
菜の花化す蝶の昼寝の菜の花に 欣也
伊吹はや風の筋なるはだれ雪
花種の袋しやかしやかいざ蒔かん 洋子
白子干猫の親子が見てをりぬ
行く春や廃業の道しかないのか 一爽
田をなくす仕事が仕事紫雲英咲く
四条大橋春の雨ならぬれて行く いほり
げんげ摘む母とゐるかのごとく摘む
かすていら出島に出づる朧月 りえこ
げんげ田へ仏寝転ぶ飛鳥かな
校正もAI任せ山笑ふ 茉胡
鳥の恋同性間にあるやなし
来月以降の対面句会も、第3水曜日に実施予定ですが、7月は祇園会句会、8月は大文字句会がありますので、通常の対面句会はありません。
3月通信句会は夏雲システムを利用して実施。主宰のブログ(梅の花・針供養)、喜田りえこさんのエッセイ「ふるさと歳時記3月」、そして竹下米花さん作の絵手紙(春キャベツ)からの連想句4句以上を含め、8句投句、選は特選1句、入選7句で行いました。15名参加。
春火鉢炭美しく組まれあり 美那子
連載を終へて一献木の芽和へ 忠雄
反抗期終へて玉巻くキャベツかな 佳澄
春塵の螺髪をあらふ雨の音 恵美子
鼻唄はシヤンソン煮込むは春キヤベツ 美恵子
針供養母が遣ひし古眼鏡 悦子
囀りや一千年の宮の杜 英二
春の雪止めば智恵子の青い空 みさ子
善き人の良き笑顔なり春キヤベツ りえこ
父逝きし朝連翹の花明り 初男
春障子らしき日差となりにけり 米花
母まつるごとく遺愛の針供養 久美
包丁をすいと呑みこむ春キャベツ 淳子
卒業期デラシネの旗掲げたり 杳平
入学すアジ演説の真つ只中 茉胡
4月以降も通信句会、対面句会の二本立てで行う予定ですので、参加希望の方は、いずれも氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。
メルアド:mako10himu6@nifty.com
(氷室茉胡記)
まほろば奈良句会(25日 zoom句会 11名)
バイエルを繰り返し弾く日永かな 洋子
庭石の影を見てゐる日永かな 淳子
大仏の掌ほどや花御堂 忠雄
退院日逃げて行きけり蜃気楼 正子
雲雀野の真中ゆつたりペダル漕ぐ まち
天上天下唯我独尊花祭 一爽
恐竜の背とも知らず朝寝かな 久美
百の手が幸つかまんと磯巾着 雄二
父母の墓遠く来たれば初音かな 美那子
龍天に石は芸術作品に まこ
曙やひかり眩しむ蛍烏賊 りえこ
(きだりえこ記)
松山句会(21日 メール句会 10名)
兼題 雪の果、入学試験、伊予柑、燕、湯祈祷 5句出句5句選
巡礼の歩み遥かに雪の果 和弘
真っ青な海を見てゐる伊予蜜柑 真樹子
受験子やかつては夜汽車一人旅 紫春
湯祈祷や寛(ゆた)にたゆたに道後の湯 まさし
川の水飛び飛び飲むやつばくらめ 陽市
伊予柑や妻と二人の昼下がり 博山
手の平にずっしり包みし伊予柑や 夕未子
田舎駅今年も燕来たりけり 薫
透明の傘越しに見ゆ雪の果 真奈美
ときじくの実かも伊予柑ほほばれば まこと
祖父語る二・二六や雪の果 まさし
湯祈祷や地より湧き出る恵みなり 和弘
大雪に苦しめられし雪の果て 薫
湯祈祷や湯釜の生きてをるやうな 紫春
たかぞらへきり揉みにとぶ燕かな 陽市
サクラチル若き日の夢散る入試 博山
燕来る旅路は母となるために 紫春
父さんの眼なつかし燕の巣 真樹子
雛にさす名残りの雪のあかりかな まこと
(木下まこと記)
福岡句会(22日 中央市民センター)
第一句座 当季雑詠
春の野やだんだん丸くなる心 幸子
蓬萌ゆ大地は足の裏押し来 久子
雌猫に大いなる髭春めけり 民也
のどけさや通りすぎたる寺の門 紀美代
診察を待つ間長しよ春の雨 修
ほのぼのと椿散り敷く猫の塚 悠
天守にて籠城したき桜花 博人
生き様も死に様もみな落椿 和子
壺焼や磯のかほりを噴き上げて 真知子
第二句座 (席題:春一番、彼岸)
鳥来れば鳥にもの言ふ彼岸かな 幸子
お彼岸やその中日に逝きたかり 修
春一番筑紫次郎を飛び越えて 和子
春一番この世一掃せよと吹く 紀美代
干し物の庭木にかかる春一番 悠
春一番老爺老婆を転がして 民也
雲あそぶ彼岸の墓に畏まる 久子
春一番塵ひとつ無き港町 博人
春一番外れ馬券のひらひらと 真知子
(斉藤真知子記)
長崎句会(28日 メール句会 9名)
当季雑詠
うそ寒や河津桜のひた向きさ 弘美
囀りや二度寝の夢の中までも 玲子
この畔に昔蛙のおつたらし 順子
新入生山手線を一巡す 美智子
百歳の刺子凛々しや梅一輪 まり子
早起きもほどほどにせよ鳥の恋 睦美
旧道のお休み処いぬふぐり なおよ
豊作を祈る社や春の雨 文
相撲部屋差し入れどかと春大根 瑠衣
題詠 桜・鯛
就職の決まりし子らに桜咲く 弘美
父の背や磯の定位置桜鯛 玲子
おも舵と太く響くや鯛追ひて 順子
鯛出汁のちやんぽん馳走歓迎会 美智子
降り注ぐ枝垂桜の並木道 まり子
そこここに命の気配山笑ふ 睦美
結納や笊に雌雄の桜鯛 なおよ
桜咲く苗木配りし友は逝き 文
誰待つや枝を広げて夕桜 瑠衣
(ももたなおよ記)
熊本句会(15日 通信句会 4名)
兼題(人麻呂忌、蛇穴を出づ)7句出句5句選
大曲に都顕はる人麻呂忌 佐竹佐介
蛇穴を出て恐竜の島眺む 北野沙羅
春泥を娘と跳んで洋食屋 若松節子
遥かなる世の波音や人麻呂忌 加藤裕子
(加藤裕子記)
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