2025年2月句会報告

ZOOM句会


深川句会(12日 17名)

大谷主宰 選
 
第一句座

【特選】

常節の刃にまとひつく他はなし     園田靖彦
常節に不意打ちの鉤こじ入るる     園田靖彦
枯菊や拓きし村を閉ぢる時       賀来邊庭
北窓に寄れば梅の香龍太の忌      城田容子
含羞は死語となりしか龍太の忌     城田容子
北窓を開く隣家に赤ん坊        小林晶子
恋せよと猫にささやく夜風かな     菅谷和子
早よ会はな梅のまつりの過ぎぬうち   仲田寛子
子の匂ひ昔のままや布団干す     長野いづみ
初不動甘藷先生にも一礼        西川遊歩

【入選】

春愁やひらひら動くかつをぶし     安藤 文
わらび餅ささぐ兜太の忌なりけり    大場梅子
唱和してわれも涅槃の一人かな     大場梅子
築城の江戸へ江戸へと木を流す     大場梅子
腰つよく搗いて湖北や草の餅      篠原隆子
叶ふなら春のショールをガザにこそ   篠原隆子
ひとり酌む李白のかげも春障子     篠原隆子
春の虹三日遅れの筋肉痛        菅谷和子
鬼踊れ豆まき男来たるまで       菅谷和子
石山や式部も愛でし蜆汁        木下風民
春の先へ齢重ねて生きるべく      神谷宜行
包まれば母在るごとく絹布団     長野いづみ
人の来て葬儀略すを詫びる冬      上 俊一
野を焼きて赤城颪を迎へ討ち      上 俊一
しけを呼ぶ男とされし磯焚火      上 俊一
酒飲みの羅漢もおはす春うらら     西川遊歩
谷戸の洞雨にも濡れず冴返る      越智淳子
シーサーは屋上にゐて日向ぼこ     賀来邊庭
年賀切手当り君への春便り       仲田寛子
パパが鬼泣きてこの世の鬼やらひ   谷村和華子

第二句座 席題 (野焼 雪しろ 蝶)

【特選】

まだ見えぬ滝へ近づくほどに蝶     城田容子
いにしへの恋の炎の野焼きかな     城田容子
かうなれば誰も消せない野焼かな    園田靖彦
雪しろや名知らぬ鳥の来てをりぬ    小林晶子
ただ涙雪解の野火の燃えしぶり     上 俊一
苗に声かければ蝶のつぎつぎと    谷村和華子

【入選】

野火走る遠くに細き鹿の声      谷村和華子
遠野火の煙目で追ふ車窓かな      越智淳子
雪しろにほのと湯気立つ草津かな    越智淳子
雪しろの濁りを樽に盾野川       篠原隆子
初蝶来石山の花散りしころ       篠原隆子
忘るるは良きことならむ蝶の昼     金澤道子   
蝶の昼寺の広縁借り申す        金澤道子
初蝶のごと親友の見舞ひに来      安藤 文
見てみたし見るはず無き世蝶に生れ   小林晶子
もてなしの雪代岩魚あればよし     大場梅子

(篠原隆子記)


東京ウェブ吟行句会(16-19日 夏雲システム 22名)

吟行地:小石川後楽園
兼題:焼野、涅槃会、公魚

雪吊を解かれ松のおほあくび   長野いづみ
ただ白くあり涅槃図の月と象   神戸秀子
逝きし母囲むわれらの涅槃かな  神谷宣行
悠々と利根川がゆく焼野かな   上村幸三
公魚の舞ひたるままに氷りけり  関根千方
末黒野にあらはれ出でしけもの道 菅谷和子
牛糞のからりと焼けて野焼跡   園田靖彦
水戸つぽの君のおもかげ梅真白  大場梅子
末黒野や命は満ちて雨を待つ   稲垣雄二
涅槃図に天より馳せし摩耶夫人  片山ひろし
悲しみは花をも枯らす涅槃かな  那珂侑子
火を追ひて火に追はれゆく焼野かな 藤英樹
大木の切り株を舐め野火走る   石塚純子
野を焼かんこの濁り世を糺さんと 谷村和華子
公魚の釣られて富士をしたたらす 金澤道子
によつぽりと東京ドーム梅日和  安藤文
落椿累々として水戸屋敷     服部尚子
花吹雪大日本史徳川を閉ず    岡村美沙子
ほおゑみのくちびる紅く涅槃仏  大平佳余子
涅槃会や巨大な足裏仰ぎ見し   松岡伴子
公魚やあやとり梯子のごと釣られ 越智淳子
タイ古式マッサージ我も涅槃かな 石川桃瑪

(関根千方記)


鎌倉吟行句会(2日 瑞泉寺 7名)

第一句座 (7句出5句選)
雨あがるらし三椏の花明り  道子
鬼の豆俳句の鬼とならんかな 英樹
大羊歯は太古の緑寒明くる  美津子
水仙やマチスの香漂はせ   恵美子
仏なき洞のうつろや春の雨  淳子
梅早しもう一息をかけてやり 健
冬桜空の奥にも空のあり   和華子

第二句座  (冴返る /雛 3句出3句選)
避難所にともす明かりや冴返る 健
冴返る二の腕細き阿修羅かな  道子
洗ひ上げし皿二十枚冴返る   美津子
足袋走る百間廊下冴返る    淳子
お隣りは三兄弟や雛の日    侑子
ウルトラマンも飾りて愉し雛の間 和華子

(谷村和華子記)


埼玉句会(23日 埼玉会館 5名)

天地のあはひに雛まつりをり         市人
淡海の水まだ固き雛かな
山国の暮らしに詩あり龍太の忌       靖彦
見送りは姿消すまで龍太の忌
朧なる平和の酒を八十年           宣行
待ち望む女系天皇桜餅
トランプにあるかもしれぬ春愁       つねお
冴返る言葉失ふことばかり
縁側のありし昔や桜餅            ゆき
古希すでに遠くにあらず雛飾る

(萬燈ゆき記)


愛知吟行句会(6日 名古屋市徳川園)

今年最強の寒気団が居座る中、大雪の岐阜からも二名参加してくれました。奇跡的に風も穏やかになり、晴れ間のある中、園内の華やかな寒牡丹を見たり、鯉を呼び寄せたりして、のんびりと吟行しました。

寒鯉の我に寄りくる日向かな   恵美子 
瓦礫より生き抜きし人寒の月   春日美智子
色も名も妖しき様や寒牡丹    すみ子
眠たげに日差しを揺らし寒牡丹  肇 
灯籠も有楽好みか春の雪     楓 
寒牡丹藁苞に香を満たしけり   雄二

(稲垣雄二記)


岐阜句会(27日 岐阜市西部福祉会館)

第1句座 兼題 立春大吉、鳥帰る、青柳

立春大吉葱に鶏糞やつてをり   沙羅
立春大吉拾い歩く昨夜の豆    上松美智子
恙無く千里の果へ鳥帰る     春日美智子
青柳分けて渡りぬ行者橋     恵美子

第2句座 当季雑詠

溜息のやうにこぼるる春の雪   沙羅
忘れ置く剪定鋏冴返る      上松美智子
全身をいただきますと泥大根   春日美智子
白木蓮甕にかをりの花浄土    恵美子

(梅田恵美子記)


京都句会

古志京都句会2月は、予定どおり通信句会と対面句会を実施しました。

対面句会は、定例の第3水曜日、19日に開催しました。結果は次のとおりです。 
第1句座6句出句6句選句(うち1句特選)。第2句座席題(「風船」「春愁」「鳥帰る」「ものの芽」「遠足」)6句出句6句選句(うち1句特選)。参加者5名。
来月の対面句会も、定例の第3水曜日19日に実施します。

ありがたや寝釈迦の足裏猫舐める   りえこ
遠足や伸びて縮んで赤青黄
スマホ無き一日どつと冴返る     佳澄
春愁や季語になりたきすべり台
まな板に立つ音ききつ春の雪     いほり
でこぼことなりまだ飛ぶつもり紙風船
日あたれば風生むごとく馬酔木揺れ  欣也
ポケットに転勤辞令鳥雲に
Japanには茶の湯切腹利休の忌  茉胡
早も森統べる風格楓の芽 

2月通信句会は夏雲システムを利用して実施。主宰のブログ(芹・飯蛸)、喜田りえこさんのエッセイ「ふるさと歳時記2月」、そして竹下米花さん作の絵手紙(椿・冬の月)からの連想句4句以上を含め,8句投句,選は特選1句,入選7句で行いました。13名参加。

降る雪や六文銭の釘隠        久美
白椿うしろに闇のあるやうな     忠雄
二日灸据えてこれから大丸へ     佳澄
咲ききつて曝すいのちよ落椿     和華子
自由とはかくも重たき浮寝かな    美那子
しんしんと瓦礫を照らす冬の月    恵美子
白鷺の足を休める春の水       悦子
余生とは感謝の時間寒椿       美恵子
糀屋の紺の旗立て桃の花       英二
海の夢みつつ飯蛸茹でられて     初男
鬼やらひ此処もかりそめなる栖    米花
ほろ酔ひや新大久保の朧月      りえこ
句集名はフランス語なり春立ちぬ   茉胡

3月以降も通信句会、対面句会の二本立てで行う予定です。参加希望の方は、いずれも氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。
メルアド:mako10himu6@nifty.com                    

(氷室茉胡記)


まほろば奈良句会(25日 zoom句会 9名)

もう一年充電すると落第子    まこ
朝の窓開ける楽しみ木の芽時   忠雄
深閑と小町が墓も木の芽時    美那子
落第子旅の支度を急ぎをり    悦子
春塵の汽笛ゆつくりくつきりと  たはらまち
大三輪へ捧ぐ句や春新句集    淳子
風花や牛車軋ませ雛の来る    りえこ
二ン月の頭巾あかあか六地蔵   久美
新雪を突き出る葱の青さかな   雄二

(きだりえこ記)


福岡句会 (22日 8名)

第一句座 (当季雑詠)

ひと味の格上げなるか九条葱   久子 
まだ生きてゐる切株のあたたかし 民也 
モナリザの笑みを残して雪女   修 
闇のなか賢治のこころ寒北斗   龍梅 
秘め事のひとつやふたつ薄氷   幸子 
二ン月の荒ぶる一日なりしかな  和子 
戒名の由来薄れて二月かな    紀美代 
雪うさぎ目まで埋もれし昨夜の雪 真知子

第二句座 (席題、雛、陽炎)

かげろふを追うて野径の果つるまで 久子 
あかあかと雛の屋敷でありにける 和子 
六十路なる妻よひとりの雛遊び  民也 
陽炎に飛び込む犬の散歩かな   龍梅 
陽炎のごとくに生きて年かさね  紀美代 
陽炎やまだ船酔いの覚めやらず  幸子 
雛の燈の官女の影のゆるるかな  修 
百年の何を見てきし雛かな    真知子

(斉藤真知子記)


長崎句会(28日 まり庵 9名、2名欠席投句)

当季雑詠

ひとことに世は右往左往春嵐   睦美
受験生宙に答えのあるやなし   美智子
春光や二匹のリード絡みをる   玲子
孕み猫陽だまりに身を投げ出して 瑠衣
溶けさうな雪だるまじつと立ちをり まり子
蛤や薄目を急にパッと開け    順子
もう春が来たかと河馬の大欠伸  なおよ
雪しまく世界ますます見通せず  文
縁側の大鉢びっしりすみれ草   弘美

席題 春風、杉の花

花びらはなくとも杉も花盛り   睦美
改札の友もワンピース春の風   美智子
ひとり居の連れ帰りたる杉の花  玲子
染め上げし布は花色春の風    なおよ
杉の花わっさわっさと波立ちて  まり子
幾万の命の強さ杉の花      瑠衣 
春風や富士山頂もきらきらと   弘美
春風に居眠り猫の夢は何     文
春の風心も飛んで新転地     順子             

(ももたなおよ記)


熊本句会(15日 通信句会 4名)

兼題(猫の恋、下萌)7句出句5句選

恋猫や妣の鉢植え真二つに   北野沙羅
恋の猫コロッケ揚げてゐる途中 若松節子
何某のクルスの墓標草萌ゆる  佐竹佐介
隣家の庭を近道下萌ゆる    加藤裕子

(加藤裕子記)

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