2020年11月句会報告

第9回YouTube句会(28日 47名)

(3句出句 3句選)
大谷主宰選

【特選】
満作の粉つき合はせ亥の子餅       大平佳余子
見えてゐて春の遠さよ一茶の忌      篠原隆子
干蒲団愚かに生きる幸せよ        上村幸三
乾坤と息を合はせて熊睡る       喜田りえ子
頬紅く構へる銃や初狩猟        久嶋良子
絵襖や古りてまことの松の色      澤田美那子
もみづれり小指ほどなる小さき葉も   仲田寛子
松葉蟹堂々とあり食はれけり      上村幸三
鬼の山うづめつくして落葉かな     木下まこと

【入選】
八雲忌や妻の夜咄熱を帯ぶ       岡村美沙子
白々とひかり神ます葱ならん      百田直代
踊り子にのぼせし日々や日記果つ    園田靖彦
一島の榮へのしるし鰤届く       神谷宜行
ひととせをマスクで覆ふ地球かな    木下まこと
くつさめをぐつと飲み込む車中かな   澤田美那子
蒲団干す干せるもんなら吾も干さん   田村史生
動かせぬ手にはめてやる手套かな    長井はるみ
会へる日へ鉢を育てて冬籠       池田祥子
関取や河豚刺ぞろりひと箸に      米山瑠衣
残菊と呼ばれ括られ庭の隅       矢野京子
鮟鱇を吊るや南無阿弥掻つ捌く     西川遊歩
囲炉裏焚く大根百本吊るしけり     鈴木伊豆山
猪の頭突き一発ぽんこつ車       米山瑠衣
干布団けふの太陽閉ぢ込めん      久嶋良子
竹馬の父の温もり忘れまじ       西貝幸子
冬晴や出荷かなはぬ乳搾る       長井はるみ
灰降るはいつもの事よ大根引く     池田祥子
(丹野麻衣子記) 次回:12月26日


古志ZOOM句会


第6回You tube席題句会(7日 8名)

1句座目(席題:初海苔、大根引、綿虫 3句出句 3句選)
大谷主宰選
【特選】 
たましひの大綿となり帰還兵      篠原隆子
新海苔や折らんとすればはねかえり   吉田順子
新海苔や昨日届きし良き米と      臼杵政治
綿虫よ白く大きく我の息        吉田順子
【入選】
大根引二股出でて一休み        稲垣雄二
新海苔で作る軍艦なに乗せよ      丹野麻衣子
大根引もんどり打つて大根ごと     篠原隆子
大綿や何と無駄死に多き国       稲垣雄二

2句座目(席題:池普請、神の旅、ずわい蟹 3句出句 3句選)
大谷主宰選
【特選】
普請せし大きな池へ銭亀を       篠原隆子
去年の鮒生きてゐるらし池普請     丹野麻衣子
毎年よこの酒にこのずわい蟹      臼杵政治
【入選】
池普請ぬしの大亀戻したり       上俊一
神々もマスク忘れず発たれしか     大平佳余子
ざりがにも眠られぬなり池普請     臼杵政治
杜は痩せ社殿隆々神の旅        上俊一
(丹野麻衣子記)


第7回You tube席題句会(10日 10名)

1句座目(席題:焚火、鶴、襖 3句出句 3句選)
大谷主宰選
【特選】 
絵襖の貴人の顔を遠まきに      高角みつこ
もらひ火を大きく育て焚火の火    丹野麻衣子
皿焼いてあかあかと鶴翔たしめん   丹野麻衣子
【入選】
おはやうの声が集まる落葉焚     片山ひろし
秀次の自刃の痕や冬襖        大場梅子
頬赤し焚火を囲む親子海女      木下洋子
大襖絵師の描く絵皆はみ出す     原京子
白襖父が小唄を復習ひをり      木下洋子
飛び入りに隙間つくつて焚火かな   木下洋子

2句座目(席題:狐火、麦蒔、炬燵 3句出句 3句選)
大谷主宰選
【特選】
青山に出るてふ狐火見に行かん    原京子
狐火を慌てて追ふか子狐火      服部尚子
狐火が咲かせた花か捨畑       丹野麻衣子
【入選】
コスモスの畑片付けて麦を蒔く    原京子
麦蒔くや山風さけて屈み腰      曽根崇
皆が寝てやうやく母の炬燵かな    服部尚子
父の座はテレビの前の炬燵かな    木下洋子
(丹野麻衣子記)


郵便句会  

大谷弘至主宰選

特選
初冬のことしは慣れぬ寒さかな    森康子   
ふはふはと話の中へ秋の蚊よ     春日美智子   
ごろすけとなつて術後の背を見たし  神永秀郎 
来客のあてなき布団干しにけり    神谷和子 
家持の蒼鷹逃げていづくへぞ     北林令子
冬菊の影もやはらに競ひ合ふ     小島楓
今願ふ普通の暮らし冬近き      水谷比嵯代  

入選
もてなしは居間の日差しと冬紅葉   梅本元子 
だんだんと鱗そだちて鰯雲      関きみ子  
空の青ありて白菊仁王立ち      小島楓  
親猿にしがみつく子や木の葉雨    神谷和子 
霜の夜や指揮棒ひたとピアニシモ   佐藤光枝 
紅葉狩鎌倉武士のたのもしき     坂口和子  
小春日や水団囲む峡の昼       北野沙羅  
冬の波われに返れよ詩心       梅本元子  
多摩川のここにも出でて鼬狸     森康子 
三時には山陰に入る稲架を組む    中西薹子 
こほろぎや今宵限りと思ふ身に    春日美智子   
ゆく秋の切らさずに剥く柿の皮    西川東久
クレーン車に乗りてや御所の松手入  関きみ子
熊出たと御触れ熊にも知らせねば   佐藤光枝 
背中から暮れゆく山や蘆火焚く    中西薹子  
しだれ桃一夜のうちに葉は落ちて   田中尚子
結界も有楽好みぞ冬紅葉       小島楓  
ランプ拭く一息長し雪催       佐藤光枝
胸熱くページ繰りつぐ夜寒かな    関きみ子   
ことしまた鰯親しや瀬戸暮し     中西薹子 
散紅葉掃きて修業の僧と言ふ     梶原一美
見てみたきもののひとつに竈猫    田中尚子 
(斉藤真知子記) 


埼玉句会(22日、埼玉会館、5名)

はやばやと灯す厨や一葉忌     琅太
神の留守夜遊びするにマスクして  〃
天高し呵々大笑の石仏       靖彦
リモートで交はすあいさつ小春かな 〃
空の青つかまんとする冬芽かな   邦紀
三島忌やふんばる足のよろめけり  〃
短日や仏蘭西租界ただ歩く     弘
伊吹山光る冬芽の淡海かな     〃
武蔵野は雑木の国ぞ冬芽満つ    ゆき
冬芽てふ小さき握りこぶしかな   〃
(萬燈ゆき記)


東京Web吟行句会(18-20日、27名)

10句投句/8句選句
吟行地:上野恩寵公園
兼題:初氷、牡蠣、一茶忌

生牡蠣を啜るや大海流れこむ   上村幸三
日だまりに命ぬくめよ一茶の忌  葛西美津子
寝しづまる動物園や冬の月    菅谷和子
蓮の骨刺さりしままや初氷    関根千方
不忍池より冬となる上野     金澤道子
初氷踏んで火祭見に行かん    神谷宣行
黄落や大き楽器を背に急ぐ    原京子
大榾の燃え崩るごと大往生    園田靖彦
さりながらこの世なつかし一茶の忌 石塚純子
泥拭けば木の実かがやく一茶の忌 神戸秀子
やはらかく押し合ひながら浮寝鳥 大場梅子
生き抜いて万の句詠まん一茶の忌 わたなべかよ
さつきまで籬の下や菊膾     服部尚子
積まれしは龍の鱗や牡蠣の殻   長井亜紀
昨夜何に腹を立てしか初氷    越智淳子
海底は彼の日のままに牡蠣は黙  鈴木伊豆山
小刻みに仕上げの鋏松手入れ   三田菊江
檻の鶴目瞑ればシベリアの空   長野いづみ
悪妻は明王のごと漱石忌     片山ひろし
好物の牡蠣うけつけず母逝けり  那珂侑子
軒に薪つみ上ぐ家並一茶の忌   大平佳余子
一茶忌や今も愛しき古こけし   松岡伴子
枯れそめて残る蓮の葉の巨き   石川桃瑪
牡蠣やいて熱き命をいただかん  吉田順子
落葉とはわけて山茶花掃き集め  持田明子
欠け茶碗捨つるを迷ふ一茶の忌  岩﨑ひとみ
投げ銭や風のだれかの足す落葉  仲田寛子
(関根千方記)


鎌倉吟行句会(1日 極楽寺、御霊神社)

<第一句座  10句投句5句選>
からすうり鳶の空よりぶらさがる    美津子
案山子にもあるかもしれぬ秋思かな   琅太
極楽寺カラカラとさるすべりの実    道子
いささかの秋残しけりミルクティー   振昌
江ノ電もいつしよに写し七五三     はるみ
行く秋の鎌倉詣花すすき        侑子

<第二句座:切干、毛糸編む、極 3句投句3句選>
いつの世も極右極左やとろろ汁     道子
極太の万年筆も冬に入る        美津子
切干の煮物酢の物独り酒        琅太
毛糸編むけふこの頃となりにけり    振昌
(那珂侑子記)


愛知吟行句会(12日 名古屋城)

コロナ禍の第三波が忍び寄る世相の中、抜けるような初冬の青空の下、お城の正門に集合。濠の周りの桜やプラタナスはすっかり紅(黄)葉していた。検温という現代の関所を全員無事に通過して城内へ。菊人形や様々な菊を見ながら散策、その後レストランでランチ、句会。

風景の一期一会や菊花展        比嵯代
心根の弱きは去りぬ菊日和       尾燈子
庭師待つ黒猫のゐて松手入       楓
城郭の虎口をくぐる小春風       正博
日と影の色もまじへて菊花かな     通江
菊花展早くも枯るる一花あり      雄二
(稲垣雄二記)


岐阜句会(26日 岐阜市西部福祉会館 7名)
 
第1句座 兼題(凩、大根、鯨)
凩や魚拓はがれる島の宿        誠一
木枯に大揺れとなる実南天       沙羅
昼飯はくじらの肉の醤油漬け      通江
木枯の止まぬ夜更けや犬の耳      之子
凩やボージョレヌーヴォー熟るる頃   春日美智子
鯨捕る海や土産は鯨肉         上松美智子
木枯の庭に沈みし錦鯉         恵美子
 
第2句座 当季雑詠
肩書きの無き身軽さや落葉焚く     誠一
ゑんどうの苗に水やる小春かな     沙羅
丸き目のマスクはづせば素顔かな    通江
竜胆は澄みし色なり薮の中       之子
光秀もクルードラゴンも菊人形     春日美智子
あつといふまの岐阜の五十年鋤焼きぞ  上松美智子
晴れあがり花影もなき冬桜       恵美子 
(梅田恵美子記) 
                     


奈良句会(13日 リモート句会 10名)

雁の来て池にやすらふ一茶の忌      豊
落柿舎の寂びの月日や柿の秋       まき
老いもよし五勺の酒と菊膾        正子
なら山の蓑虫も聞く鐘の音        久美
腕はまだ老いず大根千六本        美那子
茶の花や今は使はぬ登り窯        茉胡
いまいちど蒲団の中の極楽へ       瑳楓
一輪の茶の花添へる粥の膳        りえこ
川の字に寝やりしことも蒲団干す     悦子
日に干して小春の蒲団となりにけり   忠雄
(上田忠雄記)


大阪句会(メール句会)

汝の戦後と問はるさつまいもと答ふ   美栄子
売り土地やエノコロ草のほしいまま   泰子
龍太読む朝の机や小鳥来る       豊
長き夜のさきに大人が泣く絵本     みつこ
曼珠沙華水争の昔あり         陽子
渓谷に旨き水あり猿酒         百合子
白ばかり咲いて貴船は露の径      久美
野ばらの実赤し昭和を生きし母     歌子
コロナ禍もいつかは背高泡立草     りえこ
あと何年生きねばならぬ木の葉髪    茉胡
瓢の笛吹けば吟遊詩人かな       洋子
冬支度富山の薬入れ替へて       美那子

席題 (水涸る・湯ざめ・葱)
川涸れて見えざるものが見えてくる   洋子
涸れ渓をなほたどりゆく吉野かな    久美
琴坂や水涸れて音かすかなる      豊
湯ざめして色香ましたる女かな     百合子
湯冷めなど言訳にして酒を酌む     美那子
番組は湯冷めを避けて選びおり     泰子
湯冷めして四十年の夫婦かな      陽子
葱刻む心急くまま粗々と        みつこ
葱刻むこの世の果ての尽きるまで    りえこ
(木下洋子記)


岡山句会(22日 倉敷公民館)

席題は「餅」「山茶花」
船でゆく大東京や百合鴎        一雄
山茶花や猫のしつぽにこぼれ落つ    有里子
縁側に積み上げゆくは餅の箱      広
(神蛇広記)


福岡句会(28日 通信句会)

裸木のがうがうと水流れをり      國光
どこどなく腰のくびれた海鼠買ふ    博人
一村を霜の固めし朝かな        祥子
梟やこの世をすべて見据へをり     龍梅
たかがねぎされど京都の九条葱     和子
大樹立つ己が落葉の染む土に      久子
鮟鱇の大口残り朝日射す        充子
寒暁の水ゆつくりと沸点へ       緑
父はいま懐炉となりてわが胸に     桃潤
マスクせぬ顔を忘れてしまひさふ    真知子
(斉藤真知子記)


長崎You tube句会(7日 10名)

1句座目 当季雑詠(5句出句 5句選)
大谷主宰選
【特選】
父に出す前に枝豆二つ食べ       本田玲子
ぼろ市を抜けてゆくなり神の旅     百田直代
尾を一本遺して猪は火の中へ      米山瑠衣
干し草の返礼牛の糞一トン       米山瑠衣
望月や窓辺に寄する母の椅子      橋口あや
丸鶏を焼かな木枯もつと吹け      丹野麻衣子
凩や右往左往の民主主義        百田直代
萩刈るや名残の花を散らしつつ     丹野麻衣子
磯風をまとひ蜜柑の荷の届く      百田直代
熱気球ふはりと降りて立つ秋ぞ     米山瑠衣

【入選】
熊撃ちに出でてそのまま茸採る     丹野麻衣子
おくんちやしゃぎりの節に騒ぐ血よ   本田玲子
芒原掻き分け進む宮古崎        徳久綾子
車椅子手際みごとに吊るし柿      本田玲子
悪態はすべてマスクの中で言ひ     ストーン睦美
我等とふ言葉や寒し大統領選      米山瑠衣
木々の間に小鳥と見れば落葉かな    林弘美

2句座目 席題句会(3句出句 3句選)
大谷主宰選
【特選】
けさ冬のどの木一本倒さうか      丹野麻衣子
鯛焼きや母のエプロン温かく      林弘美
鯛焼を押すな口から餡子吐く      丹野麻衣子
鯛焼きの差し入れ避難訓練す      米山瑠衣
たいやきよ逃げて逃げおほせどこまでも 橋口あや

【入選】
鯛焼やまづは心を温めん        山下まり子
鯛焼や帰り待つ子に買ふことに     山下まり子
鯛焼の目は見ぬやうに齧りけり     ストーン睦美
分かりあふ気持ちなきまま冬立ちぬ   ストーン睦美
(丹野麻衣子記)


長崎句会(27日 まり庵 7名うち1名欠席投句)                    

当季雑詠 持ち寄り5句
寒気団骨に皹入る痛みかな        弘美
日向ぼこ下目蓋から瞑る亀        まり子
白々とひかり神ます葱ならん       直代
また会おう熱燗交はす峠茶屋       順子
青空へ落ち葉巻き上げペダル踏む     玲子
立ちづめの選果みかんの甘さかな     あや
鯔跳んで頭の天辺まつ平ら        瑠衣

題詠2句(河豚・山眠る)
河豚食うて痺れ競へる若気かな      弘美
河豚の腹擦って遊ぶ子玄海灘       まり子
種ぐさの命孕みて山眠る         直代
箱河豚の提灯揺らす五島灘        順子
大漁の港抱きて山眠る          玲子
河豚刺しの透ける向かうにコロナかな   あや
関取や河豚刺しぞろりひと箸に      瑠衣
(米山瑠衣記)


熊本句会(通信句会 4名)

冬日和埃の中のブロマイド        茉莉子
指切りの指は紅色冬に入る        茉莉子
兄妹で風邪よくひきしけんけんぱ     裕子 
蕪蒸し世塵を離れとろとろり       裕子
芭蕉忌やダイヤグラムの点と線      戌彦
凩の研ぎ澄ましてや日の光        戌彦
ビル街を枯野と思ふ寒さかな       榾火
ぱちぱちと珈琲爆ぜて小六月       榾火
(今村榾火記)

                 


                

           

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