11月句会報告


東京句会報告(17日 亀戸文化センター 33名参加)

〈第一句座 8投句(席題3句以上)/5句選句〉
「霜」「ずわい蟹」「鷹狩」
◎特選
天山の裾野にひびけ鷹の鈴    梅子
鷹匠をまつすぐ見つめ鷹侍る   かよ
人生は難しみかんは甘くあり   ひとみ
冬帽子登山に来てもカレーかな  直子
爪ふたつほどのてふてふ冬ひなた 幸三
→下五を「山眠る」に。
栗飯や死にたき漱石生きたき子規 美沙子
→上五を「栗食むや」に。
霜柱けんくわにまけてけつとばす 節子
身に入むやだれかれ削ぎし蘭奢待 秀子
神などと奉られて蛇穴へ     隆子
◯入選
波郷忌や砂町に住み三十年    昌子
嶺越えは千里の一里鳥渡る    靖彦
鷹狩の羽のみごとさ競ひをり   いづみ
湖の網水のやうなる氷魚かかる  伸子
→上五を一網に。
この神はいつも居留守よ神無月  俊一
淋しさや霜踏む子ども踏まぬ我  硯
きのふまで人間知らぬずわい蟹  幸三
→下五を「鯨かな」に。
おでん酒酒もおでんもコンビニで 一郎
夕暮は大根重し足重し      明子
小春日の孤独を愛してはならず  千方
→上五を他の季語に変更。
艶のなき日々となりけり数珠の玉 祥子
日一日めぐみの母の霜の花    伊豆山
鷹匠の拳をつつむ鷹の爪     遊歩
囚人の拓きし道や霜の花     遊歩
深空を崇めてをりぬ冬薔薇    明法
獣道猟犬もまた獣なり      一郎
→下五を「獣にて」。
鷹しかと受けて鷹匠ゆるがざる  秀子
寒々のメトロは嫌ひ鳥のこず   有紀
屋根にまで蒲団を干して留守の家 明子
煮凝の鯛の髄まで啜りけり    ひろし
→上五を「煮凝や」、下五を「啜るべく」。
扁額や「守礼之邦」のみ残る火事 あけみ
小春日や鬼柚子けふは仏顔    明子
冬田打て耕耘機より深く掘れ   俊一
憂国忌小春の径の生臭し     伊豆山
しぐれ忌や恋の付句の華やぎて  祥子
将軍の鷹狩の道わが町に     明子
夫病めばをさなのごとし葛湯吹く 和子
マンモスの糞とぞ思ふ大海鼠   ひろし
蓮根掘る須佐之男の足つかむかに 千方
夫婦とて分けて干さるる柳葉魚かな 伸子
鱏の影さくら紅葉の降りしきる  明子
鷹狩の余り餌で生き長らへん   直子
しぐるるや鬼の栖もみほとけも  幸三
柿好きの柿食ふ客の柿談義    遊歩
入りし刃を呑みてはなさず八頭  隆子
(関根千方記)


鎌倉句会(10日 鎌倉商工会議所 30名)

兼題=展宏忌  席題=たくあん、 インバネス
長谷川櫂先生選
 特特選
柊を展宏さんの花とせん      美津子
美しき光となりてゆく秋ぞ     栄順
鮟鱇が時折動く我が心       麒麟
 特選
月光を浴びて遊ぶやインバネス   麒麟
海鼠にも辛酸の道ある如く     麒麟
点滴の管排尿の管霜一夜      伊豆山
秋出水父祖の苦闘の水位標     伊豆山
亥の年の亥の月亥の日亥の子餅   和華子
人の世の人分けゆくやインバネス  幸三
水鳥のまた羽ばたくや夢の中    靖彦
海眠る底に鮟鱇眠りけり      遊歩
吾を産む母熱かりき神無月     怜
オルゴール秋の光のやうに鳴る   伸子
唇に冬きたりけり展宏忌      光枝 
かたはらに伊勢物語展宏忌     ひろし
母の杖振らば懸からん秋の虹    秀子
粛々と乾びてゆきぬ鵙の贄     道子
 入選
かかげたる花はまぼろし枯蓮    宣行
燗酒に海の香りや展宏忌      宣行
祝ひとて沢庵一樽抱へ来し     宣行
我が身まだ実り足らざる熟柿かな  宣行
雪降ると競うて大根漬けにけり   光枝
人形町二階の窓に柿吊す      光枝
荒れ荒れて萩うつくしや展宏忌   光枝
人肌てふことばありけり展宏忌   光枝
祖母の石曾祖母の石大根漬く    美津子
けふもまた鴨を見に来しインバネス 美津子
けさ冬のぎらりと青し鴨の羽    美津子
冬すみれけふお祝ひに一つ咲く   美津子
しぐるるや翁に似たる龍太の書   秀子
天平の碁石くはへて小鳥来る    秀子
天平の秋日をここに瑠璃の碗    秀子
私より先に眠りし蒲団かな     一郎
しづけさになるまで沈む鯨かな   一郎
暗躍の大陸浪人インバネス     靖彦
厨房の火力全開初しぐれ      靖彦
たくあんや糀に染まる母の指    英樹
ずんずんと天下御免の熊手ゆく   英樹
仏門に生れてふるまふ十夜粥    伸子
口切や真白き奉書白き筆      伸子
考へのまとまらぬまま柚子湯かな  益美
たくあんをかむ音ひびく電車かな  益美
竜の玉世の薄情をわが薬      怜
待ちかねし足音高くインバネス   怜
鵙の贄いつの間にやら無くなつて  道子
老僧の筆の自在や大海鼠      かよ
香港の一団となるマスクかな    遊歩   
まぼろしの庵の軒の吊るし柿    幸三
(田中益美記)


東京・神奈川吟行句会(23日、平林寺、12名)

鍋焼や泣いて笑つて日々流れ     梅子
野火止の野守出で来よ紅葉燃ゆ 宣行
山門をくぐれば紅葉屏風かな   邦吉
赫々と野火のまぼろし翁の忌     純子
揉みしだき奮ひ立たせん紙カイロ 美津子
新座とは新羅の由来字は冬     伊豆山
冬の雨はげし手帳のペン走らず 侑子
果てしなき寺領をもみぢ埋めつくし 京子
禅寺をめぐる勤労感謝の日     ひろし
千里同風どこもかしこも散る紅葉 四郎
名にし負ふ紅葉の寺や初しぐれ 和子
眼裏は川を越えんと狂ふ野火     美沙子
(神谷宣行記)


鎌倉吟行句会(3日、高徳院[大仏殿])

 第一句座 10句投句5句選
白毫は千年秋日返しつつ    秀子
仏殿をしのぶ礎石や昼の虫   道子
花籠に秋の一輪挿しにけり   博
大仏にピアスの穴の小春かな  琅太
大仏の風の清しき芒かな    宣行
釈迦牟尼の宇宙に遊べ竜の玉  梅子
釈迦像を若しと見ゆる我が秋ぞ はるみ
鎌倉はもみぢ一葉も見あたらず 侑子

 第二句座 神の旅、冬紅葉、火
種火より炎生まるる時雨かな  宣行
神は旅へ火の色の首飾りして  はるみ
埋火やげに恐ろしき誉め殺し  道子
旅立ちて行方しれずの神のあり 梅子
空いつぱいに大仏おはす冬紅葉 宣行
(那珂侑子記)


埼玉句会 (24日、浦和コミュニティーセンター、13名)

時雨るるや柱にのこる刀疵      琅太
ロボットのごとく起きだす漱石忌   邦吉
大鍋を呑み込みさうな榾火かな    靖彦
返り来し花の姿は白拍子       宣行
金婚の妻に一献菊の酒        邦紀
八十歳の先は手探りふぐと汁     常之
朝日芳しこの山茶花の掃き心地    四郎
眼間に生も死もあり冬帽子      稲
霜柱けさはいつもと違ふ朝      多美子
霜柱こころのうちは見せまいと    都
おほらかに生きてゆきたや大根引く  桂
セコハンの五体勤労感謝の日     つねお
ふところに乳房冷えゆく一葉忌    ゆき
※2月句会の会場は、埼玉会館5D会議室です。
(萬燈ゆき記)


金沢句会(27日 慶覚寺 8名)

兼題(「霜」「衣」)当季雑詠
わたくしの壊れていくや霜衣     こまち
日の当るまでの尊厳霜柱       早苗
繕ひの黒糸足らぬ霜夜かな      まさみ
霜晴や研ぎ澄まされし剱岳      きよみ
初霜やお百度石に地蔵さまに     こまち
踏まれゐる邪鬼の眼や霜の声     まさみ
ひとりゐてひとりの暦霜夜かな    淳
衣かつぎ能登粗塩をさつと振り    薫
衣笠の奥へ大根葱畑         早苗
残欠の天衣の波や月冴ゆる      まさみ
鰯裂く指にかすかに海光る      徹
千年の後に目覚めよくぬぎの実    薫
残照を集めてほのかむら薄      繁
菊焚けば一瞬花の甦る        きよみ
赦されよあまりに瘦せし秋刀魚食ふ  繁
どんぐりの果てなき数を拾ひけり   徹
(花井淳記)


愛知吟行句会(6日 名古屋市笠寺観音)

名鉄名古屋本線「本笠寺」駅に集合、笠寺観音の「六の市」へ。魚から、野菜果物、下着まで売っている露店の呼び声を聞きながら、秋深き小一時間を吟行。

目つむりいなご佃煮食べようぞ     春日美智子
行く秋や店主も客もみな老いて     楓  
どて焼きを食べ食べ買ふやシクラメン  瞳  
笠寺や春雨塚に初しぐれ        尾燈子 
こんにやくのブロック積みや秋の風   通江 
露店主のだみ口上も秋の声       雄二
(稲垣雄二記)  


名古屋句会(23日 愛知芸術文化センター 13名)

持ち寄り五句出句五句選
病むことは豊かなること一葉忌     瞳
考へる葦もその他も枯れにけり     雄二
青空に土跳ね上げて大根引く      竜樹
冬めくもまだ種こぼす名無草      一水
湯豆腐や戸毎に小さき橋を持ち     楓
賑はふて市は鯛焼日和なり       正博
さあ犬よ冬の望月観に出でむ      尾燈子
大股に歩くも一歩師走かな       妙
由紀夫の忌次も男と生まれしや     すみ子
笠寺や春雨塚に初しぐれ        尾燈子
名優は声を残して朴落葉        竜樹
一畝の大根抜きし穴へ風        比嵯代
青空を残して葱の日暮かな       楓
風したがへて綿虫の遊山かな      正博
青春の放歌高吟紅灯忌         伊都夫
地下鉄のぐらり勤労感謝の日      楓
村人によく似た案山子コンクール    瞳
ほうじ茶の優しさ深き今朝の冬     すみ子
紅葉かつ散る観音は笠かぶり      楓
小春日や鰻を捌く骨の音        雄二
石蕗の花声なき者の声を聴き      竜樹
熊おいで此処にどんぐり山とある    瞳
かたまりて十一月の海鵜かな      楓
山茶花は散り上手なり吾もまた     伊都夫
雑炊の中の生きものつぶやきぬ     一水
郵便の届く音あり日向ぼこ       正博
傷林檎神の愁ひをこひて買ふ      ひろ古
さびれたる漁港に灯一つ秋の暮     信子
あの世より返りし花の白さかな     雄二
なんとのうせはし山茶花散るばかり   伊都夫
枯菊にならひてをりぬ庭のもの     一水
谺さへ返すことなし山眠る       妙
薄原分け入る先の六地蔵        信子
熱燗へ美しき指動きけり        比嵯代
繰り返し子等は遊ぶや枯銀杏      すみ子
弱弱しくみせる強さや姫椿       一水
大空に船影を見る展宏忌        尾燈子
誰一人返り来ぬ世の返り花       雄二
少女かな恋に恋する冬桜        瞳
時雨るるや諸味の匂ふ蔵の町      正博
かの国をみてきたごとき返り花     一水
(渡辺竜樹記)


岐阜句会 

第一句座 兼題(時雨、ショール、つわぶき)
第二句座 5句出句5句選    
母屋いまバリアフリーや石蕗の花    春日美智子    
茫々と補陀落浄土夕時雨        恵美子    
残る蚊の我にくつつき離れざる     沙羅    
これからの一世輝け石蕗の花      上松美智子    
絣地の筆筒を買ふ一葉忌        誠一    
未来とはあしたでありし冬星座     之子    
明るさよショール大きく巻きてより   通江
(夏井通江記)


京都句会(24日 こどもみらい館 4名)

第1句座5句出句5句選
第2句座5句出句5句選(席題「炭」「咳」「皇」「開」)
散りぎはを考へてゐる銀杏かな    幸子
もみぢ散る奥へ奥へと誘はれ
たし算のあはぬ父なり一茶の忌    りえこ
天皇の人間嫌ひ懐手
灰塵と果つる首里城雪螢       美栄子
はるかなる祖母へただいま炬燵かな
ダイエット頑張りどころ大根干す   茉胡
虎落笛公開処刑今もなほ            
(氷室茉胡記)


奈良句会(9日 奈良県文化会館 9名)

夢追うて追うて枯野に迷ひ込む       茉胡
こころにも風断つすべを冬構へ       瑳楓
狐火は見果てぬ夢の色ならん        洋子
おそろしき香木拝む神の留守        久美
重ね着や生駒トンネルひとつ抜け      美那子
かりがねや田中裕明全句集         りえこ
行く秋の白き流れの吉野川         豊
きつね火やちよつとあの世を見せてくれ  悦子 
どの窓も狐火ばかり大都会         忠雄
(上田忠雄記)


大阪句会(2日 吹田市勤労者会館 13名)

リハビリ中の横井初恵さんが、ご主人に車椅子を押してもらって久しぶりに句会に参加されました。みんなで再会を喜びあいました。庭の柿が実ったとおっしゃって柿をたくさん持ってきて配ってくださいました。りえこさんからも柿をいただき、柿談義が弾みました。初恵さんは、長時間座っているのは難しいとのことで一句座で帰られましたが、変わらぬ笑顔に私たちも元気をいただきました。

第一句座 (雑詠七句出句五句選)
老いるとはこういうことか柿紅葉    初恵
病床より仰ぐ大空いわし雲       初恵
この柿は初恵さん家の庭の柿      みつこ
雨風にあらがふでなし柿たわわ     みつこ
吾柿と思へば傷も愛おしく       りえこ
鬼の子の顔のぞかせる日和かな     美那子
夫と娘付き添ふ句会柿日和       茉胡
一歩ごと子どもに還る木の実道     陽子
かりがねや舟屋に早き夕べの灯     陽子
芒原名を呼ばれしは空耳か       歌子
冬の方へ貨物列車は走り去り      幸子
八千草や岸部てふ駅ありにけり     幸子
鬼の子の遊びつかれて眠りけり     久美
シンメトリーどうでもよろし種瓢    洋子
山姥も鬼も来てゐる花野かな      豊
またまたの想定外や秋出水       可奈

第二句座 席題(冬支度・帰り花・甘藷)三句出句三句選
冬支度遠嶺の雲をながめつつ      陽子
さつまいも母は青春語り出す      陽子
藷蔓を食べにし記憶令和なを      豊
開拓の痩せ地頼むぞさつまいも     りえこ
島いもや首里城一夜の幻に       可奈
温暖化伸ばせるままの冬支度      泰子
妻の指示にただ従うて冬用意      茉胡
那智黒の飴買ひおくも冬支度      洋子
この川を渡れば八瀬へ返り花      美那子
ふかし藷包む受賞の新聞紙       久美
要らぬもの捨て人生の冬支度      歌子
(木下洋子記)     


岡山句会(24日 倉敷公民館)

席題「小春」「侘助」
小春日や汽笛は峠越え来る       崇
先生生徒等しく老いて小春かな     有里子
散紅葉ゆつくり語る特攻碑       嘉子
荷台から投げて寄越せし猪の肉     広
(神蛇広記)


広島句会(17日 広島文化交流会館 11名 )

長谷川櫂先生特選
第一句座 
遺されし写真一枚七五三        和子
原爆ドーム祈りてもどる落葉かな    和子
人類の愚かさ笑ふ枯葉かな       りえこ
凩となりて母呼ぶ子供かな       嘉子
爆心地八月六日の霜柱         りえこ
アオギリの幹ゑぐられて冬に立つ    りえこ
とほき世の戦にあらず青写真      和子
閃光の果ての残欠霜の花        嘉子

第二句座
川通り餅楊枝の残る寒さかな      真知子
綿虫は幾十万の子供かな        嘉子 
ヒバクシャの記憶と記録山眠る     りえこ
(矢野京子記)


松山句会(24日 ホテルサンルート松山 7名)

兼題:残る虫、神の留守、湯冷め、冬麗
席題:時雨、鯛焼
6句出句 5句選
足踏みをして鯛焼の列に居る      喜久子
この路地の奥にめあての鯛焼屋     一美
神の留守今日もオフィスの鍵締める   米鶴
はかはみな風にきえたかのこる虫    陽市
鯛焼を真二つに割るむずかしさ     紫春
冬麗ら砂場に乾く子の遊具       典子
携帯の手より離れず神の留守      まこと
(木下まこと記)


福岡句会(23日 都久志会館 16名)

大谷弘至主宰選  
第一句座(当季雑詠)    
◎特選      
秋水疾し涙は後にあふれ来る      良子      
湯豆腐を掬ふ手なんて素敵な手     眞理子      
鯛焼や一度は跳ねてみたからん     真知子      
水飴の泪いろして一葉忌        修      
神々とすれ違ひつつ来られしか     真知子      
マフラーの軽さと思ふプレゼント    緑      
道真は歌詠みながら神の旅       真知子      
里帰り報恩講の酒持ちて        順    
○入選      
どんぐりを拾ふ英彦山おらが山     和子      
鼻血ごと九州場所の花となれ      緑      
くづし字の動きだしたる炬燵かな    緑      
弱虫を隠す化粧や毒茸         充子      
ゴミ収集車動きの鈍く冬めける     龍梅      
陽だまりを右往左往や毛糸玉      真知子      
この世には未練なしとや大根干す    眞理子      
さわやかや女流剣士の白袴       博人      
橋渡る葱洗ふ背に声をかけ       修      
冬田道恙しやと歌ひだす        みつよ      
ストーブに張り付く猫をはがしけり   幸子      
遅れ来し秋やたちまちゆかんとす    和子 
放課後や落葉掃く子と散らす子と    幸子      
同級会一気に昔へあおし柿       良子      
冬銀河ここは誰かの夢の中       眞理子      
長縄跳び兎のやうな女の子       裕子      
角打やけふは勤労感謝の日       和子      
感恩の心を包む毛布かな        龍梅

第二句座(席題「鍋」「蜜柑」「冬銀河」)    
◎特選      
冬銀河まみえたき人瞬ける       裕子      
寄鍋や床の布袋も上気して       裕子      
法事あと蜜柑配りは子に任せ      裕子      
下顎の一片まぎれ鮟鱇鍋        真知子             
○入選      
鯛ちりや危ふき父のおちよぼ口     順      
冬銀河雑魚寝の足を踏みにけり     緑      
吹きこぼるる寄せ鍋のごと愛し合ふ   緑      
いつの間に誰が食べたかみかん消え   和子      
杣人の唄よ笑ひよ桜鍋         和子      
仏手柑や外見ですぐ決める癖      祥子      
鍋奉行父へ気遣う子の一箸       良子      
あかあかと茶碗焼く火や冬銀河     酸模
(斉藤真知子記)


長崎句会(22日)

当季雑詠 五句持ち寄り
文化の日野良は気丈に子別れし     弘美
黄葉や森また森を潜り抜け       まり子
町内にまたも揉めごと神の留守     直代
絵の具溶く色欲張りて秋の山      順子
笑い皺湯たんぽ抱いてくしゃくしゃに  玲子
皇后のうるむ瞳に秋日映え       あや
採血の血の吹き出して今朝の冬     瑠衣

題詠(「勇魚」「初のつく新春の季語」)二句持ち寄り
ピノキオや勇魚の腹を脱出す      弘美
たをやかに前向き生きむ初日記     まり子
あの頃の母さんとゐる初鏡       直代
廃屋に勇魚の名残り黒欄間       順子
初電話浮かぶ笑顔は幼き日       玲子
昔日の勇魚の夢や湾たいら       あや
その昔小舟丸呑み勇魚かな       瑠衣
(米山瑠衣記)


熊本句会(16日 南阿蘇珈琲ギャラリー 4名)

第一句座 兼題「捕鯨」
溶岩の流るる海へ鯨見に        裕子
冬晴やオープンカーへ振る小旗     戌彦
目に見えぬ微生物舞ふ捕鯨船      茉莉子 
捕鯨船ジョン万次郎てふ奇跡      榾火

第二句座 席題「枯園」「切干」
車酔ひしてはふらりと冬の園      裕子
切干や独り棲みなす広き家       戌彦
息潜め薔薇の枯園通りけり       茉莉子
(今村榾火記)


熊本あふちの会句会(12日 三城宅 4名)

第一句座(当季雑詠)
柿たわわカーブの多き路線バス    節子
炉開きや小さくなりし師と弟子と      沙羅
湖の水面静かや紅葉散る        和子
はつ冬やティアラきらり涙きらり       佳代子

第二句座、兼題「立冬、帰り花、セーター、消す」
アドレスを消す指先や冬の蝶     節子
セーターに着替へ野点の傘畳む      沙羅
立冬の息深く吸ふ誕生日         和子
夕凪のみづうみ眩し帰り花      佳代子        
(三城佳代子記)


大分句会

山積みの本に埃や今朝の冬       裕子
坂の町下れば鯨の見える海       裕子
この街は坂ばかりかな冬に入る     裕子
病室の窓に写りし秋の山        広美
病む友と冬を越すこと願いつつ     広美
車椅子コスモスロードの中の人     広美
渡りくる雁の心地の旅をして      桃潤
人間はなんと豊やちゃんちゃんこ    桃潤
太平洋過る故郷鯨かな         桃潤
(山本桃潤記)

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