2026年1月句会報告

ZOOM句会


深川句会(14日 23名)

大谷主宰選

第一句座

【特選】

七草のあをのましろのめでたさよ      園田靖彦
お降りやこのまぶしさは神のもの      谷村和華子
もう一度かつと打ち当て寒卵        神戸秀子   
花びら餅八十年の平和かな         小林昌子
錆び錆びてまだ錆ゆけり大氷柱       高橋真樹子
家路とは果てなく長し息白し        高橋真樹子
生かされて大きく丸く河豚の怒気      西川遊歩
杜国かとおもふ鼾のちやんちやんこ     高橋真樹子
大吉のみくじおそろし老の春        藤 英樹
実朝のますらをぶりを初硯         藤 英樹
夫の箸今は取り箸節料理          金澤道子
ぼろ市のぼろに人間よみがへる       藤 英樹

【入選】

行きずりの人も祝へり成人祭        藤 英樹 
初旅や夫のシュプール追ひかけて      高橋真樹子
寒雀枝たはませて枝の先          長井はるみ
雪折れの檜香に立つ義仲忌         神戸秀子
捨てきれぬこの欲望に着ぶくれる      三玉一郎
日本行き切符買つたと初メール       小林昌子   
不器用な蒲団カバーの固結び        臼杵政治
水餅のすこし酸つぱくかびつぽく      大平佳余子
寒緋桜術後の膝に力入れ          神谷宣行 
ふるさとへ走る列車や初山河        菅谷和子
退職の身にたつぷりと今年あり       三玉一郎
百歳へ指折る母や日脚伸ぶ         臼杵政治
飴もらひ日向ぼこりを延長す        仲田寛子
寒暁やようこそ赤子美しき世ぞ       谷村和華子
来世もまた愛さむ君の木の葉髪       臼杵政治
指先に残る杉の香年酒享く         谷村和華子
水面ゆく白鳥羽に雛包み          大平佳余子
嫁ぎ来ていまはひとりよ寒施行       神戸秀子
初諸子身を切る風も湖北なる        小林昌子
指先の弾むさま見ゆ初メール        仲田寛子
字余りの余世にあらじ初句会        石川桃瑪
能登の雪踏みて決意や成人す        神谷宣行
にらみゐる熊の頭が祭壇に         城田容子
紅梅に寒の戻りの何のその         小林昌子
硝子戸にわが外套の猫背ぶり        越智淳子
父母に会ふ髭を剃る初鏡          三玉一郎
嘶きの聞こえさうなる賀状かな       金澤道子 

第二句座   席題(海鼠 樹氷 寒灸)

【特選】

人類の退化を惜しむ海鼠かな        仲田寛子
細腰の右も左も寒灸            藤 英樹
寒灸や濁世の外の放哉に          小林昌子
その子はたち頭痛封じの寒やいと      神戸秀子
ばけばけてみても海鼠はなまこかな     大平佳余子
樹氷林縫ひてシュプールあざやかに     菅谷和子
まだ海鼠噛める歯のありありがたし     金澤道子

【入選】

スキーもうできず樹氷を見ぬうちに     臼杵政治
この空が見たくて来たり樹氷林       金澤道子
寒の灸盛りて我慢の鬼の顔         西川遊歩
母ゆづり海鼠嫌ひも口下手も        神戸秀子
酢なまこや命乞ふごと縮みたる       小林昌子
樹氷とはま白き神の国なるぞ        高橋真樹子
寒灸中風の一茶よみがへる         大平佳余子
あら不思議腰の伸びたる寒やいと      神戸秀子
胎の子が盛んに動く寒灸          城田容子

(大場梅子記)


東京ウェブ吟行句会(18-21日/夏雲システム/19名)

吟行地:日枝神社(赤坂周辺)
兼題:十五日粥、寒施行、日脚伸ぶ

塩田に塩きらきらと日脚伸ぶ    藤英樹
朴の葉にそつと載せたる穴施行   神戸秀子
小豆粥七十代は花ざかり      大場梅子
ぺたんこのミハマの靴や日脚伸ぶ  金澤道子
古地図手に日比谷赤坂日脚伸ぶ   大平佳余子
日脚伸ぶ傘たてに依る妻の杖    上村幸三
初春や日枝の狛猿子を抱き     菅谷和子
鳥獣の言葉聞き分け寒施行     神谷宣行
大方は烏の腹へ寒施行       臼杵政治
くちやくちやの赤子の欠伸日脚伸ぶ 谷村和華子
若水を汲みて翁の舞ひしづか    関根千方
初詣神はどなたか知らぬまま    原京子
考える人背にやさし日脚伸ぶ    長野いづみ
三日三晩命さまよふいけ火かな   園田靖彦
一匙の小豆粥食むパパと言ふ    松岡伴子
小豆粥みなし子ならぬみなし婆   岡村美沙子
十五日粥どこぞの国に父と母    岩﨑ひとみ
草津には足湯や顔湯日脚伸ぶ    片山ひろし
富士山の顔もゆがみて日脚のぶ   那珂侑子

(関根千方記)


鎌倉吟行句会(4日 鶴岡八幡宮 10名)

第一句座  (7句出5句選)

初鴉八幡宮を畏れけり      英樹
校名は虚子の筆なり冬木の芽   道子
日向ぼこのやうにゆつくり散歩かな 益美
初句会木遣音頭が風に乗り    良子
鎌倉の山あをあをと初電車    健
大虚子の墓にひと気なき三日   はるみ
寒梅の白きは昨夜の月の色    美津子
正月の空白鳩の舞ひ初めり    淳子
初茜油のごとく海ありぬ     大志
ゆるゆると水面動かす冬木かな  和華子

第二句座  (寒雀/初凪 3句出3句選)

日当たりの枝に移れり寒雀    美津子
初凪や過ぎゆく時間止められず  益美
鷹降りてこつぱみぢんや寒雀   英樹
初凪や絶ゆることなし海の声   淳子
初芝居ふくら雀の染帯で     はるみ
庭先に降りて追はれし寒雀    健
軒先をころがり落ちし寒雀    道子
初凪や海へと続く段葛      良子
鎌倉に和賀江島あり初凪げり   大志
初凪や陶片拾うて空き箱に    和華子

(谷村和華子記)


愛知吟行句会(8日 名古屋市白鳥公園) 

マンションを背に雪吊の庭しずか  恵美子 
青き香や雪吊掴む青き空      春日美智子
行く末も過去も思はずおでん鍋   肇 
初句会川波千鳥めでてより     楓 
雪吊や風にほぐるる縄の影     正博 

(稲垣雄二記)


岐阜句会(22日 岐阜市西部福祉会館)

第1句座 兼題:大寒、春愁、梅

梅ふふむ一枝一枝吟味せり     上松美智子 
客の来て匂ひ立つなりらふ梅花   春日美智子 
鶯宿てふ白梅の咲く深空かな    恵美子 

第2句座 当季雑詠

風上でじつくり餅焼くどんどかな  上松美智子 
見るべきの何も見られず春愁    春日美智子 
わだなかの海鼠うかがうこの世かな 恵美子                    

(梅田恵美子記)


京都句会

古志京都句会1月は、予定どおり通信句会と対面句会を実施しました。

対面句会(21日 6名)
第1句座 当季雑詠 6句出句6句選句(うち1句特選)
第2句座 席題:初弘法、冴返る、探梅、椿、鰆、豆撒、ドーナツ 7句出句6句選句(うち1句特選)
来月の対面句会も、第3水曜日の18日開催です。

日向ぼこ時折浮かぶ夫殺し      りえこ
ドーナツの穴と海鼠は荘子読む
赤信号冬日たつぷり浴びる時     佳澄
実年齢越ゆる血管冴返る
待春や京の町家の五色豆       洋子
初弘法動かぬ時計五百円
メリケン粉水になじまぬ寒の入り   欣也
大阪に残る渡しや冴返る
さまざまな雪の色見し目覚めかな   叡初
空高し鳶よ寂しくはないか
大寒や離婚届がテーブルに      茉胡
予想せぬ新党生まれ冴返る 

通信句会は夏雲システムを利用して実施。
主宰のNHK俳句のエッセイ(含羞・海鼠)とブログ(広島・冬紅葉等)、宮本みさ子さんと稲垣雄二さんのエッセイ「ふるさと歳時記1月」、竹下米花さんの絵手紙(神楽・獅子舞)からの連想句4句以上を含め、8句投句。選は特選1句、入選7句で行いました。17名参加。

乳飲み子の名も黒々と箸包      雄二
鍬始め時折比良を仰ぎつつ      英二
ひと休みして獅子舞の奮い立つ    悦子
復興の社殿を囲み里神楽       みさ子
父が綯ふ注連縄の香や神宿る     美那子
言の葉も刻み込みたる七日粥     米花
立ち止まることも時には滝凍つる   美恵子
しづしづと皹進みゆく鏡餅      淳子
広島は凍つる荊冠冬薔薇       久美
笙の音に闇すべりゆく神楽かな    和華子
ふつきれて新年会へ出ることに    杳平
めでたさや氷室の神の初氷      忠雄
年の暮家族総出の餅屋かな      恵美子
方丈の長き廊下を冬の蜂       佳澄
極月や神より注文賃餅屋       りえこ
掃けば又はけと山茶花散りにけり   初男
八坂社に十の鉾蔵龍の玉       茉胡 

来月以降も通信句会、対面句会の二本立てで行う予定です。参加希望の方は、氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。メルアド:mako10himu6@nifty.com                     

(氷室茉胡記)


奈良まほろば句会(27日 zoom句会)

初弘法繁盛よそに御影堂      まち
寒稽古老師の礼の美しき      雄二
寒晴の縁に並べて菜や茸      美那子
春浅き奈良は良弁椿かな      久美
我が村に田一枚ありどんと焼き   一爽
豆撒の豆を数へてくれる孫     まこ
繁盛や阿修羅の寺の鬼やらひ    忠雄
挙句へと思ひめぐらす春炬燵    洋子
小袋の鈴がなりをり鬼の豆     悦子
美男冴ゆ団十郎の鬼やらひ     淳子
迂闊にも鬼招き入れ春炬燵     りえこ

(きだりえこ記)


福岡句会(24日 7名)

第一句座

冬の星余生にもある初心かな   久子 
抱負など語る間もなく初仕事   龍梅 
大旦書籍の海へ翁かな      紀美代 
コンビニのおにぎり二つ梅探る  民也 
寒菊の白を献ずる久女に忌    和子 
落葉焚き老人ばかり残りをり   悠 
朝抜けし蒲団の穴にまた戻り   真知子

第二句座(席題:日脚伸ぶ、冬木立)

流れゆく雲の行方や冬木立    久子 
冬木立国境抜けて続きをり    悠 
恙なくぼんやり過ごす冬木立   龍梅 
黙然と人待ち顔の冬木立     紀美代 
寒林の奥の秘湯に一人かな    民也 
日脚の伸ぶくるくる廻す糸車   真知子    

(斉藤真知子記)


長崎句会(23日 まり庵 8名)

重詰やうすくれなゐに菊花蕪    玲子  
年玉や子供ら急に真顔なり     順子  
初売りやロボットに道ゆづられて  瑠衣  
去年今年亀の爪切る膝の上     まり子  
弔辞述ぶ友は涙す冬陽差す     文  
雑煮膳遠き思い出偲ばるる     弘美  
只ならぬことぞ黄砂ぞ寒の内    なおよ  
冴ゆる夜や九ちゃんの歌口ずさむ  美智子

(ももたなおよ記)


熊本句会(15日 通信句会 4名)

兼題:湯たんぽ、楪 7句出句5句選

足裏より眠気差し来る湯婆かな   佐竹佐介
ゆづり葉や部員へしかと和の心   北野沙羅
刃物屋の灯りひそやか福寿草    若松節子
灯明の照らす楪つややかに     加藤裕子

(加藤裕子記)

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