2025年12月句会報告

ZOOM句会


深川句会(10日/17名)

大谷主宰選

第一句座

【 特選 】

忘年や墓の辺に焚く松の塵          神戸秀子
鶏に砕く貝殻年用意             神戸秀子
またもとの虚空にもどし除夜の鐘       園田靖彦
冬凪げるなきがらへ添へ聴診器        篠原隆子
星崎の自笑もあそべ鍛冶まつり        篠原隆子

【 入選 】

菰巻や縄を大きくのた打たせ         越智淳子
秋月の乱をはるかに山眠る          大場梅子
熊穴に入らねば山も眠られず         小林昌子
綿虫の綿たつぷりと谷戸日和         金澤道子
あがいても私は私日向ぼこ          金澤道子
樹の股へ注連かけわたし国分寺        篠原隆子
雪詠むは母へたよりを書くに似て       篠原隆子
羽子板に薄く母の名形見かな         西川遊歩
初旅や荷が多過ぎる武蔵坊          西川遊歩
煤払口閉ぢられよ閻魔さま          神戸秀子
何事もないのが上り新双六          仲田寛子
あちら叱りこちら世話焼きかいつむり     仲田寛子
父に手を添へてもらひて餅を搗く       菅谷和子
煤掃や妻の病魔を追払へ           神谷宜行
来る年の空が歌ふよ除夜の鐘         神谷宜行
これからは両家たたへて義士まつり      園田靖彦
湯豆腐やおろおろ超ゆる母の歳        園田靖彦
井戸神やみな上を向く実千両         上 俊一

第二句座 席題 ( 大晦日 雪しづり 炭 )

【 特選 】

ふるさとの雪のしづりを心にて        神谷宜行
しづり雪七堂伽藍谺して           西川遊歩
どの星も大つごもりの輝きに         城田容子
落とすまじ野坡の担ぎし炭俵         臼杵政治
炭取に切り口花の炭揃ふ           仲田寛子
裃が鼓を炙る炭火かな            西川遊歩

【 入選 】

夫眠る海を見にゆく大晦日          金澤道子
十能に取るやまつ赤な炭ひとつ        仲田寛子
茶を点てるしづりの音を聞きながら      大場梅子
鳥のりし小枝もけふは枝炭に         菅谷和子
炭の骨はぜるが如き句を遺し         篠原隆子

(篠原隆子記)


東京ウェブ吟行句会(20-23日/夏雲システム/21名)

吟行地:大洗町(鮟鱇、あんこう鍋)
兼題:雪女郎、年忘、初凪

忘年や小さくなりし師を囲み   藤英樹
初凪や江ノ島ぽんと置かれある  金澤道子
やがて吾も忘れられゆく年忘れ  上村幸三
初凪や晩年といふ舟に乗り    松岡伴子
初凪や大観の富士そそりたつ   神谷宣行
鮟鱇を吊るして鬼の我らかな   関根千方
初凪の佐渡に遊ぶやたらひ舟   片山ひろし
父を盗り夫を奪ひし雪女郎    岡村美沙子
鮟鱇や部品のごとく並べたる   谷村和華子
初凪の小さき命ら潮だまり    原京子
雪折れの竹ざわざわと雪坊主   大平佳余子
森繁の社長懐かし忘年会     岩﨑ひとみ
初凪や戦火の国がこの先に    臼杵政治
インバネス絵筆を持つて五浦へと 大場梅子
初凪や松風わたる六角堂     神戸秀子
乗り換えの駅に誰待つ雪女郎   那珂侑子
鮟鱇のぬらりくらりを吊るしけり 石川桃瑪
いのち煮ゆ鮟鱇まるごとどぶ汁に 菅谷和子
初凪のとりどりの旗船溜り    長野いづみ
島捨てて島はよいとこ忘年会   園田靖彦
見渡せば我れ最年長年忘     越智淳子

(関根千方記)


鎌倉吟行句会(12/7 鎌倉山 擂亭 10名)

第一句座  (7句出5句選)
笹鳴や鎌倉山のそば処     道子
青空の先へ先」へと冬紅葉   健
かやの木よ五十万回目の冬よ  良子
捻じ曲がるあたりに菰を巻きて松 美津子
残生はなるやうになれ冬の鵙  英樹
鼻先を掠め合ふバス冬うらら  はるみ
薪割つて薪ストーブのある暮し 益美
黄葉の満ちて銀杏は日の光   淳子
枯芝の傾斜ほどよく富士真白  大志
友を呼び枝から枝へ冬の鳥   和華子

第二句座  (根深汁/冬の雲 3句出3句選)
葱汁やぴゆつと飛び出す葱の芯 美津子
葱甘くなるまで母の根深汁   淳子
より道も買物もせず根深汁   益美
宿酔の朝うれしき根深汁    英樹
凍雲や星の光のハンドベル   良子
東京に雪の予報や根深汁    道子
残業の夫に温め根深汁     はるみ
父親は大工の倅根深汁     健
くたくたに煮えたる根深汁   大志
凍雲やビルの高窓機影過ぎ   和華子

(谷村和華子記)


埼玉句会()


愛知吟行句会(6日 名古屋市笠寺観音(笠覆寺))

 主宰をお招きして、冬うららかな空の下、境内の六の市を吟行しました。賑わいを外れて立つ春雨塚、千鳥塚もゆっくりと見ることができました。岡山の齋藤さん、奈良のきださんにも参加していただけました。( )内は原句 

大谷主宰選

特選

蕉翁の倍の齢や納め句座
(蕉翁の倍の齢や納め句会)      上松美智子
笠寺や落葉の上に市を立て      雄二
ほのぼのと月日のほひ年の市     ひろ古
麩饅頭よく練り込んで枯野いろ    竜樹
米寿いま生きて師走の句座にあり
(米寿生きて師走の句座に友ぞろり)  一水
千鳥鳴く闇も光も身の内に      瞳
切れ味を落葉で試す刃物研ぎ     雄二
今さらに祖母の寒さを知る畳     楓
星崎へ帰る千鳥か連れ立ちて     楓
仕舞ひつつ値引きに値引き年の市   雄二
枯蟷螂その眼力のどこよりぞ     春日美智子
代々の墓を屏風に芋を売り      麻衣子

入選

裏みせて枯れゆく蓮放生池      恵美子
保美までは道もなかばの時雨かな   りえこ
球根植う一つ大きくあでやかに    春日美智子
帰り花闇てふ文字の光る句碑     正博
初旅や仁王に借りる大草鞋      りえこ
よく啼ける千鳥となりて句会へと   麻衣子
今昔千鳥は遠き笠覆寺        ひろ古
氷る手で捥ぎしキューイのあたたかさ 一水
何もかも忘れ選りをる山の芋     嘉子
冬蝶の影の重さや抱き地蔵      正博
紅をさすおもかる地蔵小六月     妙子
刻々と老いのはやさよ蓮の骨     正博
ゆずむかご切干大根六の市      恵美子
哀といふ文字にも似たり蓮の骨    正博
軽トラに売る茹で蛸も師走市     楓
太りゆく我に付き合ふセーターよ   雄二
千年の笠を言祝ぐ冬の松       正博
極月の堂内の冷え観世音       妙子
抱き地蔵抱いて冬日の重さかな    竜樹
をとこ来る日本一てふ柿提げて    麻衣子
脚ふたつ伊吹へかけて冬の虹     嘉子
蜜柑売るこゑ星崎も遠からず     竜樹

(稲垣雄二記)


岐阜句会(18日 岐阜市西部福祉会館)

第1句座 兼題:読初、年の暮、七草粥

読み初めの「はたらく細胞」枕元   沙羅
読み初めや今年こそよき句を作らめ  上松美智子
積ん読の一書抜き出す読初      春日美智子
一椀はまずみ仏へ七草粥       恵美子

第2句座 当季雑詠

霜の朝けふは新聞休刊日       沙羅
時かけて盆栽松の手入れかな     上松美智子
七福神めぐりか一羽磯千鳥      春日美智子
お隣も餅つく音や犬の声       恵美子

(梅田恵美子記)


京都句会

古志京都句会12月は、予定どおり通信句会と対面句会を実施しました。 

対面句会は、いつもの第3水曜日の17日に実施しました。結果は次のとおりです。 
第1句座 当季雑詠 6句出句6句選句(うち1句特選)
第2句座 席題:カリフラワー、チーズ、お年玉、初明り、嫁が君 6句出句6句選句(うち1句特選)参加者5名。来月の対面句会も、第3水曜日の21日開催です。

振袖を売つて百円年果つる      りえこ
国引きや出雲あかあか初明り
ポインセチア花屋は暗き京町家    佳澄
どんつきのいけず石にも初明り
手づくりのあんパン提げて寒見舞   洋子
米問屋の蔵駆け回る嫁が君
鯛おこぜ美醜はさてと海鼠凍つ    欣也
万灯の闇薄れゆく初明り
賽銭もPayPay払ひ冬うらら      茉胡
やうやくの女性宰相嫁が君 

通信句会は夏雲システムを利用して実施。
主宰のブログ(冬田・冬晴・冬紅葉等)、宮本みさ子さんと稲垣雄二さんのエッセイ「ふるさと歳時記12月」、竹下米花さんの絵手紙(山茶花)からの連想句4句以上を含め、8句投句。選は特選1句、入選7句で行いました。15名参加。

冬の田や終のひとりとなりて打つ   久美
この便り会津の雪の湿りあり     みさ子
捏ねどりのさばき鮮やか餅の音    美那子
下京の一つ残りし冬田かな      英二
スクラムの白息吐きて動かざる    忠雄
臼と杵今はしづかに郷土館      淳子
銀杏落葉鹿の親子の埋もるる     悦子
手搗き餅笑ひ掛け声味のうち     美恵子
炬燵から首だけ出して姉弟      杳平
定位置のありていつもの日向ぼこ   佳澄
時雨からはじまる丹後便りかな    米花
冬田いま力を溜めてゐるところ    初男
極月や餅屋の石臼いのちなが     りえこ
冬晴や埴輪の腰のよくくびれ     和華子
冬晴や石に戻りし石仏も       茉胡

来年度以降も通信句会、対面句会の二本立てで行う予定です。参加希望の方は、氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。メルアド:mako10himu6@nifty.com                    

(氷室茉胡記)


奈良まほろば句会(23日 zoom)

薪爆ぜて火の粉飛び出る除夜詣   雄二
流水に捌く大魚や年の市      まち
初景色変はらぬことのめでたさよ  美那子
不甲斐なく一本のみの針供養    正子
好きな子の名を言ふ孫と初湯かな  まこ
石庭に蓬莱島の淑気かな      洋子
書初に押す落款のまくれなゐ    忠雄
墨は奈良筆も奈良なり吉書かな   久美
書初や墨たつぷりとのたうつて   悦子
陽の注ぐ湯殿たゆたふ初湯かな   淳子
百歳は若返りたる初湯かな     りえこ

(きだりえこ記)


福岡句会(18日)

大谷主宰選

第一句座

特選

埋火や再発いつか今は無事     周龍梅   
元気よく人を見舞ふて冬紅葉    丹野麻衣子   
湯豆腐や湯気の彼方に嵐山     加藤久子 
いけすより悴める手で鯉つかむ   丹野麻衣子    
那珂川の晴れて小さき鴨の陣    今村榾火   
泣き初めを誉めそやさるる赤子かな 矢田民也   
母のものはおり小春を近くまで   北条幸子   
年ゆくや弥勒菩薩の微笑のうち   前田悠   
手袋に初めて入るる子の十指    矢田民也

入選        

一年を可もなく不可もなく師走    城本紀美代   
若院の襟足青しけふの雪      今村榾火   
懐に古木労はり眠る山       加藤久子       
決闘の島を消し去る初時雨     坂口和子   
炊き上がる飯に芯ある開戦日    斉藤真知子   
スモツグの広州ひらく花の市    周龍梅   
年の瀬やあかあかと鯛捌かるる   丹野麻衣子   
朔風や骨のぽきぽきヨガのあと   周龍梅   
眠る山登り納めの石ひとつ     前田悠   
張り替ふる降誕祭のギターの弦   北条幸子 

第二句座 席題:返り花、紙漉、年用意

特選    

紙漉場秋月党を見送らん      丹野麻衣子   
吾もまた士族の裔や返り花     今村榾火   
紙漉きや水一枚の薄さまで     加藤久子   
湧く水の力を揺らし紙を漉く    斉藤真知子   
漉き上げてけふ一番の紙の出来   斉藤真知子   
さざなみの力たのみて紙漉ける   矢田民也

 入選

日の光浴びて心の年用意      加藤久子   
在宅選ぶ男の年用意        若松節子   
年用意まづは犬小屋塗り替へて   斉藤真知子   
紙を漉く水の重さに耐へながら   坂口和子   
紙漉の夜をはかなき猿のこゑ    今村榾火          

(斉藤真知子記)


長崎句会(ネット句会)

当季雑詠

気嵐や冬のオリオンかき消して   瑠衣
空っ風に顔入れけふもウォーキング なおよ
義父母父母看取し友や冬菫     文
年の瀬に火事・熊・地震 天仰ぐ  順子
粉雪や長崎の鐘口遊み       弘美
腹を蹴る胎の子よ見よ冬銀河    まり子
聞き分ける誰が搗き手か餅の音   玲子
年男二人揃ひて年賀状       睦美
初売りや人列をなす午前五時    美智子

題詠:年賀、おでん

それぞれの個性そのままおでん鍋  睦美
年賀状パパ似のめのこ一人増え   美智子
役場が閉まりおでん屋の灯あかあか なおよ
大根は大人の味よおでん鍋     瑠衣
往診のお礼におでん持たされて   まり子
おでんてふ大家族よき賄ひよ    弘美 
味浸みのおでん目当てや縄暖簾   順子
蘊蓄はおでんに牛スジ男鍋     文 
うっかりと長居年賀の一軒目    玲子

(ももたなおよ記)


熊本句会(15日 通信句会 4名)

兼題:凩、初日記 7句出句5句選

凩の磨き上げてや星の空      佐竹佐介
母がゐたその母がゐた柿を干す   若松節子
やつと傘寿迎へし吾の初日記    北野沙羅
木枯やまだまだ煮詰めジャム作り  加藤裕子

(加藤裕子記)

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