2025年10月句会報告

ZOOM句会


深川句会(8日/21名)

大谷主宰選

【特選】

栗飯やほろほろ失せし母の歯よ     神戸秀子
いわし雲デパートに夢買ひしころ    神戸秀子
新豆腐縄で縛りて手土産に       菅谷和子
猿酒召されて真赤猿田彦        菅谷和子
武蔵野や鵙の叫びは詩となりて     臼杵政治
どつこいしよと口は正直秋の風     仲田寛子
松手入いざあたらしき松韻を      篠原隆子
凱旋のローマの松も松手入       篠原隆子
泥よりもつよき泥の香牛蒡引      篠原隆子
神々も歌仙巻くかや神の留守     大平佳余子
鯖ほどに肥えし秋刀魚よふるさとよ   上 俊一
熊をらぬ佐渡や木の実の降りしきる   安東 文

【入選】

鷹渡る富士も箱根も雲の中       金澤道子
色鳥や妹達も出不精に         金澤道子
秋扇使ふともなく帯にあり       小林昌子
深川や風まとふ身に暑の名残り     小林昌子
同盟とは危ふき契り烏瓜        小林昌子
身にしむや迷子爺のアナウンス     園田靖彦
月天心女もすなる国の長       大平佳余子
伐られたと知らで鹿角つき合はせ   長野いづみ
露店商山と西瓜を道埃        長野いづみ
みちのくは奥よりそよぎ末枯るる    菅谷和子
初秋刀魚腸の小骨のわづらはし     上 俊一
釣り上げし小魚も餌の根釣かな     神戸秀子
秋の蝶翅閉ぢ小さき葉となりぬ     仲田寛子
女子会のお誘ひが来て小鳥来て     仲田寛子
昇りゆく鷹よ襖を翔び出して     谷村和華子
鰯船畑から浜へ急ぐ妻        大平佳余子

第二句座 席題( 紅葉狩 山頭火忌 青蜜柑 )

【特選】

けふの忌や艶なる愚禿山頭火      篠原隆子
忌日なり一草庵を掃き清む       木下風民
山頭火忌旅の夢見る夜の底       西川遊歩
耕畝忌や酔へば一世は花のごと     城田容子

【入選】

山頭火忌なみなみと注ぐ夜の酒     安藤 文
山頭火その忌に山路踏みゆかん     越智淳子
耕畝忌やひと世一句と木の実落つ    神戸秀子
漂泊はいつも心で青蜜柑        上 俊一
先頭をゆく勇気なし紅葉狩       那珂侑子
口開けば防府の訛り耕畝の忌      臼杵政治

(篠原隆子記)


埼玉句会()

(萬燈ゆき記)


東京ウェブ吟行句会(19-22日、夏雲システム、23名)

吟行地:深大寺(神代植物公園)
兼題:秋渇き、新豆腐、綿取

雫より生まれし国の新豆腐    稲垣雄二
風音に綿取る腰を伸ばしをり   金澤道子
新豆腐越後の酒を温めをり    上村幸三
棉摘むや天山の水よどみなく   関根千方
ふるさとの酒酌み交はす新豆腐  大場梅子
いのちなど惜しまぬ筈が秋渇き  岡村美沙子
上州はかかあの強し綿を打つ   藤英樹
蕎麦湯また新蕎麦なればことのほか 神戸秀子
綿取やブルーノートの十二節   岩﨑ひとみ
ほのぬくき豆の香立つや新豆腐  越智淳子
綿干すやデカンの夕日大きこと  谷村和華子
炭赤し一枚たりぬ秋刀魚皿    服部尚子
うわさ聞き野川山越へ新豆腐   園田靖彦
新豆腐次々掬ふ手のごつき    長野いづみ
秋飢ゑて蟻這ひ廻る根方かな   臼杵政治
新豆腐富士冠雪の白さかな    神谷宣行
アフリカに帰るもならず綿を取る 片山ひろし
枯れ葉美し正子遺品や秋袷    松岡伴子
秋渇き水りうりうと深大寺    大平佳余子
紅葉のガラスの奥に如来様    原京子
東京の下町に住み新豆腐     那珂侑子
嫁ぎゆく娘のために綿を摘む   菅谷和子
晴つづく綿取の山けふも増ゆ   石川桃瑪

(関根千方記)


鎌倉吟行句会(5日 稲村ケ崎公園 7名)

第一句座  (7句出5句選)
泥の河迅し異界の秋出水   桃瑪
首痛くなるまで仰ぎ鷹柱   道子
秋澄みて稲村ケ崎鳶の声   良子
歳月に地震降り海は陸の秋  淳子
新米の旗にひかれて定食屋  益美
上空は鷹の風なり渡るなり  美津子
海賊船と見紛ふ帆あり秋の海 和華子

第二句座   (藪枯らし/鯊 5句出3句選)
誰通ふとにはあらねどやぶからし 美津子
庭の沙羅這ひて二階へ藪枯らし  淳子
藪からしボール拾ひは一年生   益美
スカイツリー眺めて今日も鯊を釣る 道子
釣り上げて大きな目玉鯊の秋   良子
引きたれど千切れて弾け藪がらし 桃瑪
藪からし古井戸の水汲みにけり  和華子

(谷村和華子記)


愛知吟行句会(2日 岐阜県関ケ原町)

 秋晴れの清々しい青空の下、JR関ケ原駅から徒歩でのんびり吟行を始める。関ケ原の戦いで打ち取られた首や亡骸を埋めた東首塚へ。そして、古戦場記念館のレストランでランチ。その後、記念館の5階の展望室から古戦場を一望する。ふれあいセンターへ移動して句会。

合戦の陣地一望秋の空     恵美子 
笹尾山家紋揺れをり竹の春   春日美智子 
火縄銃ズシリと重し秋の晴   沙羅 
秋草に並べて敵の首いくつ   雄二

(稲垣雄二記)


岐阜句会(23日 岐阜市西部福祉会館)

第1句座 兼題 :木の実、もみぢ、土瓶蒸し

通江さん第二句集や紅葉づれる  上松美智子
いさかいはもういらないと薄紅葉 春日美智子
もみぢ葉と一つ湯舟や星の空   恵美子

第2句座 当季雑詠

難儀して帯結びをり秋深む    上松美智子
太陽の匂ひ只中柿日和      春日美智子
実をつけて藜は五尺妙照寺    恵美子    
(梅田恵美子記)


京都句会

古志京都句会10月は、予定どおり通信句会と対面句会を実施しました。

対面句会は、いつもの第3水曜日の15日に実施しました。結果は次のとおりです。 
第1句座 当季雑詠 5句出句5句選句(うち1句特選)
第2句座 席題:後の月、露、秋深し、夕刊、漬物、秋海棠、文化の日、柿紅葉 8句出句7句選句(うち1句特選)参加者5名。
来月の対面句会も、第2水曜日の19日開催です。

新豆腐ぐらりと世界裏返す     りえこ
AIと恋に落ちさう文化の日
芋蔓を手繰りて笑ふ金歯かな    佳澄
漬物の重石の上に秋の蝿
秋海棠荷風の日記読み返し     洋子
秋深く奈良漬あてに手酌かな
晩稲刈帰り支度のスマホ光     欣也
ちぐはぐに傾ぐ山墓秋海棠
悟りより迷ひの窓に濃き秋日    茉胡
墓にまで持つて行く恋秋海棠 

10月通信句会は夏雲システムを利用して実施。主宰のブログ(山吹、桔梗、コスモス等)、宮本みさ子さんと稲垣雄二さんのエッセイ「ふるさと歳時記10月」、竹下米花さん作の絵手紙(玉蜀黍)、そして古志10月号特集の宮本みさ子さんの「餅屋句集」からの連想句4句以上を含め、8句投句。選は特選1句、入選7句で行いました。15名参加。

蓑笠の去来が急ぐ嵯峨時雨     悦子
秋蝶となりてまゐらん小さき墓   久美
むつまじき餅屋の暮し良夜かな   恵美子
餅売つて背負ひて帰る秋夕焼け   りえこ
松一本守る島あり小鳥来る     みさ子
蟷螂の修羅を見てきし眼かな    忠雄
落柿舎に今日も蓑笠火恋し     美那子
振る袖も祈る手もなき案山子かな  英二
家ごとの鮨を伝えて秋祭      淳子
燭台に蝋を継ぎ足し寝待月     佳澄
瓦礫の下は屍のガザやちちろ泣く  初男
たまりゆく香炉の灰よ白桔梗    和華子
落柿舎に句会幾度も野鶏頭     美恵子
抜きたての大根おろし焼き秋刀魚  杳平
セシウム値下がらぬ故郷そぞろ寒  茉胡

11月以降も通信句会、対面句会の二本立てで行う予定です。参加希望の方は、氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。 メルアド:mako10himu6@nifty.com                    

(氷室茉胡記)


奈良まほろば句会(28日 zoom句会 10名)

残る蚊は物干す時に急襲す     洋子
露草や色に出にけり露の青     淳子
打ち延べて鋼の一句水の秋     久美
狐火やロマンス詐欺に引つかかる  まこ
山頭火追ひゆく万句しぐれけり   忠雄
狐火や顔に張り付く笑みに口    雄二
初時雨団十郎が南座に       美那子
観音の千の手涸るる時雨かな    悦子
狐火や結露の眼鏡外しもし     まち
しぐるるや言葉の強き新宰相    りえこ

(きだりえこ記)


長崎句会(24日 まり庵 5名(投句は7名))

第一句座

秋澄むや五島列島見はるかし    美智子
望の潮波止をわらわら乗りこえて  瑠衣
まるで秋思や柴犬の立ち姿     まり子
ひと言も話せぬままの花野道    玲子
冬瓜や二人暮らしの真ん中に    なおよ
秋冷や亡き夫忘る百五歳      文
鉄塔に辿り着きたる花鶏群れ      弘美

第二句座(新蕎麦、蔦紅葉)

新蕎麦を打つと仲間を呼びよせて  なおよ
蔦紅葉女声コーラス校舎より    まり子
「時そば」のやうに新蕎麦啜る音  美智子
町が市になつても駅の蔦紅葉    瑠衣
本堂の裏を撮らんか蔦紅葉     玲子
新蕎麦や富士の麓の頑固爺     弘美
空き家あり夕陽の映える蔦紅葉   文

(ももたなおよ記)


熊本句会(15日 通信句会 4名)

兼題:後の月、紅葉かつ散る 7句出句5句選

櫨紅葉かつ散り戦火止まずかな   佐竹佐介
紅葉且つ散る子守唄の碑に     北野沙羅
後の月今宵静かな客ばかり     若松節子
栗名月根付集める爺となり     加藤裕子

(加藤裕子記)

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