2025年8月句会報告

ZOOM句会


深川句会(13日/21名)

大谷主宰選
  
第一句座

【特選】

浜木綿よ流れきたりしわれらかな    上 俊一
終戦日戦死の父の遺骨どこ       吉田順子
父生きて還り我あり終戦忌       大場梅子
桃冷す月山の水引き込んで       大場梅子
若冲の鶏さわぐ野分かな        大場梅子
雛僧に水密の香や施餓鬼寺       篠原隆子
すがれたる月下の老いの踊こそ     篠原隆子
血湧くな躍るな肉よ敗戦忌       奈良 握
あまた降る星をかぞへて定家の忌    神戸秀子
少年に別れせまり来馬の市       園田靖彦

【入選】

ドロップはゆめの七いろ終戦忌    神戸秀子
母と見し流星つぎは百年後      神戸秀子
敗戦忌幼なきわれにDDT      神戸秀子
盆の月秩父音頭を踊らんか      大場梅子 
投票箱倉庫にしまふ秋湿り      奈良 握
分断のほつれは直し雲の峰      仲田寛子
肩ふれて小町通りの秋暑かな     金澤道子
甲斐なれば蚊の名残とてあなどれず  金澤道子
いつもかうと霧の山指す樵かな    臼杵政治
すくすくと信濃は高き白木槿     臼杵政治
帰省子や口から吐くは「うむ」ばかり 臼杵政治
花カンナ負けず嫌ひの血を呉れし   臼杵政治
新盆の路を薙ぐ背よ荒々と      篠原隆子
赤子には木通を刳りて施餓鬼舟    篠原隆子
秋の夜や同じ名を持つ師の訃報   わたなべかよ
虫の夜や草木虫魚祖はひとつ    わたなべかよ
黄信号父を追つかけ捕虫網      賀来邊庭
顔洗ふ水水らしく今朝の秋      越智淳子
さよならも言はざりし友泳ぎだす   谷村和華子
紅の花咲く集落へ手描き地図     西川遊歩
ブリキ缶で育てし茄子は父の馬    神谷宜行
きつぱりと手術を決めて鰻食ふ    神谷宜行
浜木綿や沖へ抜き手の八十爺     上 俊一
待たれをりカフェへ日傘の重きこと  小林昌子

第二句座 席題(新涼 濁り酒 稲雀)

【特選】

新涼やスーツの人と遠会釈      仲田寛子
信州の壺入り愛でん濁り酒      越智淳子
曲り家に馬はもう居ず濁り酒     金澤道子
相続にもめる一茶や稲雀       大場梅子
どぶろくをかかへ牧水大あぐら    大場梅子
繭の香の抜けぬ手で酌み濁り酒    篠原隆子

【入選】

聞きづらきことは聞くまい濁り酒   小林昌子
いつの世もアジールの在り濁り酒   篠原隆子
新涼や筆のすべりの自在なる     園田靖彦
新涼や夜の上りは客まばら      越智淳子
新涼や追ひ越す人に道ゆづり     金澤道子
涼新たご飯ご飯と歌ふ子よ      城田容子
いなすずめみなで分け合ふ古古古米  奈良 握
新涼のここは深川のらくろも     奈良 握
どぶろくや熊討つ手立てないものか  仲田寛子
涼新た形見の詩集修復す       西川遊歩
どぶろくやいつもの駄ぼら懲りもせず 上 俊一

(篠原隆子記)


東京ウェブ吟行句会(17-20日 夏雲システム 23名)

吟行地:柴又帝釈天(矢切の渡し)
兼題:初秋、盆波、桃

海深く帰らぬ骨や盆の波     臼杵政治
盆波やラヂオのなかの砂あらし  関根千方
三陸の盆波高し死者の群     藤英樹
白桃や句はしなやかに香りよく  大場梅子
はつ秋の硯に落とす玉の水    上村幸三
かりがねや自転車も載せ渡し舟  神戸秀子
寅さんの想ひ人来る秋日傘    石塚純子
ふくふくと桃の匂ひの仏間かな  大平佳余子
桃の香の息を最後に母逝きぬ   神谷宣行
桃食へば桃のにほひのひと日かな 菅谷和子
ルノアールの尻を選んで桃をもぐ 稲垣雄二
桃食うて桃のにほひの夫婦かな  園田靖彦
初秋や寅さん旅に出たつきり   金澤道子
秋高したつた五分の渡し舟    片山ひろし
一日のくらし見直す秋初め    那珂侑子
初秋や買い手決まりし母の家   岡村美沙子
盆波が浚うてゆきし麦わら帽   長野いづみ
盆波や引き波に子をとられさう  松岡伴子
桑の畑今はまろかな桃の里    谷村和華子
打ち寄すは誰の喚きや盆の波   越智淳子
海なしの地に語り継ぐ盆の波   原京子
古火鉢山の水引き冷し桃     石川桃瑪
桃食べる時も鉢巻桃太郎     岩﨑ひとみ

(関根千方記)


鎌倉吟行句会(3日 鶴岡八幡宮 7名)

第一句座  (7句出5句選)
散蓮華ひらり葉の上みづの上  道子
蓮の実に眠る室あり眠るべし  英樹
うなぎ食ぶこれより八句作らねば 侑子
鰻重は大きな方と決めてをり  良子
水茄子の浅漬を売り老舗ぶり  桃瑪
鯉の口百押し寄する大暑かな  美津子
蓮の葉や遥かこの世に風送り  和華子

第二句座  (万緑/蜥蜴 3句出3句選)
万緑や鎌倉五山に谷戸の奥   桃瑪
首里城へ案内するごと青とかげ 美津子
万緑や僧の立ち居の音立てず  道子
太陽を呑んで脈打つ蜥蜴かな  英樹
この山を熊と生きをり青蜥蜴  良子
青蜥蜴きのふの貌で這うてをり 和華子

(谷村和華子記)


埼玉句会(24日 埼玉会館 5日)

厨から甘き香りやけさの秋    市人
ふつくらと飯炊き上がる今朝の秋
鬼やんまB29のごと飛来      靖彦
新刊のインクのにほひ秋立てり
花一輪挿して食卓涼新た     宣行
花なくて花あるごとし水の秋
竹槍と原子爆弾敗戦忌      つねお
水清き瑞穂の国の新酒かな
これよりの秋なき世界いかにせん ゆき
ひまはりは種を育てる残暑かな

(萬燈ゆき記)


岐阜句会(28日 岐阜市西部福祉会館)

第1句座 兼題: 鬼灯、鰯雲、虫の声

鬼灯を舌でころがしし昔かな    沙羅
墓の闇ふるはせてゐる虫の声    上松美智子
風向きが変はつて来しや鰯雲    春日美智子
鬼灯を鳴らせし昔青山河      恵美子

第2句座 当季雑詠

蚊叩きの我は名人日の暑さ     沙羅
朝晩の散歩の外は暑気籠り     上松美智子
空蝉やお守りのごと子の集め    春日美智子
木にからみ白き吐息のからす瓜の花 恵美子

(梅田恵美子記)


京都句会

令和元年以来、久々に主宰指導の大文字句会を開催し、予定どおり通信句会も実施しました。 
結果は次のとおりです。
なお、大文字句会の結果の一部及び大文字の様子は、数回にわたり、主宰のブログにも掲載されています。

大文字句会(17日)

大谷主宰選(○特選)

第一句座 (7句出句)

○蛸噛んで大一文字見にゆかん   丹野麻衣子
○大文字母の形見の服を着て    氷室茉胡
○大文字お精霊(しよらい)さまに傘貸して 喜田りえこ
○美しき雨女ゐて盂蘭盆会     高角みつこ
○まきさんの面影左大文字     喜田りえこ 
どなたにも門扉開きて魂迎     喜田りえこ 
八月の空はさみしや大文字     坂元初男 
露けしや大の火床に割木積む    喜田りえこ 
大雨にひとしくぬれて生身魂    丹野麻衣子 
大文字ほな帰りまつさ大阪へ    土佐欣也 
どよめきは他所(よそ)の人やろ施火の京 河口佳澄 
船形の火や追つつけ乗らむ己が身も 坂元初男 
いくたびの大文字の火よ鬼瓦    丹野麻衣子

第二句座(5句出句)

○カンナの緋果して我は山姥に   喜田りえこ
○汀さんまきさんそこに大文字   坂元初男
○それぞれの八月はるか大文字   木下洋子
○金閣をかすめ運ぶ火大文字    丹野麻衣子 
花カンナとがむる人もなく夕寝   河口佳澄 
緋のカンナ永遠に戦後でありつづけ 木下洋子 
駆け出して大文字の火をつけにゆく 丹野麻衣子 
盆の月蕎麦屋一軒貸し切りに    高角みつこ 
立ち話する間もトスやカンナ咲く  土佐欣也 
貸し傘の馴れぬ重さや大文字    高角みつこ 
大文字ともに送りし人送り     木下洋子

通信句会

8月通信句会は夏雲システムを利用して実施。古志8月号掲載の①りえこさんの句集「デラシネ」に関する記事及び②雄二さんとみさ子さんのふるさと歳時記、並びに③竹花さんの絵手紙(チャルメラ・後の月)からの連想句4句以上を含め、8句投句、選は特選1句、入選7句で行いました。16名参加。

亡き人と語りあひつつ草をぬく   久美
太陽の二つあるよな大暑かな    英二
夜籠りへ蛍あかりの盆のみち    恵美子
地の底へ命を運ぶ蟻の道      忠雄
ゆるやかに山河動ける団扇かな   悦子
妻恋の蛍も交へ盆踊り       美恵子
しづかさや大和三山今朝の秋    淳子
すぐ乾くかるさよ母の洗ひ髪    美那子
吾子の手の空蝉木っ端微塵かな   佳澄
除染待つ松茸の山神の山      みさ子
ご破算で願いましてはせみの声   米花
みちのくや盆道照らす秋蛍     りえこ
寝ころべば地熱のほてり揚花火   杳平
待つてゐますここよここよと門火焚く 和華子
空の鍋かざすガザの子稲光り    初男
直視せよ終戦ならぬ敗戦忌     茉胡

9月以降、通信句会、対面句会の二本立てで行う予定ですので、参加希望の方は、いずれも氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。 
メルアド:mako10himu6@nifty.com                    

(氷室茉胡記)


奈良まほろば句会(26日 zoom句会 12名)

原爆忌八十年の余炎なほ      忠雄
飛蝗の子わつと生まれて草の色   美那子
紺も紺あの朝顔を忘れめや     淳子
踊の輪飼ひ主の度尾を振りて    まち
八月やここが戦争前夜とは     一爽
カザルスの後ろ姿や大日傘     正子
夕顔の闇白々と明けにけり     悦子
球磨川に育ちて涼し鮎の顔     雄二
膝の子は夏とあそびに行つたきり  久美
仕送りはもう要らぬと子遠案山子  まこ
守るべきは守りし誇り捨案山子   洋子
すいと来てすいといずこへ石叩   りえこ

(きだりえこ記)


松山句会(29日 メール句会 8名)

兼題:新涼、線香花火、地蔵盆、キャンプ、毒茸 5句出句5句選

人生の線香花火今松葉       真奈美
キャンプ更けはちきれさふな天体図 真樹子
新涼や天国の如千の風       博山
星の数語り尽せぬキャンプの夜   薫
新涼や朝の水やり庭生きし     夕未子
父がゐて母の声する庭花火     紫春
一代の盛衰を見る線香花火     まさし
火と語り闇を友としキャンプかな  まこと
地蔵盆どれが孫やら曾孫やら    真樹子
鮮やかな色で誘ふ毒茸       薫
手花火の大きな闇に触れゐたり   真樹子
にぎやかに子らと参りし地蔵盆   夕未子
忘れ物されど楽しきキャンプかな  まさし
地蔵盆参りて手には日切焼     真奈美
手花火の尽きて無言のしじまかな  まこと

(木下まこと記)


長崎句会(ネット句会 9名) 

第一句座 当季雑詠

喚声を連れて白球夏空へ      美智子
送り火や明日一歳の子の歩き    なおよ
叩かれてまた叩かれて西瓜かな   瑠衣
八月や外海のそらうみ蒼と碧    文
耳欹てよ遠に消えゆく蟬の声    弘美
応援団に合わせて拍手汗拭ふ    まり子
秋夕焼ひこうき雲の溶けゆきて   玲子
乾坤の大聖堂や秋高し       睦美
巨大扇風機乳の出悪き牛たちへ   順子

第二句座 題詠:鬼灯秋、秋初め

鬼灯や上手に吹きし昭和の子    まり子
鬼灯や短気起こせばすぐ破れ    瑠衣
鬼灯やいつ種出そか鳴らそうか   玲子
秋立ちぬ隣合わせの豪雨熱しゃ   弘美
鬼灯を愛でてアンデス山の民    睦美
赤き実はいつまで赤き鬼灯や    文
鬼灯の種揉みだして吹き比べ    順子
白壁に風が影なす秋初め      なおよ
菰飾る鬼灯は夜の灯かな      美智子

(ももたなおよ記)


熊本句会(15日 通信句会 4名) 

兼題:稲光、踊 7句出句5句選

先づ母が娘が父が踊の輪      佐竹佐介
胡弓冴え男踊は闇を来る      若松節子
和を一の宗匠逝きし終戦日     北野沙羅
稲光バスを降りねばならぬかな   加藤裕子

(加藤裕子記)

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