2025年6月句会報告

ZOOM句会


深川句会(11日/18名)

大谷主宰 選

第一句座

【特選】

川の名を聞けば懐かし鮎の味      神谷宜行
山里は僧も繭煮る尻ばしより      篠原隆子
蛭みみず目のなきものを迎へ梅雨    篠原隆子
拾得が箒に灯すほたるかな       篠原隆子
信玄が攻めて来るぞと落し文      大場梅子
草刈りのおまけ切りキズ虫さされ    小林昌子
父の日や死を論ずるに大あぐら     石川桃瑪
黒蟻や大きな石と四つに組み      仲田寛子
今はもうぷつと飛ばせず枇杷の種    仲田寛子
大夕立耳成山を奪ふごと       長野いづみ

【入選】

筆まめな母より遥か落し文      長野いづみ
泥長靴バケツに鯰ぶら下げて     長野いづみ
子に着せて少女と思ふ宿浴衣      臼杵政治
悩み聞くはお安い御用さくらんぼ    仲田寛子
少年の息にもふるへ繭の蝶       神戸秀子
子雀に撒きやる米もなき世かな     神戸秀子
ベランダの鉢の葡萄も袋掛       神戸秀子
お供への卵横取り梅雨烏        神戸秀子
絽の着物まとふ高座や皿屋敷      西川遊歩
激論の喉へぐびりと冷し酒       石川桃瑪
十薬の香を残しつつ白昏るる      石川桃瑪
夏の葬父の大きなのど仏        城田容子 
すぐたまる濁世の塵や網戸ふく     城田容子
縁側に顎だけのせて犬端居       城田容子
汗流れセールはしごすリュックかな   木下風民
夏布団だらだらとゐて昼まぢか     木下風民
引越や金魚の鉢は膝の上        金澤道子
わが顎を見よと鍬形のしのしと     大場梅子
花菖蒲いのち新たに朝の水       神谷宜行

第二句座  席題(雲海 清水 海月)

【特選】

海月桶塩を振るにはまだ足らぬ     仲田寛子
この苔は食べられる苔山清水      城田容子
雲海を天井として翁の田        篠原隆子
刳舟やいつを昔とくらげ添ひ      篠原隆子
雲海の晴ゆく小諸汽笛鳴る      長野いづみ
いろかたちなくてわれ刺す海月かな   神戸秀子

【入選】

合宿の海月が刺せし傷今も      長野いづみ
弘法の突きし御杖や岩清水       賀来邊庭
雲海をぬくるやいよよアタックぞ    臼杵政治
くらげなすくらげ漁り塩漬けに     菅谷和子
手に受けて西行谷の清水かな      大場梅子
雲海を飛び越えていざ天竺へ      大場梅子
土砂降りについ浮き上がる海月かな   上 俊一
舟に添ふ水母のごとき妻なりき     篠原隆子
雲海のふとん広げて大いびき      園田靖彦

(篠原隆子記)


東京ウェブ吟行句会(15-18日、夏雲システム、24名)

吟行地:高幡不動尊
兼題:短夜、浴衣、牛蛙

手を打つて龍の声聞く夏の始   藤英樹
花鳥も老の眠りも明易し     上村幸三
明易やもう大谷がホームラン   臼杵政治
老いてなほ背筋美し藍浴衣    稲垣雄二
日の暮れをたぐり寄せゐる牛蛙  金澤道子
短夜やさんごは卵放ちたり    大平佳余子
短夜の子規は目がさえ耳が冴え  岩﨑ひとみ
めでたさの四股名大書の浴衣かな 園田靖彦
古浴衣ほどいて母は襁褓へと   大場梅子
ひとひらは胡蝶となりて四葩かな 関根千方
夏萩のくれなゐ走る不動尊    神戸秀子
音が揺らす水面の月や牛蛙    越智淳子
短夜を長いねと母呟やけり    長野いづみ
縫ひかへて恋は忘れじ藍浴衣   神谷宣行
おはしよりを深く金魚の浴衣かな 石塚純子
浴衣着て新横綱は風を切り    谷村和華子
護摩を焚く読経の僧の涼しさよ  菅谷和子
短夜の読み継ぐ源氏物語     片山ひろし
端切れ継ぎ代々伝ふ浴衣これ   原京子
牛蛙地球の底へ声を投ぐ     石川桃瑪
花嫁のあやめ舟着く牛蛙     那珂侑子
透き通る忍野八海牛蛙      松岡伴子
ひめじょおんぽつと開いてふつと散り 服部尚子

(関根千方記)


鎌倉吟行句会(1日 浄妙寺、報国寺、杉本寺 8名)

第一句座 (7句出5句選)
石段をころばぬやうに苔の花   益美
山門に踏んばる仁王青嵐     道子
緑陰や何の命のやりとりぞ    淳子
苔茂る画帖に一本青を引く    恵美子
いつの世も戦を案じ竹落葉    健
風揺れて日の届きけり苔の花   美津子
青梅のきよとんとしてる雨上り  良子
よべの雨すべて洗ひて六月来   和華子

第二句座 (六月 / さくらんぼ 3句出3句選)
隠し事ひとつさくらんぼ一つ   美津子
さくらんぼさみしき顔となりて喰ふ 健
六月の日を返しゐる鎖樋     道子
ウクレレの音色親しき六月来   美津子
夜明前手にこぼるるや夏の星   恵美子
弁当箱に種は残されさくらんぼ  良子
六月やこころ労れ君もまた    淳子
六月や身ぬちきれいな水巡り   和華子

(谷村和華子記)


埼玉句会(22日 埼玉会館 5名)

おのづから風の生まるる茅の輪かな     市人
後悔をしてもせんなき茅の輪かな
雨ふれば雨たのしまん半夏生      靖彦
乾杯のジョッキ高々半夏生
明易や宇宙(そら)より寄せる波の音      宣行
半夏生小津の栖は路地深く
生き死にを急かせるごとき暑さかな     つねお
鯉迷ふ運動場や梅雨出水
椋鳥の闇にざわめく半夏かな         ゆき
未来への門さながらに茅の輪たつ

(萬燈ゆき記)


愛知吟行句会(18日 名古屋市大須観音)

地下鉄鶴舞線の大須観音駅改札口に集合し、早くも出た今年初の熱中症警戒アラート発令の中、大須観音へ。境内で開かれていた骨董市を巡り、近くの喫茶「はやしや」でランチ、そして句会。

旅人のごとくさまよひ炎天下   春日美智子 
観音寺ののぼり懐かし夏暑し   沙羅
佳き人を追ひかけ一句多佳子の忌 すみ子
どこからか鈴の音する日の盛   肇  
観音の大提灯や蚊遣香      楓 
骨董屋の首の廻らぬ扇風機    正博 
夏真昼錆びて売らるる鉄兜    雄二

(稲垣雄二記)


岐阜句会(26日 岐阜市西部福祉会館)

第1句座  兼題 花菖蒲、黄金虫、梅雨

ざくざくと菖蒲を切って風呂の中  沙羅 
黄金虫音たてキウイの葉をかじる  上松美智子 
ハンガーのシャツを揺らすや子かまきり 春日美智子 
梅雨晴れ間なにをさわぐかだんご虫 恵美子

第2句座 当季雑詠

干し物を干せばかげるや花萱草   沙羅 
沖縄忌ガマに追悼の花供ふ     上松美智子 
酒蔵を目指してゐるか黄金虫    春日美智子 
水音と星空のあひ草蛍       恵美子   

(梅田恵美子記)


京都句会

古志京都句会6月は、予定どおり通信句会と対面句会を実施しました。

対面句会は、いつもの第3水曜日の18日に実施しました。結果は次のとおりです。
第1句座 5句出句5句選句(うち1句特選)
第2句座 席題(魔法瓶、沖縄忌、星涼し、蜜豆、眼鏡、向日葵)6句出句6句選句(うち1句特選)
参加者6名。

二の腕のふくよかなりし夏の服   りえこ
まあまあとみつ豆納む喧嘩かな
ひねくれは親の責任胡瓜揉む    佳澄
新築や門扉なくとも星涼し
水無月を売る頃となり京の町    いほり
アマリリス眼鏡の似合ふ女の子
スマホ光幽く照らす熱帯夜     欣也
蜜豆の桜んぼうを妬みし日
早苗田や豊かな実り祈りつつ    洋子
めがね頭にめがねを探す大暑かな
モノクロの余生で宜し大夕立    茉胡
今聞きしは告白かしら星涼し

7月17日(木)は前主宰指導の祇園会句会、8月17日(日)は主宰指導の大文字句会ですので、通常の対面句会はありません。祇園会句会、大文字句会への参加希望者は、古志誌上の案内をご覧になって、私(茉胡)宛に申し込んで下さい。

6月通信句会は夏雲システムを利用して実施。主宰のブログ(十薬等)、雄二さんとみさ子さんのエッセイ「ふるさと歳時記6月」、そして米花さん作の絵手紙(小判草・薫風)からの連想句4句以上を含め,8句投句,選は特選1句,入選7句で行いました。15名参加。

十薬や白てふ矜恃保ちたる     和華子
祭笛吹くべく戻る故郷かな     英二
薫風やすらりと立ちし百済仏    久美
万緑や古古古古米のにぎり飯    初男
緑陰に小さき山門詩仙堂      美那子
鹿威し後のしじまや丈山忌     淳子
薫風とどこにでも行く愛車かな   美恵子
きらきらと風を鳴らして小判草   恵美子
地球また宇宙に浮かぶ金魚玉    忠雄
しやらしやらんしやらんのらんの小判草 米花
詩仙堂異国の人の素足かな     佳澄
つつましき暮らしに余る小判草   悦子
茶筒より漢詩こぼるる丈山忌    りえこ
芭蕉坂歩く医王寺青しぐれ     杳平
教室より親しき部室半夏雨     茉胡

今後も通信句会、対面句会の二本立てで行う予定ですので、参加希望の方は、いずれも氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。
メルアド:mako10himu6@nifty.com                      

(氷室茉胡記)


奈良まほろば句会(24日 zoom句会 11名) 

ベテランに伍して堂々今年竹    正子
薄明の蛍灯す準備今        まち
峰雲や手術無縁の老夫婦      まこ
滝壺に湧きたつ山の匂かな     忠雄
父の日や諍ひの傷浅からず     久美
噴水の途切れ退屈戻りくる     洋子
がさがさと風鈴を出す新聞紙    雄二
大海原ひたと押さへて雲の峰    淳子
入道雲むくむく割れて豪雨かな   悦子
げつそりと夏痩せしたり盧舎那仏  りえこ
忘れめや南部風鈴軒に出す     美那子

(きだりえこ記)


福岡句会(28日 7名)

第一句座  

手術後の眼に飛び込んで夏の色   和子  
どこへでも行けそうな気の日傘かな 幸子  
梅雨明けの街の飛翔や飾り山    悠  
吾の暮しあつぷあつぷの仲夏かな  久子  
漣を友とし咲くや未草       紀美代  
柚の花や残る人生寄り添ひて    龍梅  
打水をうまくかはして京の町    真知子

第二句座(席題 心太、虹、白玉)
  
マイナスはプラス産み出す心天   久子  
褐色の肌の啜りし心太       幸子  
虹消えて残像の中佇みぬ      紀美代  
待ちびとを待つ目差しに虹の立つ  悠  
手を広げ虹のかけらを拾ひけり   龍梅  
もの忘れひとつやふたつ心太    和子  
白玉や叱つてくるる母はなく    真知子
  
(斉藤真知子記)


長崎句会 (27日 まり庵 8名参加、内欠席投句2名)

当季雑詠

八百屋の子見様見真似で西瓜打つ  美智子
玉の汗流して舐めて優勝杯     順子
梅漬けや祖母に聞きたきことばかり 玲子
忍び寄る軍靴の音や昼寝覚     なおよ
独立祭女神の像の目に涙      睦美
枇杷の実たわわドロ神父の愛の実ならん まり子
梅干しややさしき色の梅を買ひ   瑠衣
夕暮れてチエロ弾く女や七変化   弘美

題詠 青蛙、向日葵

向日葵や観光バスの屋根が見え   瑠衣
見上ぐればひまわり空を独り占め  まり子
向日葵や子らの名のある鉢の列   なおよ
向日葵や髪に飾れば十七歳     美智子
ひまわりや種を採ろうか絵を描こか 順子
青蛙誰か来るぞと出番待つ     玲子             

(ももたなおよ記)


熊本句会(15日 通信句会 4名)

兼題(枇杷、雨蛙)7句出句5句選

枇杷の種ぷつぷと飛ばす父と子と  佐竹佐介
格差無きテーブルとなるビヤホール 若松節子
ジャングルの庭と格闘梅雨晴間   北野沙羅
争ひも憂さも丸呑み梅雨鯰     加藤裕子

(加藤裕子記)



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