ZOOM句会
深川句会(14日/19名)
大谷主宰選
【特選】
新茶喜撰湯にひらく葉の大きさよ 越智淳子
活きのいい薔薇一輪を卓に据ゑ 仲田寛子
夏川のますらをぶりも郡上かな 篠原隆子
夏山の美濃を日月屏風とも 篠原隆子
木の洞に弁当預け薬狩 菅谷和子
蛇の衣しづかにたたみ乙女立つ 菅谷和子
猿田彦伊賀へ伊賀へと走り梅雨 大場梅子
蠅叩島の時間はゆるやかに 神戸秀子
針山に残るまち針母の日来 石川桃瑪
尺取の万事尺取る哀しさよ 園田靖彦
長電話金魚玉にも夕日差し 小林昌子
鯉のぼり末つ子龍太が跡を継ぎ 西川遊歩
梯梧咲く家と見紛ふ墓構へ 長野いづみ
【入選】
麦刈つて句は大胆に繊細に 大場梅子
祖母の庭戦火に耐へて牡丹あり 木下風民
年かさね夫よりつよく花みづき 那珂侑子
休憩はいつも燕の巣の下で 那珂侑子
まぼろしの兵列がゆく葱の花 神戸秀子
青嵐千人針をきのふとも 神戸秀子
憎まれても生きるとするか守宮鳴き 小林昌子
人情の浅草恋し初鰹 小林昌子
よき切れの出刃やすいすい烏賊を引く 西川遊歩
上海の夕日に泳ぐ金魚かな 西川遊歩
ヨットの帆後片付けが一大事 西川遊歩
押し上げつ鯉が浮葉の下通る 仲田寛子
目合ひて鹿の子に跳んでみせらるる 越智淳子
味噌焼いて宗祇の水も温むころ 篠原隆子
三日月の鎌とぐ音も藻刈どき 篠原隆子
蚕豆や妻には告げず輸血受く 臼杵政治
君にまた今日から学ぶ柿若葉 臼杵政治
花椎のにほひ濃くなる雨来るか 金澤道子
人の世の憎悪底なし毛虫焼く 園田靖彦
第二句座 席題(新樹 黴 蟻)
【特選】
大顎は武器や道具や蟻の列 西川遊歩
黴の香の兵児帯もらふ形見かな 西川遊歩
歴代の黴のはびこる議事堂よ 大場梅子
億劫や黴の身なれど老いきれず 小林昌子
いのちなが黴とこの家とこの二人 臼杵政治
【入選】
わが本の山を越さんと蟻ひとつ 神戸秀子
わが机上何を学びに蟻一つ 神戸秀子
黴の香の即身仏は綺羅まとひ 神戸秀子
団体や通されし部屋黴匂ふ 那珂侑子
玄関や戻ればミミズ蟻もなし 那珂侑子
白樺の新樹の森を歩け歩け 長野いづみ
唐突に新樹の下でプロポーズ 大場梅子
ここはもと防空壕よ黴の国 上 俊一
(篠原隆子記)
東京ウェブ吟行句会(18-21日、夏雲システム、23名)
吟行地:明治神宮( 御苑の花菖蒲)
兼題:麦飯、溝浚へ、母の日
新緑へくぐる白木の大鳥居 金澤道子
大宇宙覗くが如く噴井あり 藤英樹
溝浚へして住人となりにけり 谷村和華子
大鰻追ひ回すのも堰浚ひ 稲垣雄二
万緑や百年先をよみし人 原京子
青空を敷きて菖蒲の田となりぬ 関根千方
大鳥居くぐる若葉のうねりかな 大場梅子
母の日や母の顔して娘たち 松岡伴子
麦飯を食ひ幸せの戦後あり 上村幸三
母の日や花束よりも逢ひに来よ 岡村美沙子
雲がゆき遠足がゆき大鳥居 神戸秀子
初夏の社殿にすすむ綿帽子 片山ひろし
ドカベンの蓋はみ出すや麦の飯 園田靖彦
麦飯を食ひし世代よ壽 石塚純子
母に聞く戦後の話麦の飯 菅谷和子
揚羽きて花びらふやすあやめかな 大平佳余子
ぽろぽろと箸になじまぬ麦の飯 長野いづみ
母の日や母のすべては知らぬまま 岩﨑ひとみ
母の日も母がこさふる夕餉かな 臼杵政治
卓袱台の団欒ありし麦の飯 神谷宣行
母の日の母の予定は既にあり 那珂侑子
ぼうたんや修行の僧の朝早し 服部尚子
母逝きし年の母の日忘れめや 越智淳子
(関根千方記)
鎌倉吟行句会(4日 英勝寺 8名)
第一句座 (7句出5句選)
葉桜を見下ろす句会盛んなり 侑子
いつまでが筍かしら見上げをり 道子
一房の揺れて全部が揺れて藤 良子
四十雀風受け止めて鳴き出しぬ 健
境内に入りて日傘をしまひけり 益美
しやくなげの花の奥へとけもの道 英樹
大空を目指して半ば今年竹 美津子
いつせいに揺らぎ始むや今年竹 和華子
第二句座 (母の日 / 蝙蝠)
母の日やテッシュで作るカーネーション 道子
蝙蝠や両手の平の隙間より 良子
母の日の母に近づくこと難し 英樹
蝙蝠のはしやぐ夜空を帰りけり 美津子
母の日やより忙しき台所 益美
蝙蝠や人立ち去りし遊園地 健
母の日や母に見習ふこと多し 侑子
蝙蝠や夜の帳を開きゆく 和華子
(谷村和華子記)
埼玉句会(25日 埼玉教育会館 5名)
尊きは不戦の国の冷奴 市人
ありふれた日々こそ大事冷奴
羽衣の懸かるとみれば蛇の衣 靖彦
気休めの気分一新冷奴
川の名を聞けば懐かし鮎の味 宣行
仕掛けたる米高騰や梅雨鯰
永田町梅雨前線停滞中 つねお
鮎走る生まれ故郷の清流を
トム・クルーズつひに老いたり青嵐 ゆき
愚の上に愚をトランプの夏来たり
(萬燈ゆき記)
愛知吟行句会(15日、愛知県犬山市)
名古屋鉄道の「犬山駅」の西口に集合し、歴史ある店・新しい店が並ぶ本町通りでランチ。その後、犬山城に入ったり、通りの店を見たりして吟行。城前観光案内所の中のオープンスペースで句会。
すずしさや川音ひびく天守閣 恵美子
鳥落ちて丈草嘆く薄暑かな 春日美智子
武者窓を吹き抜けてくる若葉風 肇
犬山やばらのアーチに迎へられ 楓
鈴なりのハートの絵馬に夏兆す 正博
花かつを踊るきしめん夏はじめ 雄二
(稲垣雄二記)
岐阜句会(22日 岐阜市西部福祉会館 )
第1句座 兼題 茶摘、薫風、柏餅
赤襷して茶摘みしている中学生 沙羅
風薫る港見下ろし老いるかな 上松美智子
風薫る鴉一羽を吹き残し 春日美智子
手渡され掌にずつしりと柏餅 恵美子
第2句座 当季雑詠
咲き過ぎし蜜柑の花をへらしやる 沙羅
朝早しさささげの種に水をまく 上松美智子
肩車されし思い出藤の花 春日美智子
老鶯に呼び止められし山のなか 恵美子
(梅田恵美子記)
京都句会
古志京都句会5月は、予定どおり通信句会と対面句会を実施しました。
対面句会は、いつもの第3水曜日の21日に実施しました。結果は次のとおりです。
第1句座 5句出句5句選句(うち1句特選)。
第2句座 席題(「黒板・白板」「祭」「姫女菀」「花氷」「蜥蜴」)5句出句5句選句(うち1句特選)。参加者5名。
農政の未来混沌梅雨菌 洋子
虹描く黒板アート風薫る
飲みこめぬ道理固めてゼリーかな りえこ
大丸で待つと板書や花氷
夏帽子五百羅漢に推しのゐて 佳澄
完敗の新人戦や姫女菀
朝顔を播きて日記を再開す 欣也
祭笛風に乗り来る山家かな
失恋も今は遙けし薔薇の風 茉胡
人間界つまらなさうと蜥蜴消ゆ
5月通信句会は夏雲システムを利用して実施。藤岡美恵子さんのエッセイ(昼顔、浦安新聞掲載)、稲垣雄二さんと宮本みさ子さんのさんのエッセイ「ふるさと歳時記5月」、そして竹下米花さん作の絵手紙(玉葱)からの連想句4句以上を含め、8句投句、選は特選1句、入選7句で行いました。14名参加。
すぐそこに戦争のある新茶かな 美那子
ここからは箱根八里ぞ夏木立 忠夫
ふたたびの相馬野馬追五月晴 りえこ
鰆より春切り分けて盛られけり 初男
少年の兜凛々しき野馬祭 悦子
自由てふ不自由ありて毛虫這ふ 米花
花びらのごとく玉葱剥きにけり 久美
玉葱の影が仮設の壁にあり みさ子
茶どころや子らも総出の茶摘唄 恵美子
玉葱とおかかがあれば良き夫婦 佳澄
遥かより将門の夢野馬祭 淳子
葱坊主幼の癖は抜けきらず 英二
ひとすじの汗野馬追の女武者 杳平
飛切りの香水今日は君と会ふ 茉胡
6月以降も通信句会、対面句会の二本立てで行う予定ですが、7月は前主宰指導の祇園会句会、8月は主宰指導の大文字句会を開催しますので、対面句会はお休みです。祇園会句会、大文字句会に参加希望の方は、古志6月号50頁をご覧になり、申し込んで下さい。
(氷室茉胡記)
奈良まほろば句会(27日 11名)
鮎茶屋の庇や深き苔覆ひ まち
夫もまた少年の香よ菖蒲の湯 久美
微笑みの如意輪観音明易し 忠雄
洗濯物やさしく乾く五月来る 正子
ほととぎす曇天つつく鋭声かな 淳子
畑とも庭ともつかずトマト熟る 美那子
田螺採るさつそく並ぶ夜の膳 雄二
やむを得ず値上げとの詫び梅雨近し まこ
瀧となる太古の森のしづけさよ 洋子
滝落ちて水底深く龍潜む 悦子
瓦礫より白覗かせるどくだみ草 りえこ
(きだりえこ記)
福岡句会(17日 3名)
第一句座(当季雑詠)
飛行機雲の影恐ろしや羽抜鳥 紀美代
いのちみな光なるべし初蛍 民也
梅雨入穴パンダの鬱の始まりぬ 龍梅
第二句座(席題 虹、余花、青桐)
ひとり来し奥千本や余花の雨 民也
青桐や己の愚行を知りながら 龍梅
愛猫の消えゆく命に虹立ちぬ 紀美代
(周龍梅記)
被爆80年 長崎句会(31日 出島メッセ長崎 14名)
大谷弘至主宰選
第一句座(当季雑詠)
特選
聖人の中に子供や明易き 神蛇広
ガラス片遺る患者よ百合の花 瑞木綾乃
長崎の悲しみを背に昼寝かな 木下まこと
少年の跣あれから何処をどう ももたなおよ
推敲の混沌楽し浮いてこい 瑞木綾乃
白シャツの父は残像めがね橋 木下まこと
麦笛の兄を探して八十年 木下まこと
ごみ捨つるやうに落とせし原爆忌 齋藤嘉子
藺田わたる風のすがしさ朋来たる 米山瑠衣
そろそろの新茶を待ちて空茶箱 眞田順子
蝉よ鳴けかの八月の風に耐え 丹野麻衣子
螢来よあの日の弁当食べに来よ ももたなおよ
吹き上げよ無辜なる民の声のごと 瑞木綾乃
入選
爆風に曲がりし鉄かこの蚯蚓 丹野麻衣子
八十年かけての祈り白日傘 眞田順子
十字架に影をナガサキクロアゲハ 木下まこと
一瞬の閃光蛍を爛れさせ きだりえこ
今生きる子らに被爆樹緑さす ももたなおよ
昼顔や聖人はみなはだしなる 神蛇広
被爆者の祖母の祈りや甘露水 本田玲子
歯が自慢媼笑ひつ烏賊を噛む 眞田順子
聖五月まこと平和の泉たれ ももたなおよ
夏来る水を一口爆心地 橋口文
第二句座 (蝸牛、麦の秋、焼酎)
特選
縁側や壱岐の焼酎持つてこい 神蛇広
麦秋や海までつづく吉野ヶ里 木下まこと
かたつむり草におぼれてゆきにけり 神蛇広
如己愛人麦焼酎を傍らに 丹野麻衣子
入選
焼酎に溺れたき夜ベートーベン 橋口文
麦焼酎長崎の鐘とほく聞き 丹野麻衣子
麦秋や機銃掃射を逃れしと 齋藤嘉子
心地よき昼寝の横に空焼酎 眞田順子
海いろのグラス二つや壱岐焼酎 木下まこと
おほかたは晒し生きむや蝸牛 瑞木綾乃
かたつむり今に青々佐賀平野 ももたなおよ
尾まがりの猫は眠たし麦の秋 木下まこと
焼酎を吹いて消毒爆心地 丹野麻衣子
(ももたなおよ記)
熊本句会(15日 通信句会 4名)
兼題 母の日、麦の秋 7句出句5句選
麦の秋鶏の戻らぬ縁の下 若松節子
母の日に聖母マリアを描く子らよ 佐竹佐介
蝮草千年欅の結界に 北野沙羅
川風や菖蒲の花の摘まれゆく 加藤裕子
(加藤裕子記)
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