ZOOM句会
深川句会()
東京ウェブ吟行句会(20-23日、夏雲システム、23名)
吟行地:江ノ島
兼題:山滴る、牛馬冷す、閻魔参
大夕焼け影絵のごとくサーファー来 菅谷和子
牛冷やすアジアの果ての夕暮れに 稲垣雄二
江ノ島の潮にやけたる茅の輪かな 金澤道子
江ノ島を揺さぶつてゐる蝉の声 安藤文
烏帽子岩たちまち消ゆる白雨かな 神戸秀子
木曾川の筏見送る洗ひ馬 大場梅子
江の島を橋ごと冷ます夕立かな 上村幸三
妻がゐて母艦のごとき砂日傘 臼杵政治
閻魔参蒟蒻二丁で舌二枚 岡村美沙子
牛洗ふ夕日の水面皺くちやに 石塚純子
閻王に母の俤ありにけり 藤英樹
いそいそと閻魔参りに行く妻よ 那珂侑子
がぶり寄る腰は百貫勝ち相撲 園田靖彦
江ノ島の大橋渡る白日傘 片山ひろし
地に根ざす龍太の俳句山滴る 神谷宣行
湘南のモンサンミッシェル橋涼し 原京子
今日一日慈しみの目閻魔王 長野いづみ
蜘蛛の糸つうとさがりぬ宵閻魔 大平佳余子
心にも闇の深さや閻魔堂 関根千方
月へ投ぐ一期一会の金亀子 石川桃瑪
弧を描く紙飛行機や山滴る 服部尚子
江の島の恋人たちへ夏の月 谷村和華子
山滴る母は先生子は生徒 松岡伴子
(関根千方記)
鎌倉吟行句会(7日 鶴岡八幡宮 6名)
第一句座 (7句出5句選)
八幡宮値千金この涼風 淳子
揺れながら散りながら立つ蓮かな 美津子
みずすましどこまで行けば自由かな 益美
韋駄天の走りゆくなり蓮のうへ 英樹
花咲いていよよ濁れる蓮の池 道子
さはさはときれいな風よ七夕竹 和華子
第二句座 (船遊び / 月下美人 3句出3句選)
ひと鉢の月下美人に仕へをり 道子
唐崎の松をはるかに船遊び 英樹
車椅子のまま乗り込みぬ船遊び 益美
保津川の緑を棹て舟遊び 淳子
舷に酔ひ覚ましけり船遊 美津子
遊船や灯を入れいよよ夢の瀬へ 和華子
(谷村和華子記)
埼玉句会(28日、埼玉会館、6名)
藍染の藍深くして涼しけれ 市人
この国の底の抜けたる暑さかな
夏の果て句友一人をまたもがれ 靖彦
江戸つ子の生一本や心太
魂をぽんと抜かれてところてん 宣行
立入れぬ女ひとりの日傘かな
先づもつて色どりたたへ夏料理 つねお
だまされしことに気付かぬ涼しさよ
ところてん銀座二丁目三番地 ゆき
近ごろの物価高騰ところてん
(萬燈ゆき記)
愛知吟行句会(11日 名古屋市鶴舞公園)
天気予報の反して、幸運なことに小雨のち曇りの中、公園の蓮池を中心に吟行する。散り始めてはいたが、池一杯の蓮の花に驚く。駅の近くで昼食を取り、鶴舞図書館で句会。
雨しとど梅雨の柳の愁ひかな 恵美子
億年の闇を破りて大賀蓮 春日美智子
雨の輪にアメンボ遊ぶ好き勝手 すみ子
大空と水のあはひにあめんばう 肇
亀うごく蓮池の泥まとひつつ 楓
空蝉やここはアメリカ村跡地 正博
幻の仏があまた蓮の池 通江
蓮の花揺らして泳ぐ亀の顔 雄二
(稲垣雄二記)
岐阜句会(25日 岐阜市西部福祉会館)
第1句座 兼題(朝顔、金魚、水中花)
月光に金魚は色を失ひぬ 春日美智子
あと戻り出来ぬ若き日水中花 上松美智子
紺一色の朝顔欲しと眺めたる 沙羅
鉢の外知らぬ金魚や寿 恵美子
第2句座 当季雑詠
全館が団扇となりて名古屋場所 春日美智子
熊蜂の羽音聞きつつささげ取る 上松美智子
どう云う気届かぬ高さのミニトマト 沙羅
夕立や猫ぐつすりと夢のなか 恵美子
(梅田恵美子記)
京都句会
古志京都句会7月は、例年どおり、長谷川櫂前主宰指導の祇園会句会を実施しましたので、通常の対面句会はありませんでした。
祇園会句会の結果は、「長谷川櫂のサイト」(俳句的生活)をご覧下さい。
来月からは、毎月、通信句会と対面句会の二本立てで行う予定です。対面句会、いつもは第3水曜日午後1時からこどもみらい館で実施ですが、句会場の都合で、10月は11日(金)、11月は8日(金)に行います。
7月通信句会は夏雲システムを利用して実施。主宰のブログ(形代・茅の輪)、喜田りえこさんのエッセイ「ふるさと歳時記7月」、そして竹下米花さん作の絵手紙(玉葱・夏帽子)からの連想句4句以上を含め、8句投句、選は特選1句、入選7句で行いました。16名参加。
歌麿の女抜け出て髪洗ふ 忠雄
百日紅みな貧しくてみな自由 美那子
蚊帳吊れば昔話の始まりぬ 英二
寝転んで世界を憂ふ夏休み 雄二
被災地の道は茅の輪をくぐり抜け みさ子
うつわから見せてはじまる夏料理 米花
ざくざくと玉葱長者の初男さん りえこ
夏帽子会いたい人に会いに行く 佳澄
不老水飲んで老鶯声上々 淳子
出てきては困るところに今年竹 美恵子
白南風や妻よく動きよく食べる 初男
祖国とは日本語のこと終戦日 杳平
葛切をあそばす水も透きとほり 久美
口中にはじける潮海ぶだう 恵美子
金魚の鉢より覗くこの世かな 悦子
茅の輪潜り検診結果聞きに行く 茉胡
通信句会、対面句会とも参加希望の方は、いずれも氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。 メルアド:mako10himu6@nifty.com
(氷室茉胡記)
奈良句会(23日 zoom句会 10名)
東大寺打ち水踏みて朝参り 忠雄
遠花火ゆつくり神輿戻りくる 洋子
少年の伸びやかな足青葡萄 悦子
山遠くよく見ゆる日や青葡萄 久美
母と娘はしづかに暮らし青葡萄 りえこ
こまやかな風を選びて扇子買ふ 美那子
大西日受ける事務所や三十年 一爽
高速の二車線分けて夾竹桃 正子
湧き水へ白蛇下る奥社 まち
百姓につまみはいらぬ蝮酒 雄二
(きだりえこ記)
大阪句会
メール句会 雑詠7句出句、5句選
ゆるやかに衿元ほどく団扇かな りえこ
蚊遣香ゆらりと夜を動かしぬ 誠
田草取汗ぽたぽたと落としつつ 洋子
深山なる朴葉に包み豆ごはん 久美
森で鳴き海にこだます時鳥 頼温
掬はれて安堵の顔の金魚かな 豊
大阪のビルの谷間の茅の輪かな みつこ
曲つてもいいではないか胡瓜なら 美那子
十薬を踏んで行かねば会えぬひと 美栄子
ふつふつと太古の記憶海鞘(ほや)料る 百合子
帰り来ぬ母を待ちたり白日傘 陽子
涼しさや炎育てしとんぼ玉 歌子
言の葉の要らぬ夫婦や水羊羮 茉胡
Zoom席題句会 席題(枇杷・炎天・仏法僧)3句出句、3句選
枇杷の実やするりと皮の剥けごこち 百合子
枇杷啜るまこと大きな種二つ 洋子
紺碧の紀淡海峡枇杷熟るる 美那子
炎天に葉を広々と欅かな 頼温
炎天の上に炎天あるごとく 一爽
炎天や地球丸ごと炙り焼き 誠
炎天の京を鎮めん鉾と山 陽子
仏法僧大杉つづく奥の院 豊
宿坊に夜の早さよ仏法僧 みつこ
城跡の森の夜を統べ仏法僧 歌子
(木下洋子記)
松山句会(24日 メール句会 10名)
兼題:涼し、滴り、雲の峰、海月、風鈴 5句出句5句選
我を呼ぶ妻の風鈴仕舞難し 薫
海恋し貝の風鈴ひびき合い 喜久子
涼やかに一山一寺風の音 喜久子
滴りを一口地球の味がする まさし
ひたすらに育ちゆくなり雲の峰 和弘
砥部の土かそけき音の風鈴に 紫春
風鈴も風鈴の音も風の中 真樹子
風鈴や不在がちなる一軒家 伊都夫
風鈴よガザに届けよ平和祈る 博山
さびしさに光る海月となりしかな まこと
わが一世未完成なり雲の峰 紫春
静かなれ沖縄の海海月の海 博山
錫杖の音高くして雲の峰 喜久子
白昼に蝉の音絶えて耳涼し 和弘
オホーツクの還れぬ領土雲の峰 真樹子
滴りや行きも帰りも寄りにけり 薫
峰雲の湧くや霊峰丸呑みに まさし
滴りの力みちたる時に落つ まこと
(木下まこと記)
福岡句会(5日 小倉城庭園)
大谷弘至主宰選
第一句座
特選
たとふれば久女は白き花木槿 坂口和子
文学へちひさな旅をして涼し 矢野京子
鳥の籠ただ涼風のとほり過ぐ 村田もも子
綾杉に宿れる龍も暑からむ 斉藤真知子
小倉城登つておりて鯖食べに 丹野麻衣子
夏蜜柑ゆるむ心のベルトかな 加藤久子
人の世に闇をふやして蝉の穴 矢田民也
看病に慣れし日夏の帽子買ふ 周龍梅
旅支度もう涼しさのなかにをり 高橋真樹子
初蝉や乙女はけふも布を織る 丹野麻衣子
汲み取りのホース飛び越え夏休み 瑞木綾乃
襁褓して襁褓の子抱く人涼し 矢田民也
かき氷飾り山笠見に行かん 高橋真樹子
入選
小倉いま城壁苔の花盛り 丹野麻衣子(小倉来て城壁苔の花盛り)
炎天や脳動脈にチタン埋め 若松節子
時の日や余生の時計ただ進む 加藤久子
従四位の像も歩きし道暑し 木下まこと
梅雨晴の歩行器はじめいかる肩 前田悠
七夕や門司のはね橋はねるとき 丹野麻衣子
愛されし記憶や父とハンモック 山本桃潤
子の羽織る我の振袖朴の花 瑞木綾乃
言ひ分けを吐き出しさうなラムネかな 木下まこと
遠くを見る涼しき心吾に欲し 加藤久子
蝸牛師は特老に移るとか 若松節子
客を呼ぶ団扇も旦過市場かな 矢野京子
夏の日や娑婆のにほひの銀天街 木下まこと
冷奴これより夫と二人とや 高橋真樹子
夏雲や忠興のこと玉のこと 木下まこと
博多山笠胡瓜を絶ちて三日目に 斉藤真知子
ライチ摘む土に帰りし人と摘む 周龍梅
石垣のけふも夏草取ると言ふ 矢野京子
襟元に夏の風入れ小倉織 丹野麻衣子
更衣して老いたる腕愛ほしき 山本桃潤
追伸に初蝉のこゑ聴きしこと 大橋修
熱き夜や祇園太鼓に酔ふ鉄都 若松節子
師の影に遠くはなれて汗の中 木下まこと
仲直りより良きコツの水合戦 周龍梅
第二句座(席題、トマト、風鈴、山開き)
特選
ベランダのトマトはいつもつまみ食ひ 坂口和子
人去りし家の風鈴ときに鳴る 大橋修
ひと仕事をへて鉄都に蕃茄冷ゆ 丹野麻衣子
風鈴や大きな愛で包む家 山本桃潤
姉ちやんはいつも損してトマト食ぶ 木下まこと
山開きうきはの水を水筒に 矢野京子
三日留守トマトの水遣り言ひ忘れ 鈴木榮子
決して火の消えぬ鉄都よトマトもぐ 丹野麻衣子
湯剥きとはトマトの火傷にほかならず 矢田民也
ずぶ濡れや石鎚権現山開 木下まこと
入選
風鈴や体の声を聞く頃よ 加藤久子
弟は禰宜山開き川開き 若松節子
風鈴よ夜はしづかに寝るがよし 斉藤真知子
団子屋の江戸風鈴も三代目 若松節子
雲の峰トマトのへたは緑なす 大橋修
(斉藤真知子記)
福岡句会 (27日 南市民センター)
第一句座
玄界の波をよろこぶヨットかな 和子
滝音といふ閑けさのなかにゐる 民也
軽井沢生まれのビール冷えて着く 伸一
千日紅ポンポン跳ぬる園の子ら 久子
艶やかや雨に磨かれ梅雨の月 修
肩書きを憚らず飲むビールかな 龍梅
夏雲や愉しきことのみ思はるる 悠
終活とふ嫌な言葉よ梅雨に入る 國光
しばらくは休ませてをく茄子の馬 真知子
第二句座(席題、ひまはり、汗)
ピアノソロ汗の熱演息はずみ 修
ひまはりの枯れてなほ立つ頭かな 國光
頬杖を誘ふひまはり雲白し 悠
労働の汗の一滴畑に滲む 久子
はは幾度わが汗拭いてくれしかな 民也
玉の汗拭ふことなき球児かな 真知子
(斉藤真知子記)
長崎支部(26日 まり庵 8名、うち3名はメール参加)
当季雑詠
万緑や大皿平らげ大家族 まり子
はたた神八十路の逃ぐる速さかな 順子
炎天下修善寺よりの富士堂々 弘美
茹だるかな梅雨明け嬉し又怖し 文
満面の「自転車乗れた」夏休み 玲子
青空に縋りつかんと凌霄花 なおよ
余所行きのレース着る母里帰り 美智子
黒髪やさらりと解いて籠枕 瑠衣
題詠 夏座敷・緑蔭
子らの足拭いて上ぐるや夏座敷 瑠衣
東西に走る道には緑陰なし 美智子
風渡る車イス押す緑陰に 文
夏座敷向きさまざまに寝ぬる子ら まり子
夏座敷一等席の祖父の椅子 玲子
お点前や風流れゆく夏座敷 順子
夏座敷鶴首竹に庭の草 なおよ
建具みな黒光りして夏座敷 弘美
(ももたなおよ記)
熊本句会(15日 通信句会 4名)
兼題(黴、蝸牛) 7句出句5句選
地球儀の南極に黴うすみどり 佐竹佐介
黴の香や使はぬ部屋の広辞苑 若松節子
茶会へと捜す雨下駄黴塗れ 北野沙羅
朝蝉や申し送りの十分間 加藤裕子
(加藤裕子記)
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