2022年8月句会報告

第30回YouTube句会(27日 43名)

大谷主宰選

【特選】 
皆揺れてこの静けさよ稲の花    吉田順子
鮎のわたころつと固き心の臓    米山瑠衣
そもさんへせつぱと応ふ案山子かな 喜田りえこ
去り難く秋の蛍となりにけり    石塚直子
露深し文化文政童子墓       喜田りえこ
大文字君送る火にならうとは    齋藤嘉子

【入選】
夕風にひとりあそびの子ふくべよ  神戸秀子
押出しで終る熱戦つくつくし    田村史生
みんな居た座敷を廻し走馬灯    ももたなおよ
鳴子鳴るよさこいの地は二期作目  大平佳余子
大三輪へひぐらし帰へる夕かな   喜田りえこ
食うてみよ赤さが誇り自家トマト  鈴木榮子
神木を守り守られ豊の秋      神戸秀子
提灯をしまふ端から秋めける    ももたなおよ
ぴんと敷く白きシーツや涼新た   澤田美那子
アスファルト生まれの草葉露の玉  仲田寛子
夜通しの下駄がいのちぞ郡上踊   前崎都
絵蝋燭灯せばかをる菊の花     長野いづみ
ひと頃の秋刀魚の勢ひなつかしき  吉田順子
疫の世を冬瓜のごとしづかにゐ   稲垣雄二
夢殿に叩きてしづか鉦叩き     菅谷和子
田は見えず鳴子鳴るなり夕まぐれ  越智淳子
みちのくの借家なつかし萩こぼる  イーブン美奈子
(記:丹野麻衣子)


ZOOM句会


郵便句会

大谷弘至主宰選

特選
無花果が出たぞいよいよ学校ぞ     春日美智子
身の嘆き迎へ送りの火も焚けず     神永秀郎
頂上や雲より高く赤とんぼ       白石勉
慰霊碑の名前の凹も蟻の道       鈴木千恵子
大西瓜まづ三角の先齧り        上俊一
盆僧のごとく現れ山頭火        北林令子
祈りの灯揺れて八月あきつしま     加藤久子

入選
ひと目ひとめレースに時を編み込んで  関君子
鬼灯や一番赤きを父の墓        春日美智子
香水は夜間飛行よ初恋よ        水谷比嵯代
餌の足りぬ金魚ひらひらするばかり   北林令子
そのなかにをさなき吾や蛍狩      関君子
御影川馴染の鴨に会へぬ夏       伊達公子
家々の槙の生垣今朝の秋        上俊一
藪払ひ吹きつさらしの墓洗ふ      上俊一
被爆樹や声を限りに油蝉        白石勉
麦刈の遅れおくれて熟れはうだい    梶原一美
木曾谷の底の底より踊り唄       加藤妙子
朝霧の深きより現れくばる       梶原一美
痛きほど急な雨来て夏終る       春日美智子
鵜の匂ひ鵜川の匂ひ夏終る       小島楓
葉をたたく喜雨もたちまち過ぎしもの  藤井洋子
窓よりの涼しき風に眠りをり      土筆のぶ子
蕎麦の花長逗留の雲水よ        上俊一
けさ秋の脛に山蛭吸ひしあと      北野沙羅
机上の灯更けて小さき灯取虫      梶原一美
炎ゆる日々予定入るるも生きてこそ   西川東久
(氷室茉胡記)


東京ウェブ吟行句会(21-23日、夏雲システム、19名)

柿の木に鶏の止まれる秋出水  神戸秀子
戦争のただ中にをり終戦日   石塚純子
まだ温き佃煮買うて西鶴忌   萬燈ゆき
動かざる山が動くや秋出水   神谷宣行
あさがほや路地は仕込みの醤油の香 菅谷和子
天高し創業きそふ佃煮屋    園田靖彦
むざんやな香れる早稲に秋出水 越智淳子
天安の佃煮どれも秋の艶    原京子
この星の滅びの兆し大洪水   長野いづみ
風神の鳴らしてゆける鳴子かな 大平佳余子
海溝の闇に浮かびて鱸釣る   関根千方
さびしさや鳴子は夜も鳴りつづけ 吉田順子
水飯もよし佃煮の鯊を買ふ   片山ひろし
回覧板三年ぶりの盆踊り    持田明子
佃煮の茶漬搔きこむ残暑かな  大場梅子
サーファーの独り恐れぬ土用波 石川桃瑪
わびしさを分けて二人や水中花 服部尚子
とりどりの缶かん繋ぐ鳴子かな 那珂侑子
シャンデリア美しき一皿鱸かな 松岡伴子
(関根千方記)


埼玉句会(28日、埼玉会館、3名)

秋暑し国葬といふまつりごと     市人
はびこるは強者の論理秋刀魚焼く
文字一つ直して一句涼あらた     靖彦
かなかなや今日の一日を絵日記に
鶏頭の種くろぐろと子規忌かな    ゆき
大食は大志に通づ糸瓜の忌
(萬燈ゆき記)


岐阜句会(25日 岐阜市西部福祉会館) 

第1句座 兼題(残暑 梨 赤蜻蛉)
赤蜻蛉飛びゐて休む虚空かな       上松美智子
畦道をぶつかつて来る秋あかね      春日美智子
赤ん坊の顔ほどの梨かかへ来る      沙羅
病院の窓に見る空秋あかね        通江
大津絵の鬼の目玉や秋暑し        恵美子

第2句座 当季雑詠
朴の葉を母への土産秋日和        上松美智子
反戦の炎のごとく百日紅         春日美智子
ねこじやらし遠い記憶のやうに揺れ    沙羅 
鰯雲われにも終りあるといふ       通江
背負はれて我が遠き日の流れ星      恵美子
(梅田恵美子記) 


京都句会

 古志京都句会、8月はいつものとおり、通信句会と対面句会を実施しました。来月からも、毎月、通信句会と対面句会の二本立てで行う予定です。

対面句会は、第4日曜日午後1時からこどもみらい館で実施予定。8月通信句会は夏雲システムを利用して実施。事前に送った初男さんの写真と文章(初男さんが体験された奥の細道を巡る旅のシリーズ第5弾、出羽三山)、そして米花さん作の絵手紙(ピーマン・残暑)からの連想句4句以上を含め,8句投句,選は特選1句,入選7句で行いました。11名参加。結果は次のとおりです。 

土用餅しぶとく生きて今年また      久美
俳諧の杖にすがりて雲の峰        雄二
月と日を虚空に置きて月の山       りえこ
ピーマンやあつけらかんと大愚あり    陽子
アイゼンの発止と雪渓つかむ音      嘉子
ピーマンや赤き残暑のひとところ     美那子
夏句会の強力ならん初男翁        美恵子
秋の灯や芭蕉も曾良も日記書く      英二
月山におきなも寝たり月涼し       初男
むまさうな土用鰻を見て帰る       米花
銀河濃し出羽三山は修験の場       茉胡

 対面句会は、8月28日(日)こどもみらい館で実施。第1句座当季雑詠5句出句5句選句、第2句座席題(「唐辛子」「美術展」「芒」「猪」「敬老日」「西瓜」)6句出句6句選です。3名参加。
山姥は朝餉にせむと草の露        りえこ
じやあまたと君が影ゆく芒原
年寄の数まさりたる地蔵盆        幸子
猪垣にぐるり囲まれ一軒家
秋の空また書き直す遺言書        茉胡
むら薄統ぶる一本ありにけり

 通信句会、対面句会とも参加希望の方は、いずれも氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。
メルアド:mako10himu6@nifty.com
(氷室茉胡記)


奈良句会(25日 夏雲システム 8名)

5句出句5句選
炎帝の忘れ形見か唐辛子        久美
太古の炎かくも美し大文字       まき
妙法の火の粉を浴ぶる我が家かな    まこ
今日よりは法師蝉の木大欅       美那子
大虹や南都の辻のどこからも      正子
香水がゴーギャンの絵を見てをりぬ   雄二
声交はす杖の夫婦や秋の空       豊
青空に子ども遊ばす蜻蛉かな      りえこ
(喜田りえこ記)


大阪句会

メール句会(雑詠7句出句、5句選)
日焼して心大きな人となれ       陽子
日盛りやかつと目をむく仁王像     りえこ
原色のひかり散りばめ夜店かな     豊
香水のレモンの香なぞつまらなし    みつこ
祇園会の仕舞ひて京の夏終る      百合子
あの世ともこの世ともなく大昼寝    歌子
思ひのほか手足の動くねぷたかな    茉胡
六甲の緑の涼し芦屋川         泰子
女流棋士をとこに挑む涼しさよ     美栄子
かなかなや淡海は波のこまやかに    久美
かの和上心眼で見し夕焼かな      洋子
かすかにも雲はゆるびて今朝の秋    美那子

Zoom席題句会(席題「虫籠、初秋、朝顔」3句出句、3句選)
虫籠に恐竜入れてをりしかな      みつこ
虫籠を吊るして夜半を友とせん     百合子
初秋や三代揃ひ黙祷す         洋子
向い家の声の明るき初秋かな      豊
コロナ禍も戦も果てず今朝の秋     りえこ
初秋やコロナ籠りに旅心        歌子
故郷の海の色より秋はじめ       美那子
あさがほの咲きつぐころを出会ひけり  久美
朝顔の白にもらはむ心ばへ       陽子
(木下洋子記)


松山句会(19日 メール句会 10名)

兼題:キャンプ、晩夏、ラベンダー、片陰、向日葵、土用鰻 5句出句 5句選 
テントひとつ富士山ひとつキャンプの火 陽市
片陰に柱百本法隆寺          真樹子
晩夏かな友逝きてのち届く文      紫春
沖縄とヒロシマながさき夏の空     博山 
勢ひのうなぎのうの字藍のれん     まさし
曇る日の匂ひは強しラベンダー     崇
山ほどの道具揃へて初キャンプ     和弘 
バス停に片陰欲しき田舎かな      薫
くづれゆく蓮の花びらいとほしく    夕未子 
堤防の二人暮れゆく晩夏かな      まこと 
テントみな富士をのぞんでキャンプの火 陽市
新古今よんでまどろむ晩夏かな     真樹子
片陰をえらびながらの下校道      紫春
向日葵よ平和をもたらせウクライナ   博山
方陰や葬送の列幡垂れて        まさし
さびれゆく村を豪華に日輪草      崇
日の落ちてなほシャツ一枚の晩夏かな  和弘 
片陰を拾ひひろひて芭蕉庵       まこと 
(木下まこと記)                


福岡句会(24日 通信句会)

鮎甘露とことこ煮詰め終戦日      國光  
色あせた絵日記めくる遠い夏      博人 
無花果やペルシャの風の吹くところ   龍梅
ゆふだちや雀遊ばす潦         民也  
仏壇の灯も消し盆の月と居る      祥子
なにもせぬ一日贅沢暑に耐ふる     和子 
鬼やんま近江の湖をひと飛びに     修  
白白と葛の葉裏や風青し        充子 
鬼灯を鳴らして母を魂祭        桃潤 
新涼や日ごとにふゆる児の喃語     幸子
天の川仰ぐ耕さるる心         久子
父さんと泳ぎしことを絵日記に     真知子 
(斉藤真知子記)


長崎支部(26日 メール句会 8名)                         

当季雑詠 5句
路地発見サボテンの花大発見      あや
優勝杯異国の技を汗で得て       順子
みな何処にゐるの酷暑の動物園     なおよ
父の背の弾の痕にも天花粉       美智子
灯籠やいま大海へ漕ぎ出でぬ      睦美
送り火の賑はひ温し五山かな      弘美
子の声の飛び交ふ本家盆の入り     玲子
連なつてメロンぷかぷか秋出水     瑠衣

題詠2句(桃・秋めく)より
楊貴妃に負けぬ色香や旨し桃      あや
白き肌産毛も桃の稚児来る       順子
提灯を仕舞ふ端から秋めける      なおよ
秋めくや車窓にビルの色づきて     美智子
桃の王うぶ毛の露の色気かな      睦美
桃食めば憂きこと忘れをさなかな    弘美
桃の香や写真の祖母に届きませ     玲子
発熱の父に送らむ水蜜桃        瑠衣
(米山瑠衣記)


熊本句会(市民会館 4名)

第一句座
しみじみと昭和の歌や鰯食む      佐介
斯かる夜は狸が新酒提げて来む     佐介
君の書く私の名前天の川        茉莉子
音もなく豆腐を潰す秋の朝       茉莉子
流灯や昔の橋はそのままに       裕子
鰯焼く焼きすぎたるは性分か      裕子
田園にビール工場秋に入る       榾火
暴れたる川の辺に新酒かな       榾火

第二句座(席題 クーラー)
小鳥来るブランコ二つ揺れしまま    佐介
沼沢の水面の硬さ小鳥来る       茉莉子
その人に黒子のひとつ秋袷       榾火
(記 今村榾火)

                 

                    

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